レフティやすおの新しい生活を始めよう!

50歳からが人生の第二段階、中年の始まりです。より良き老後のために良き習慣を身に付けて新しい生活を始めましょう。

左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ―その5・子供の良き味方、心の支えになろう―

2005-03-06 | 左利き
―子供の良き味方、心の支えになろう―

こんな話を新聞で読みました。
(産経新聞2月15日「新・赤ちゃん学 私の研究室から 川上清文・10/3歳児の“誇りと恥”/大人を気にする? 日本の子供」川上清文・聖心女子大学文学部教授)
子供は、一歳過ぎから明瞭な“自己意識”を持ち、三歳ぐらいから誇りや恥の感情を持つようになると考えられているそうです。
そして、日本の子供はアメリカの子供に比べて辛抱強く、また大人の反応を気にしている“いい子”が多いのが特徴だと言うのです。
子供についての調査で実験を行う場合、アメリカの子供は自分が気が向いたときしか実験に付き合ってくれないが、日本の子供は大人の様子を見ていて最後まで実験に付き合ってくれるのだそうです。

また、注射などの痛い治療でも、アメリカの子供より日本の子供は我慢強いと臨床の場で経験されているいるそうです。
そして、このような我慢強さや大人を気にするという行動は、社会性の高い行動であり、この日本の子供の特性は今に始まったことではなく、江戸時代に日本を訪れた欧米の学者の記録にも残っていることだそうです。
(産経新聞2月22日「新・赤ちゃん学 私の研究室から 榊原洋一・1/発達障害/子供の社会性 読み解くカギ」榊原洋一・お茶の水女子大学子ども発達教育研究センター教授)

さらに、「他人は自分とは異なった考えを持っている」という「心の理論」というものを四-五歳以下の子供は持っていない。幼児は自分の見聞きしたことは他人も同じように感じていると思っている。そしてこの「心の理論」が出来上がる過程において必要な能力が、他人の視線や表情を理解する能力だそうです。
子供は大人の表情や視線を参照しながら、自分の行動が適切であったかどうかを判断し、社会性を身に付けてゆくのだそうです。すなわち、親の背中を見ながらではなく、親の顔を見ながら育ってゆくというのです。
(産経新聞3月1日「新・赤ちゃん学 私の研究室から 榊原洋一・2/視線の感受性/子供は親の顔を見て育つ」榊原洋一・お茶の水女子大学子ども発達教育研究センター教授)

これは、左利きの子の右手使いへの指導について考えるときにも重要なポイントではないでしょうか。
日本の子供の場合、決して自分では望んでいないことであっても―どんなにいやいやでも、親の期待を感じて辛抱強く取り組む可能性がある、と言えます。
単純に(脳神経系的に)使いづらい手を使うという肉体的なストレス以上に、親の期待に応えるという精神的ストレスがかかるでしょう。

うまく行っているときは、親の笑顔を見ることもでき、達成感もあり満足できるので良いでしょうが、ひとたび不調になるとどうなるでしょうか。(もちろん、元々の性格がそうですから、アメリカの子供ほどはストレスにはならないかもしれませんが。)
先ほどの新聞の記述にもあるように、三歳をすぎれば、自分に対する誇りや恥の感情を持っているわけです。成功すればよいのかもしれませんが、失敗すれば誇りを傷つけ、恥じ入らせることになります。自信をなくさせます。
いくら言葉を飾っても、親の表情から子供は鋭くその心情を見抜き、己を責めるようになるかもしれません。

このような丁半ばくちのような試みは否定されるべきだ、と私は考えます。
精神的にも、肉体的にも負担をかけるだけです。
そのような余計な負担を小さな子供にかけることが、その子の幸せにつながるでしょうか。

やはり子供は、その持って生れた長所を伸ばし、自分に自信を持って生きてゆけるように育ててやるべきではないでしょうか。

―ということで、「その4・幼児期には利き手の確立を」で書きましたように、

幼児期においては、右利きであれ左利きであれ、その子の利き手を十分に発達させられるように、干渉せず自然に任せ、伸びやかに育てて欲しいものです。

それでは、親は直接左利きの子に何もしてやれないのか、という方もいらっしゃるかもしれません。
いいえ決してそうではありません。

親子とは、ごく自然な情に従い、喜びや悲しみを共にすることで、家族としての一体感が生れるのです。
直接手を取って子供を教えてやれなくても、子を思い、共に苦しみ、共に喜び、共に悲しむ。その気持ちが子にも伝わり、親こそ子にとっての最大の理解者となり、何よりの味方となり、力強い心の支えとなるのです。

左利きの悩みは、いくつになっても付きまとうものです。
人により、性格や資質、生活環境、職業などにより、微妙に相違はあるものの、大なり小なり、なんらかの形で、人生の時々に現れるものです。

そんな時、常に自分の味方として、自分を見守り力になってくれた親がいたという記憶は、どんなときも人を信じ、つらい人生を生き抜く力となり、助けになる、と私は思います。

―なんだか、だんだんと子育て精神論のようになってしましました。

しかし、実際の手助けとしては、環境を整えてやることができます。
ちょっとしたことで、左利きの子にやさしい環境を作り出すことが可能です。

※本稿は、ココログ版「レフティやすおのお茶でっせ」より転載して、テーマサロン◆左利き同盟◆に参加しています。
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