"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

『つるとかめLive~小春日和に民の謡』やります

2010年08月27日 18時25分11秒 | 主催する催し

 旧七月十八日。新暦7月・月遅れ・旧暦と、お盆も過ぎ、旧暦七夕も終わり七月の月が欠け始めると、もう夏の風情はおしまいです。相変わらずの厳しい残暑だけが夏の名残ではないでしょうか。
 春先の天候不順で心配されたお米の出来映えもまずまずのようです。早いもので新米も出始めました。秋刀魚は高嶺の花ですが、そろそろ秋の味覚が恋しくなってきます。

 “暮らしのリズム”イベントですっかり恒例となりました、素晴らしい民謡のデュオ・ユニット「つるとかめ」のライヴを今年も開催することになりました。0827tsurutokame 初冬の風薫る頃11月13日(土)に行います。一人でもたくさんの方に聴いて頂き、民謡本来の魅力感じて頂ければと思います。どうぞ、お誘い合わせの上お運びください。(写真は昨年9月の模様です)
 津軽三味線と津軽民謡一筋、当代一の名手、澤田勝秋師匠。太鼓を打ちながら唄い、民謡の奥深い魅力を伝え続けている木津茂理さん。 2001年にデュオユニット「つるとかめ」を結成して以来、101113 それまでの録音作品とは一線を画す個性的なアルバムを3枚リリースしてきました。ホール、ライヴハウス、 ギャラリー、古民家、蔵・・・様々な場所で聴く人たちを魅了し続け、暮らしの中の喜怒哀楽を表現する民の謡(うたい)の奥深さを感じさせてくれます。居酒屋の小上がりを舞台に、間近で、生音だけでたっぷり聴かせてくれます。ご予約頂いた方にはリクエストを募集し、出来る限りお二人に披露してもらうリクエスト・コーナーや、手拍子・合の手・唄の参加コーナーもあるかも知れません。どうぞ、ご期待下さい。
 “暮らしのリズム” のイベントと言えば、素晴らしいパフォーマンスとともに季節の味覚も重要です。日本各地の農山漁村から届く秋の味覚はなんでしょうか。ライヴのあとの酒宴をぜひお楽しみに。お酒・お料理すべて一品・一杯500円です。お振る舞い酒と季節の味覚のお楽しみもありますよ。

つるとかめLive~小春日和に民の謡
2010年11月13日(土曜日)
開場=18:30、開演=19:00
場所=居酒屋ニュー信州
(渋谷区渋谷3-20-16 / tel.03-3797-6966)
料金=4000円(先ずの一杯と秋の味覚のお楽しみつき)
30席限定 要予約。

“つるとかめ”情報を二つお知らせします。
◆“つるとかめ”は、今年5月に青山のライヴ・レストランを五日間民謡酒場にしてしまうイベント【民謡酒場!!at 青山CAY】をプロデュースし、連日大盛況でした。(詳しくはこちらをご覧ください)
 その番外編として、9月2日(木)と3日(金)の二日間だけ【青山民謡酒場】が再びオープンします。ゲストを交えて民謡酒場の楽しい雰囲気を余すことなく、いやよりパワーアップして再現してくれます。単なるレトロではなく、「今あり!」なイベントですのでぜひお運び下さい。

“つるとかめ
”プロデュース【青山民謡酒場~番外編!!】

2010年9月2日(木)・3日(金) Open 18:00 / Opening act 19:30, Start 20:00
ゲスト=2(木)大儀見元、新良幸人。3(金)高橋祐次郎。
両日Opening actは澤田勝秋社中。
会場:EATS and MEETS Cay
料金:前売券 ¥2,700 当日券 ¥3,000  ローソンチケット(Lコード73842)
電話予約:EATS and MEETS Cay tel. 03-3498-5790
詳細=http://<wbr></wbr>www.spi<wbr></wbr>ral.co.<wbr></wbr>jp/e_sc<wbr></wbr>hedule/<wbr></wbr>2010/09<wbr></wbr>/live-1<wbr></wbr>9.html

神奈川県大和市にある由緒ある神社、公所浅間神社の例大祭で、民謡のライヴです。二年前にこのお祭りに行きましたが、出演者もお客さんもとてもリラックスして楽しんでいる雰囲気がとても素敵でした。どこか田舎の秋祭りにでも迷い込んだような楽しさです。これはおすすめのイベントです。虫さされの薬をお忘れなく。

公所 浅間神社例大祭 つるとかめライブ

2010年9月12日(日)18時00分~19時30分(多少延長可能性あり)
出演=つるとかめ(澤田勝秋・木津茂理)、高橋キヨ子、澤田勝秋社中
会場:公所 浅間神社
   大和市下鶴間391(田園都市線つきみ野駅徒歩12分)
   046-275-2409
入場無料

“つるとかめ”“民の謡”に関する過去のエントリー
2010.5.23華の東京の真ん中で民謡の一週間
2009.9.16『つるとかめLive~虫鳴く宵に民の謡』写真をたっぷりと
2009.9.13『つるとかめLive~虫鳴く宵に民の謡』ご来場感謝
2008.10.19ご来場感謝!! 【つるとかめ~実りの秋に民の謡】
2008.9.20名月に照らされて鎮守の森に民の謡
2007.11.5【秋の夜長に民の謡を】ご来場感謝
2007.9.4イベント『秋の夜長に民の謡(うたい)を』木津茂理ライヴ開催します
2007.7.3梅雨半ば民謡三昧の日々
2007.5.20ご来場感謝“つるとかめ”ライヴ
2007.5.13日本の民謡「つるとかめ」のこと
2007.4.20民謡を聴いてみま せんか“つるとかめ"ライヴです
2006.12.26蔵で舞うつるとかめの暖かい民謡


【処暑】でも猛暑はまだしばらく

2010年08月23日 17時36分56秒 | まち歩き

 旧七月十四日。旧暦お盆のなか日です。奄美や琉球地方では旧暦でお盆の行事を行う風習が色濃く残っています。皆里帰りをして、ご先祖様を供養し、家族や同郷の友人たちと過ごす夏の終わりの濃い時間を過ごしていることでしょう。高校野球夏の大会では沖縄に初めて優勝旗が渡りました。盛り上がりもひとしおだと思います。

 そして、今日は二十四節気の【処暑(しょしょ)】です。
 

陽気とどまりて、初めて退きやまんとすればなり
              『暦便覧』(天明八年/1788年発行)

 猛暑・酷暑が続いています。毎年【処暑】にはどうしても実際の季節感とのずれを感じてしまいます。一方では「暑さ寒さも彼岸まで」とも言いますが、東京辺りではその方が現実的なように思います。といっわけで、この暑さももう少しの辛抱。9月に入り【白露(はくろ)】(今年は9月8日)の頃からひと雨ごとに暑さが引いてゆくのではないでしょうか。

 数日前、久しぶりの浅草を歩きました。
主な目的は懐中時計の紐をもっと長い江戸組紐に取り替えるため。リサーチをせずに訪れたので、和服屋さんで情報を聞き江戸組紐の老舗『桐生堂』を訪ねました。こんなに種類があるのか、というほど様々な太さ・柄・色・利用目的の組紐があるものです。その中からシンプルで細いものを量り売りで買い求めました。次のステップはリングを少し大きいものに替えて、色の合う石でも飾ろうかな、と思っています。
 あとは気ままなものです。花川戸に店を構える創業206年の老舗『万久味噌店』を訪ね、甜麺醤のように使える甘辛い赤みそ(特製中辛)を入手(300グラムで201円とはお値打ち!!)。これで回鍋肉を作ったら美味そうな予感がします。
 そして、定番の七味唐辛子。
山椒多めの大辛を『やげん堀』で調合してもらいます。0823skytree1鴨鍋や鴨南蛮そばにはこれがたまらないのです。冬がくるのもたま楽しみです。こちらも創業385年(寛永二年)ですから老舗。ちなみに「しちみ」とはもともと関西での呼び方で、関東では「なないろとんがらし」だったそうです。戦前までそうだったとは、う~ん。知りませんでした。

 浅草の町からは工事中のスカイツリーが望めるようになってきました。新たなランドマークの誕生で、浅草の風景も少し変わりそうです。近くまで来たついでにスカイツリーの下まで歩いてみました。 0823skytree418m_3佃の中央大橋からいつも見ている姿は彼方にそびえる神秘的な塔という感じなのですが、 真下まで来るとさすがに圧倒されます。平成23年、完成する頃には東京へやって来る人の流れもかなり変わってくるのでしょうか。新しいものが歴史のある町に人を引き寄せる。そうなってくれるといいものです。


「今何時でぃ」

2010年08月04日 16時34分41秒 | 季節のおはなし

 旧六月二十四日。盛夏の極み、陸奥は祭の盛りであります。大変夏らしい夏を味わっている今年ですが、三日後の8月7日土曜日は二十四節気の立秋となります。ここ二日間の空の青さ、雲の感じは、どことなく初秋を思わせるようでもありますね。時折ふと吹く風に心地良さを感じることもあります。それでも暑い、夏でなくでもまだまだ暑い、酷な残暑の日々となりそうです。

 夏の風情として大好きなのが蝉の鳴き声です。ふと通りがかった都会の公園。メタセイコイアの若木が植えられ、強い陽射しを心地良く和らげてくれています。0805semi 地面には2センチほどの無数の穴。気の枝を見ればこれまた無数の蝉の抜け殻がしがみついています。ミンミンゼミでしょうか。計ったように空が白み始める少し前、天敵がまだ寝静まっている頃に穴から這い出し、木を登り飛び立ちやすい枝先を目指します。一生の内最も危険に晒される数時間。抜け殻はその難関を見事クリアした証なのでしょう。驚くべき本能、体内時計です。
 人間も本来は野生の動物ですから、研ぎすまされた体内時計を持っていたはずです。それがいつのころからか・・・。文明と引き換えに体内時計の感覚はだいぶ失ってしまったのかも知れません。
 さて、私事ではありますが、先月に歳が五十の大台に乗りました。節目の歳には何かを変えなくては、とこれまで三十でコミック雑誌を、四十で煙草を止めてきました。そして五十にな、お酒を止めてはいろいろつまらなくなりそうなので、腕時計をするのを止めることにしたのです。この世の中時計はどこにでもあるし、いざとなれば携帯電話があるのですが、ここはひとつ体内時計を信じて暮らしてみようか、という簡単な思いつきからです。

 そんなことを知ってか知らぬか、心優しい友人が五十の記念にと、懐中時計をプレゼントしてくれました。それが【江戸之刻】という時計です。0805tokei これがじつに優れたもので、日の出と日の入りを基準にした「不定時法」と現在の時間「定時法」を合体させているのです。
 不定時法は昼間と夜の長さをそれぞれ六等分していたため、夏と冬では一時の長さが大きく違って来るのです。つまり、明け六つが日の出で、昼に向けて五つ、四つ、正午が昼九つ。午後は八つ、七つ、日の入りが暮れ六つ。夜になると四つ、五つ、午前0時が夜九つで、八つ、七つでまた明け六つになります。そしてこの十二の時に十二支を当てはめて、夜九つが子・明け六つが卯・暮れ六つが酉・昼九つは午と呼んでいました。
0805edonotoki  では、この時計。不定時をどう表記しているのかというと、ひと月ごとに文字盤を取り替えてゆくのです。厳密に言えば日の出日の入り時刻は日々移ろうわけですから毎日文字盤を取り替えるのが正確なのですが、それでは現実的ではないので【江戸之刻】には12枚の文字盤が付いていて、時節ごとに変えてゆくのです。定時法の時計としては短針が一日で一周する二十四時間計となっています。これさえあれば、鬼平犯科帳も、古典落語もいっそう楽しくなるでしょう。夜鳴きそばで一文ごまかしたければ、四つ(22時頃)ではなく夜九つ(深夜0時頃)でなくては。

【江戸之刻】は有限会社CAST-PLANNINGで製造・販売しています。
詳しくはこちらのホームページをぜひご覧ください。