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左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)楽器における左利きの世界(6)不利な楽器-週刊ヒッキイ第627号

2022-10-03 | 左利き
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第627号 別冊編集後記

第627号(No.627) 2022/10/1
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(6)左利きは楽器演奏に不利か?」


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  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第627号(No.627) 2022/10/1
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(6)左利きは楽器演奏に不利か?」
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 7月以来、久しぶりに、
 「左手・左利き用楽器」による左利き楽器演奏について考える、
 の6回目です。

 思うほど「左利きと楽器演奏」についての先行研究といったものが
 見つけられず、悪戦苦闘しているというところです。

 さて、前回はフルートについて書いてみました。

 今回は、ネットで拾った情報からひとつ取り上げてみます。

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 左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界 (6)
  ◆ 右利きの人の思い込み? ◆
   ~ 「左利きだと楽器を弄るのに不利か?」から ~  
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 ●ネットで拾った情報から

↓のサイトの記事を見ながら考えてゆきます。

2007-07-08
左利きだと楽器を弄るのに不利か?(novtan別館)
https://nov1975.hatenablog.com/entry/20070708/p2


 《楽器で右利き左利きが問題になる場合のほとんどは
  弦楽器じゃないだろうか。
  それ以外の楽器について、少なくとも最終的な目的である、
  演奏することについてあまり右左の重みはないように思える。》

といい、それぞれの楽器の種類毎にコメントされています。

--
・弦楽器(バイオリン類)
  構造上逆向きにし辛い(特に集団で演奏すると逆の人は邪魔)
  ニュアンスが全て右手にかかってくる
  左利きだから諦めた人が結構いる
・弦楽器(ギター類)
  左利きを生かしてバカテクという路線も
  左用楽器はあまりない
・木管楽器
  どうせ全指使用なので変わらない
  手でニュアンスを出すことがほとんど無い
・金管楽器
  ホルンとその他のピストン・ロータリー楽器の差異。慣れの問題
  トランペットは左操作も可能。
  その他の楽器は指とバルブの関係が逆さまになるから難しいかも。
  持ち辛い
  トロンボーンはテナーなら左右変更可能。変だけど。
  いずれにしてもたいした操作じゃない
・ピアノ・鍵盤楽器
  どうせ全指(両手)使用。変わらない。
  ニュアンスは手にかかってくるけれども、
  右が主で左が従であることはない。
  ピアノは左手の方が鍵盤が重いから、力があると有利
・打楽器
  左右の均等さが命!
--

そして、

 《本当の最初の最初の時点を除けば、
  左利きであることで苦労することは多分なく、
  むしろ日常生活の中で後天的両手利きになっていれば、
  有利である可能性すらあります。》

と書いておられます。


 ●腕の動かしやすい方向の違い

私思うのですが、こういう利き手に絡む話題について意見するときは、
まず始めにご自身の利き手を明記した上で行っていただきたい、
と思います。

このサイトの書き手は、たぶん右利きの方なのでしょう。

右利きの方が、左利きの人の演奏のポイントを
想像で考えておられるのではないでしょうか。

そこには、抜けているポイントがあるように感じました。

それは、利き手という性質に対する理解における肝心なポイントです。


左利きの人の身体の動きにおける特徴は、

(1)左利きの人というのは、基本的に自分の意思に無関係に、
 「左手が先に動く」という性質を持っている、ということ。

(2)「左手の方が器用」で、自分の思いに従って巧みに動かせる、
 ということ。

(3)利き手・利き側の腕や指の動きの方向や
 回転の方向などの肉体的条件が、右利きの人とは逆になる、
 ということ。


(3)に関していいますと、
このシリーズの第一回で書きましたように、

 《もし両手にそういう役割分担がなかったとしても、
  手や腕の動きという観点からいいますと、
  左利きの人の場合、
  やはり左用のピアノというものが必要になるように思います。》

第614号(No.614) 2022/3/5
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(1)左利き演奏という選択肢」
2022.3.5
左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)
楽器における左利きの世界(1)-週刊ヒッキイ第614号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/03/post-ef0097.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/6fa045b88142a10817aed582e054fdd4


そして、第二回で、その理由として、
「演奏時の腕の移動方向」について書いています。

第616号(No.616) 2022/4/2
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(2)演奏時の腕の移動方向」
2022.4.2
左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)
楽器における左利きの世界(2)-週刊ヒッキイ第616号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/04/post-7b0072.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/90951982e3ad1c1498e325ea8915cd0f


人間の腕は、右手・右腕は、左から右への方向(→)が動かしやすく、
左手・左腕は、その逆に、
右から左への方向(←)が動かしやすいのです。

右利きの人が右手で書く横書きの文章(→)や、
横方向に線を引く場合(→)を考えていただければわかるでしょう。

左利きの人は、左から右への横書きのような動きが苦手です。


 ●音階は下がるより上がってゆく方が心は高まる

ピアノのような鍵盤楽器の場合、
左から右へ、ドレミファ~と音程が上がってゆきます。

右から左へは、ドシラソファ~と下がってゆきます。

音階は上がっていく方が、心は高揚してゆくように思います。
逆に、音階が下がっていくと、気分も堕ちてゆくように思います。

そして、ドレミファ~と音程が上がってゆくのは、
鍵盤では「左から右へ」です。

この動きは、「右腕の得意な動き」ですので、
右利きの人が有利といえます。


先ほどのサイトの方のご意見では、
ピアノ・鍵盤楽器などは、両手・両腕を使うので、

 《どうせ全指(両手)使用。変わらない。》

と断定されています。

しかし、こういう腕の動きを考慮しますと、
両手使うから変わらない、とはいいきれません。


 ●構えのしっくり感の方向も人それぞれ

木管楽器に関しても、
 
 《どうせ全指使用なので変わらない》

とありますが、第四回のフルートの例で紹介しましたように、

オランダの画家、ユディト・レイステル
(Judith Jans Leyster:1609ー1660) 描くところの
「フルートを吹く少年」という絵画では、
フルートの構えが左右逆だと指摘されていました。

《現代のフルートはキーが複雑で右に構えるしかありません。》
そうですが、
昔は、木管に穴を開けてあるだけなので、
左右どちらでも構えて吹けるものだったわけです。

右利きであろうと左利きであろうと、
自分の得意な構えで吹けたわけです。

第620号(No.620) 2022/6/4
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(4)昔の楽器」
2022.6.4
左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)楽器における左利きの世界(4)昔の楽器-週刊ヒッキイ第620号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/06/post-a16d77.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/e39a907352de2803051e12b4d7997497


 ●リコーダーの場合は

小学校などで使ったリコーダーでも、両手を使うといいますが、
実際は両手によって役割が違います。

通常の構えでいいますと、右手は低音部の穴を押さえ、
左手は高音部を押さえます。

右手はドからソまで5音、左手はラ・シ・ドの3音、
しかし穴を押さえる指を入れ替えたり、
ややこしい動きを要求されます。

こう書きますと、左手の動きの方が難しそうです。
しかし、実際はどうでしょうか。

基本的に、左手は多く保持に使われているように感じます。

右利きの人にとって、左手は補助の役割に使用されることが日常的です。

リコーダーの場合も、そういう意味合いで、
高音部の割り当てになっているのではないか、という気がします。

右手はできる限り自由に動かせる状況に置いておき、
左手は割り当ては3音のみで、
保持する役割を多く務めさせているように思うのです。、


 ●それぞれの楽器について

ピアノ・鍵盤楽器、木管楽器に関しては、
上記のようなポイントが見逃されているように感じました。

また、ピアノ・鍵盤楽器で、
「ピアノは左手の方が鍵盤が重いから、力があると有利」
とある点に関していいますと、
「利き手」=「力も強い」とは限りません。

私は、「利き手は繊細で、非利き手は豪快」という感じで、
力だけなら右手の方が出せる感じです。


弦楽器(バイオリン類)に関しては、たぶんその通りでしょう。

弦楽器(ギター類)は、「左用楽器はあまりない」だけで正解でしょう。

金管楽器は、各種楽器により、いろいろな検討課題がありそうです。

打楽器では、「左右の均等さが命!」とありますが、
楽器によっては打ち方であったり、バチの持ち方であったり、
異なるケースががあるのではないか、と何も知らないド素人は考えます。

よって、今後大いに検討すべきは、金管楽器かもしれません。


 ●「慣れの問題」というのは逃げの答え

この手の利き手用品問題を語るとき、いつも気になるのが、
この「慣れの問題」という決めつけです。

この言葉で解決したように思う人が多いのが、残念です。

確かに何かにつけ、新たな道具を利用するときには、
その道具がいかに自分の身(サイズ)にあったものであれ、
新品を使う時は、その道具に対する「慣し」が必要なものです。
そういう意味での「慣れ」は致し方ないのですが、
利き手の違いを無視して、
道具に身体をあわせるという「慣れ」に答えを求めるのは、
違うと思います。

「両手を使うから問題ない」というのもその延長にあります。
両手を使うといっても、両手にはそれぞれ役割があるものです。
利き手には利き手の、非利き手には非利き手の。

利き手は「作用する」手――働きかける手で、
非利き手は「受ける」手――補助したり、感覚を受け持つ手です。

わかりやすいのは、大工さんがかんなを掛けるとき、
右手に持ったかんなで木の表面を削り、
左手で削った表面を触って、削り具合をチェックするのだそうです。

また、点字を読む時は、利き手ではなく、
非利き手の方が優秀だというのです。

これらはどちらも、
利き手より非利き手方が感覚的に優れているから、だそうです。

こういうふうに、両手には、それぞれ異なる役割があるのだそうです。


あるいは、上の役割論がわかりにくいという人には、
こういう例を挙げてみましょう。

両手の指を組んでみてください。
すると、人はそれぞれ、いつも決まった組み方をします。

右手の親指が上に来る人もいれば、左の親指が上に来る人もいます。

そして、これを逆に組むと、何かしらしっくりこないとか、
気持ち悪いとか感じるものです。

だいたい上に来る指の側が利き手になっている人が多いようです。
「指組」などといって、これを専門に研究する学者もいました。


このように、人間の身体には、自然と決まった傾向があるのです。
それを、利き手・利き側の性質と呼んでもいいかもしれません。

それを無視して「慣れたらいっしょ」などというのは、
やはり暴論でしょう。
それを言ったら、何でもありになってしまいますよね。

障害者にもいうのでしょうか。

もう少し利き手について勉強してから発言して欲しいと思います。

 ・・・

というところで、今回は終了。
次回は、未定です。

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本誌では、「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25― 楽器における左利きの世界(6)左利きは楽器演奏に不利か?」と題して、今回も全紹介です。

前回はフルートの左利き用についてでしたが、今回はネットの左利き演奏に関する情報から紹介しました。

最後に、「●「慣れの問題」というのは逃げの答え」の項で、両手の役割について書きました。
これは、久保田競さんの著作によるもので、今は改めて調べる時間がないので割愛します。

また、指組に関しては、一つは、

『マンウォッチング(上)』デズモンド・モリス 藤田統/訳 小学館ライブラリー13 1991.12.20(1991/11/1)




冒頭の「動作」で触れられています。

もう一つは、

坂野 登『かくれた左利きと右脳』青木書店 1982/12/1


等の著作で、坂野さんは指組みや腕組みが「かくれた利き手」を示すという研究をされていました。
時間があればもう少し本格的な解説をしたいところですが、今回はこの辺で。

 ・・・

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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ(25)楽器における左利きの世界(6)不利な楽器-週刊ヒッキイ第627号
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