南斗屋のブログ

基本、月曜と木曜に更新します

弁護士数の増加と質

2008年05月19日 | 未分類
 現在、大幅に弁護士になる人数が増加しています。これは、司法試験合格者が増えているからです。
 私が合格した時(1992年)は、約600名が合格しました。現在は、約2500名が合格者です。
 なぜ、合格者が増えているのは、政府が合格者を増やすという政策をとったからです。

 弁護士の間では、修習生(弁護士になる前の身分)の質の低下を嘆く声が、あふれています。最近は、ロースクール出身の弁護士が多くなっていますが、「法科大学院で鍛えられているせいか、話すことはうまいが、文章が下手である。主語と述語が対応していないものも多い。」との酷評もみられます。

 もっとも、今までの弁護士の質が保たれていたかというと、そうはいえません。
 たとえば、期限を守れないという弁護士も少なくありません。裁判官が期限を守れないことがあるのも(→過去記事)、弁護士が期限を守らないという事にも、原因があります。
 この業界自体が「納期を守る」という意識が希薄です。

 では、弁護士の人数が増えることで、競争が働いて質が向上するでしょうか。
 それはちょっと疑問です。なぜなら、この業界は競争が働きにくいからです。
 競争というのは、売っているものやサービスを、消費者が簡単に見分けられるから、はたらくものだと思いますが、この業界のサービスは簡単には見分けにくいからです。

 また、弁護士という商売は、信用が命ですので、弁護士の年齢が高いほうが社会的信用度が上で、必然的に有利になります。

 弁護士を使うユーザーとしては、どうすべきでしょうか。
 弁護士のサービスは、大きく分けると
① 対人折衝能力
② 書面作成能力
に分かれます。

 ①の対人折衝能力は、弁護士と相談をすることで、見極めるしかありません。
 弁護士と相談するには、1万円くらいかかりますが、見極めとして使うとすれば、高くないと考えるしかありません。

 ②の書面作成能力ですが、それはその弁護士の書いたものや、獲得した裁判例で評価するという方法が、考えられます。

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