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『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第631号 別冊編集後記
第631号(No.631) 2022/12/3
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
楽器における左利きの世界(8)利き手と非利き手の役割 」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン
右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第631号(No.631) 2022/12/3
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
楽器における左利きの世界(8)利き手と非利き手の役割 」
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前回は、ネットのサイトにあった、
ギター講師さんのご意見を紹介しました。
今回も引き続き、
ネットで見たギター演奏に関するご意見を紹介します。
「知恵袋」の中のご意見を紹介するのは、トラウマがあり、
正直、ちょっと怖いのですが……。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
楽器における左利きの世界 (8)
◆ 利き手と非利き手の役割 ◆
~ 「知恵袋」の相談から ~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
●「知恵袋」の相談から――右利き演奏へ変えることは可能か?
知恵袋トップ>カテゴリ一覧>エンターテインメントと趣味>音楽>
楽器全般
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1433114104
--
kei********さん
2009/11/18 15:35
私は左利きなんですが、
右利き用のギターで上手くなりたいと思っています。
利き手と同じように上達することは可能なんでしょうか?
今私は、左利き用のギター(4万円程度)を持っています。
・・・が、右利き用のギターに変えようかなと思っています。
理由は、左利き用のギターがお店(イオン)に少ないからです。
お店の店員の方が、(品数が少ないということで)
「右利き用のギターで弾いても上達するよ」と言ってくれたのです。
そこで質問なのですが、
この店員の方が言ってくれているのは信じていないわけじゃないんですが
一応聞いてみたいと思って聞いてみました。
利き手とは逆の手でも上達するんでしょうか?
左利きのギターは買って8ヶ月程度なんですが、
正直言うと未経験者と変わらないレベルです。
それでも今から買い換えて練習していきたいと思っています。
今持っている左利きのギターを売ってそのお金を足して分割払いで
右利きのギター(10万程度)を買いたいと思っています。
回答よろしくおねがいします。
--
●「左利きのまま技術を伸ばしたほうが・・・」
回答の中の一つで、私が一番気に入ったのが、下のご意見でした。
--
Pieceさん
2009/11/18 16:13
できますよ。練習さえすれば必ず弾けます。
松崎しげる氏は、
右用のギターを逆さまにして左に持ち替えて上手に弾きます。
彼曰く「他の人と違うことをしなければ芸能界にはいられない
と思ったから」だそうです。
左利きの方でしたらもちろん利き手で弾いた方が上達が早いです。
利き手じゃないほうで文字を書く、球を投げる、球を蹴る・・・
それと同じです。
逆の手足を使ったらめちゃくちゃやりづらいですよね?
でも、練習すれば上達はします。ただし道のりがかなり険しいです。
確かに左利きは楽器選びでハンディがありますが、
見た目のインパクトは左利きのほうがあります。
昔、某楽器屋さんのキャッチフレーズに
「左利きはマネのできない才能」と書いてありました。
まぁマネできないことはないのですが、非常に大変です。なので、
左利きも才能の一つとしてそのまま練習したほうが私はいいと思います。
余談ですが、バクチクの今井さんというギタリストは、
右利きですが左で弾いています。彼も相当練習したでしょう。
何度も繰り返しますが、出来ないことはありません。
でも、私個人の意見としては、
左利きのまま技術を伸ばしたほうが後々ライブとかでも目立ちますし
いいのではないかな、と。
--
●出発点の違い
前回も書きましたが、利き手というものは、もうその時点で、
出発点が違っているのです。
Pieceさんも書いていらっしゃるように、
《練習すれば上達はします。ただし道のりがかなり険しいです。》
富士山に登るとき、ふもとから登るのと
バスで五合目まで行って、そこから登るのとでは、全然違いますよね。
まあ、人により異なりますが、五合目ではないにしても、
左利きとして何年なり何十年なりか生きてきた人は、
当然その分だけ、利き手も成長しているので、
出発点が違うということは当然でしょう。
もちろん、達成感という点では、
ふもとから登ったときの方が大きいかもしれません。
それだけの苦労をしたのですから。
ただ、一時的な達成感
(もちろん、それが「生涯の糧」(!)になる可能性もありますけれど)
よりも、実利を取る方がいいでしょう。
●「音苦」にならないために
特に、音楽というものは、「音を楽しむ」と書くように、
楽しくなければ演奏する意味がない、と思うのです。
心の高まりが演奏に伝わるのではないでしょうか。
窮屈な「非利き手」で一生懸命がんばるというのは、
「音苦」にはなっても「音楽」にはならないのではないでしょうか。
音楽は心の表現です。
私の持論は、「利き手は心につながっている」です。
その利き手で演奏したとき、最も心が表現できるのではないでしょうか。
最近本屋で見つけた本
(「楽器の歴史」と副題にあるので、参考になるかと思い、
買ってみました。)
『世界の音 楽器の歴史と文化』郡司すみ/著
(講談社学術文庫 2022/11/10)
この本の「はじめに」に、こんなことが書いてありました。
(本書で扱う)
《“音”とは第一に人間が“心の耳”で聞くものを指している。》
といい、
《“音”はそれが意識されなければ存在し得ないものである。》
と。
心の耳で聞くという音を作るのが演奏なのですから、
心がこもりやすくなる演奏の仕方を心掛けるべきでしょうね。
仮に、左利きの人が非利き手を鍛えて、
右手で演奏できるようになったとしても、
「人一倍」苦労しても、
結果は「人並み」にしかならないのではないでしょうか。
「Piece」さんのご意見にもありましたように、
《左利きの方でしたらもちろん利き手で弾いた方が上達が早いです。》
しかも、
《見た目のインパクトは左利きのほうがあります。》
まさにその通りです。
上記の本には、こんなことも書かれていました。
《楽器の音は人間が思想や感情など心に浮かぶもの(心像)を
表現する際に使用するメディアの一つであり、
楽器はその音というメディアを作るために人間の抱いている心像と
音との間に立つもう一つのメディアである(略)》
といい、
《心像は、聴覚的に具体化されるばかりでなく、
視覚的な具体化も可能で(略)》
とも書かれていました。
ここでの視覚的な具体化の指摘は、
単純な右演奏と左演奏といった意味ではないのですけれど、
演奏というものは、
やはり単に聴覚だけの問題ではない、
ということは間違いではないでしょう。
1.ポール・マッカートニーの左演奏が写っているCD
2.ジミー・ヘンドリックスの左演奏が写っているCD
3.松崎しげるの左演奏が写っているCD
4.アニメ「けいおん!!」の恥ずかしがり屋の左弾きベーシスト秋山澪が
表紙に出ているコミック第2巻表紙
●利き手と非利き手の役割
結論として、Pieceさんは、
《左利きも才能の一つとしてそのまま練習したほうが
私はいいと思います。》
まさに正論でしょう。
上達までの時間や練習量という部分、実際に演奏するときのインパクト
――等々、左利きには左利きならでは道があり、
結果としての演奏に魅力が出てくるのではないでしょうか。
もし利き手にそういう力がないのなら、
右利きの人も右演奏ばかりではなかったはずでしょう。
演奏するにあたって、演奏する手/腕にも主役と脇役があり、
そこに利き手と非利き手の役割がある、と私は思います。
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「★600号までの道のり」は、お休みです。
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本誌では、「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25― 楽器における左利きの世界(8)利き手と非利き手の役割 」と題して、今回も全紹介です。
前回も書きましたが、利き手とそうでない方の手(非利き手)の役割分担については、次回にでも説明しようと思います。
・・・
弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。
*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
『レフティやすおのお茶でっせ』〈左利きメルマガ〉カテゴリ
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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)楽器における左利きの世界(8)利き手の役割-週刊ヒッキイ第631号
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『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第631号 別冊編集後記
第631号(No.631) 2022/12/3
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
楽器における左利きの世界(8)利き手と非利き手の役割 」
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第631号(No.631) 2022/12/3
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
楽器における左利きの世界(8)利き手と非利き手の役割 」
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前回は、ネットのサイトにあった、
ギター講師さんのご意見を紹介しました。
今回も引き続き、
ネットで見たギター演奏に関するご意見を紹介します。
「知恵袋」の中のご意見を紹介するのは、トラウマがあり、
正直、ちょっと怖いのですが……。
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左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
楽器における左利きの世界 (8)
◆ 利き手と非利き手の役割 ◆
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楽器全般
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1433114104
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kei********さん
2009/11/18 15:35
私は左利きなんですが、
右利き用のギターで上手くなりたいと思っています。
利き手と同じように上達することは可能なんでしょうか?
今私は、左利き用のギター(4万円程度)を持っています。
・・・が、右利き用のギターに変えようかなと思っています。
理由は、左利き用のギターがお店(イオン)に少ないからです。
お店の店員の方が、(品数が少ないということで)
「右利き用のギターで弾いても上達するよ」と言ってくれたのです。
そこで質問なのですが、
この店員の方が言ってくれているのは信じていないわけじゃないんですが
一応聞いてみたいと思って聞いてみました。
利き手とは逆の手でも上達するんでしょうか?
左利きのギターは買って8ヶ月程度なんですが、
正直言うと未経験者と変わらないレベルです。
それでも今から買い換えて練習していきたいと思っています。
今持っている左利きのギターを売ってそのお金を足して分割払いで
右利きのギター(10万程度)を買いたいと思っています。
回答よろしくおねがいします。
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●「左利きのまま技術を伸ばしたほうが・・・」
回答の中の一つで、私が一番気に入ったのが、下のご意見でした。
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Pieceさん
2009/11/18 16:13
できますよ。練習さえすれば必ず弾けます。
松崎しげる氏は、
右用のギターを逆さまにして左に持ち替えて上手に弾きます。
彼曰く「他の人と違うことをしなければ芸能界にはいられない
と思ったから」だそうです。
左利きの方でしたらもちろん利き手で弾いた方が上達が早いです。
利き手じゃないほうで文字を書く、球を投げる、球を蹴る・・・
それと同じです。
逆の手足を使ったらめちゃくちゃやりづらいですよね?
でも、練習すれば上達はします。ただし道のりがかなり険しいです。
確かに左利きは楽器選びでハンディがありますが、
見た目のインパクトは左利きのほうがあります。
昔、某楽器屋さんのキャッチフレーズに
「左利きはマネのできない才能」と書いてありました。
まぁマネできないことはないのですが、非常に大変です。なので、
左利きも才能の一つとしてそのまま練習したほうが私はいいと思います。
余談ですが、バクチクの今井さんというギタリストは、
右利きですが左で弾いています。彼も相当練習したでしょう。
何度も繰り返しますが、出来ないことはありません。
でも、私個人の意見としては、
左利きのまま技術を伸ばしたほうが後々ライブとかでも目立ちますし
いいのではないかな、と。
--
●出発点の違い
前回も書きましたが、利き手というものは、もうその時点で、
出発点が違っているのです。
Pieceさんも書いていらっしゃるように、
《練習すれば上達はします。ただし道のりがかなり険しいです。》
富士山に登るとき、ふもとから登るのと
バスで五合目まで行って、そこから登るのとでは、全然違いますよね。
まあ、人により異なりますが、五合目ではないにしても、
左利きとして何年なり何十年なりか生きてきた人は、
当然その分だけ、利き手も成長しているので、
出発点が違うということは当然でしょう。
もちろん、達成感という点では、
ふもとから登ったときの方が大きいかもしれません。
それだけの苦労をしたのですから。
ただ、一時的な達成感
(もちろん、それが「生涯の糧」(!)になる可能性もありますけれど)
よりも、実利を取る方がいいでしょう。
●「音苦」にならないために
特に、音楽というものは、「音を楽しむ」と書くように、
楽しくなければ演奏する意味がない、と思うのです。
心の高まりが演奏に伝わるのではないでしょうか。
窮屈な「非利き手」で一生懸命がんばるというのは、
「音苦」にはなっても「音楽」にはならないのではないでしょうか。
音楽は心の表現です。
私の持論は、「利き手は心につながっている」です。
その利き手で演奏したとき、最も心が表現できるのではないでしょうか。
最近本屋で見つけた本
(「楽器の歴史」と副題にあるので、参考になるかと思い、
買ってみました。)
『世界の音 楽器の歴史と文化』郡司すみ/著
(講談社学術文庫 2022/11/10)
この本の「はじめに」に、こんなことが書いてありました。
(本書で扱う)
《“音”とは第一に人間が“心の耳”で聞くものを指している。》
といい、
《“音”はそれが意識されなければ存在し得ないものである。》
と。
心の耳で聞くという音を作るのが演奏なのですから、
心がこもりやすくなる演奏の仕方を心掛けるべきでしょうね。
仮に、左利きの人が非利き手を鍛えて、
右手で演奏できるようになったとしても、
「人一倍」苦労しても、
結果は「人並み」にしかならないのではないでしょうか。
「Piece」さんのご意見にもありましたように、
《左利きの方でしたらもちろん利き手で弾いた方が上達が早いです。》
しかも、
《見た目のインパクトは左利きのほうがあります。》
まさにその通りです。
上記の本には、こんなことも書かれていました。
《楽器の音は人間が思想や感情など心に浮かぶもの(心像)を
表現する際に使用するメディアの一つであり、
楽器はその音というメディアを作るために人間の抱いている心像と
音との間に立つもう一つのメディアである(略)》
といい、
《心像は、聴覚的に具体化されるばかりでなく、
視覚的な具体化も可能で(略)》
とも書かれていました。
ここでの視覚的な具体化の指摘は、
単純な右演奏と左演奏といった意味ではないのですけれど、
演奏というものは、
やはり単に聴覚だけの問題ではない、
ということは間違いではないでしょう。
1.ポール・マッカートニーの左演奏が写っているCD
2.ジミー・ヘンドリックスの左演奏が写っているCD
3.松崎しげるの左演奏が写っているCD
4.アニメ「けいおん!!」の恥ずかしがり屋の左弾きベーシスト秋山澪が
表紙に出ているコミック第2巻表紙
●利き手と非利き手の役割
結論として、Pieceさんは、
《左利きも才能の一つとしてそのまま練習したほうが
私はいいと思います。》
まさに正論でしょう。
上達までの時間や練習量という部分、実際に演奏するときのインパクト
――等々、左利きには左利きならでは道があり、
結果としての演奏に魅力が出てくるのではないでしょうか。
もし利き手にそういう力がないのなら、
右利きの人も右演奏ばかりではなかったはずでしょう。
演奏するにあたって、演奏する手/腕にも主役と脇役があり、
そこに利き手と非利き手の役割がある、と私は思います。
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「★600号までの道のり」は、お休みです。
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本誌では、「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25― 楽器における左利きの世界(8)利き手と非利き手の役割 」と題して、今回も全紹介です。
前回も書きましたが、利き手とそうでない方の手(非利き手)の役割分担については、次回にでも説明しようと思います。
・・・
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『レフティやすおのお茶でっせ』〈左利きメルマガ〉カテゴリ
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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)楽器における左利きの世界(8)利き手の役割-週刊ヒッキイ第631号
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