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和解事例1686から和解事例1690

2020年12月10日 | 原子力損害

原子力損害賠償紛争解決センター(原発ADR)が公開した和解事例1686から和解事例1690までを紹介いたします。

1686=旧緊急時避難準備区域(広野町)の財物賠償に関するもの
1687=自主的避難等対象区域(福島市)の営業損害に関するもの
1688=自主的避難等対象区域(福島市)の営業損害に関するもの
1689=自主的避難等対象区域(相馬市)の営業損害に関するもの
1690=旧緊急時避難準備区域(南相馬市原町区)の日常生活阻害慰謝料に関するもの

和解事例(1686)
旧緊急時避難準備区域(広野町)に居住していた申立人らの財物(家財(主として布製品))について、地震で損壊した自宅屋根を原発事故のために修繕することができず雨漏り等が生じたことにより財物価値を喪失したと認められるとした上で、購入時期や価格等についての提出資料を踏まえ、購入価格の一部が賠償された事例。

和解事例(1687)
自主的避難等対象区域(福島市)において農業を営む申立人らのユズに係る平成31年4月から令和2年3月までの営業損害(逸失利益)について、ユズに出荷制限が課せられていることや申立人らが提出した資料による立証の程度等を考慮し、申立人らの主張するユズの個数に基づく請求額の概ね5割の限度で賠償された事例。

和解事例(1688)
自主的避難等対象区域(福島市)で食品の製造販売業を営む申立会社について、東京電力の直接請求手続においては平成23年3月から同年8月までの営業損害(逸失利益)を算定するに当たり、貢献利益率を製造業の平均利益率である32%としたが、申立会社の実績による貢献利益率は上記よりも高いとして、これによる差額が賠償されたほか、平成28年7月から平成30年12月までの食品の製造過程で利用する井戸水の検査費用の約7割が賠償された事例。

和解事例(1689)
自主的避難等対象区域(相馬市)において魚介類の卸売り及び直売業並びに飲食業を営む申立人の平成28年8月分から平成30年7月分までの営業損害(追加的費用)として、仕入先が遠方になったことや観光客の減少による売上減少を補うために営業時間を増加変更したことによって生じた人件費(給料手当等)の一部(原発事故の影響割合を期間及び費目に応じて1割ないし4割とする。)が賠償された事例。

和解事例(1690)
旧緊急時避難準備区域(南相馬市原町区)から避難した申立人母子の日常生活阻害慰謝料について、申立人母が、原発事故当時の勤務先工場の一時的閉鎖に伴って、他所で勤務することとなったこと等を考慮し、平成26年3月分まで賠償された事例。

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