"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

立川志の八・立川志の春『居酒屋寄席』7/21に開催します

2012年04月20日 18時16分30秒 | ご挨拶とお知らせ

 旧三月三十日。二十四節気の【穀雨(こくう)】です。

春雨降りて百穀を生化すればなり。
             『暦便覧』(天明八年/1788年出版)

 春このところ、ちょっと気温低め、ちょっと愚図つき気味の陽気が続いています。最後の春雨は「暦便覧」にあるとおり、田畑を潤すために欠かすことができないお湿りなのでしょう。しばしの辛抱です。
 ソメイヨシノがすっかり花を落とし淡い新緑をまとうこの頃、八重桜が見頃となっています。B0420yaezakura 古い庭園などでは新しい品種のソメイヨシノより古くから伝わる八重桜の方が風景にマッチするように思います。浜離宮恩賜庭園も八重桜の名所。様々な種類の八重桜がそろそろ満開を迎えようとしています。右の写真は八重桜の中でも最も古い種類の一つとされる「普賢象」です。びっしりと花びらが密集した八重咲きのためか、重たそうな蕾も花も下を向いています。木の下にあるベンチに横たわると、すべての花がこちらを見ているようで、花を独占しているような気分になり、ちょっといい気分になります。

 恒例の落語会『居酒屋寄席』はこの夏にも開催することになりました。7月21日土曜日。梅雨明け後の盛夏到来の頃『暑気払いの会』と題して、落語と共に暑い夏に涼を感じる季節の味覚と銘酒でお楽しみ頂きたいと思います。
B0420hachiharu  出演は立川志の輔一門の二つ目、立川志の八さんと、立川志の春さんです。共に古典から個性的な新作まで果敢に取り組んでおり、各地で定期的に開催している独演会でも注目を集めている、将来が楽しみな存在です。どうぞ、お誘い合わせのうえ、お運び頂けると幸いです。



“暮らしのリズム”presents
【居酒屋寄席~暑気払いの会】
B0420flyer 立川志の八・立川志の春

平成24年7月21日(土)
18:30開場 / 19:00開演
渋谷・居酒屋ニュー信州(渋谷区渋谷3-20-16)
3500円(先ずの一杯と季節の味覚お楽しみつき)
30席限定要予約


立川志の八
昭和49年神奈川県横浜市生まれ。平成12年立川志の輔に入門。平成21年春に二つ目昇進を果たす。持ち前の美声と軽妙洒脱な語り口で、聞き手を瞬時に噺の世界に引き込む力量は抜群。平成23年3月「第10回さがみはら若手落語家選手権」で二十人の頂点に立つ。横浜・吉野町市民プラザ、渋谷・公園通りクラシックスなどで定期的に独演会を開催中。
『立川志の八公式ウェブサイト』
http://www.shinohachi.com/


立川志の春
昭和51年大阪府豊中市生まれ。平成14年立川志の輔に入門。平成23年1月に晴れて二 つ目昇進を果たす。IVYリーグの名門~大手商社勤務という経歴を持ちながら、通りがかりにふと立ち寄って聞いた立川志の輔の落語に魅せられ入門を決意。 醸し出す落ち着いた雰囲気からは大器を予感させる。西巣鴨のstudio Fourで月例独演会を、他にも錦糸町・柏で定例会を開催。
『立川志の春のブログ』
http://ameblo.jp/tatekawashinoharu/

落語の第一部、酒宴を愉しむ第二部の二部構成となります。
ご入場の際に先ずの1杯をサービスさせていただいた後、酒肴のご注文は第二部(20時半頃)からとなりますので、予めご了承ください。酒宴では季節の肴や銘酒を一品一杯五百円でご用意しております。お時間許す限りお付き合い下さい。


『居酒屋寄席~春爛漫の会』ご来場感謝

2012年04月15日 16時28分45秒 | 主催する催し

 旧三月二十五日。花散らしの冷たい雨から一夜明けて、麗らかなる春爛漫の陽気となりました。

 昨夜(4月14日土曜日)に開催しました“暮らしのリズム”主催イベント『居酒屋寄席~春爛漫の会』には、悪天候の中たくさんの方にお運び頂き、ありがとうございました。
 今回の出演は、立川談修さんと立川談吉さんのお二人。共に昨年亡くなった立川談志師匠の弟子です。
 談修さんは2003年(平成15年)11月1日の第一回『居酒屋寄席』に、二つ目昇進を果たしたばかりの初々しい羽織姿で出演され、以来今回が七回目のご出演となりました。
B0415izakayayose来年で二つ目十年目になりますが、このところとても語り口がどっしりして来たように感じます。この夜は酒呑み噺「猫の災難」を聞かせました。兄貴分が買って来た上等な酒を、肴を買いに行ってもらっている間に飲み干してしまうシーンには、聞いている方もゴクリとしてしまうほどです。やはり居酒屋寄席では、酒呑み噺がはまります。
 談吉さんは初登場です。昨年6月に二つ目昇進を果たした若手ですが、すでに堂々とした雰囲気を感じさせる将来有望な存在です。談志師匠亡きあと、このほど立川左談次師匠の預かりとなりました。噺は、八代目桂文楽の独壇場で今はあまり演る人がいない「よかちょろ」。道楽息子の若旦那と旦那の滑稽なやりとりがテンポ良く続き、終盤には明治時代中頃に流行した俗曲「よかちょろ節」を聞かせる。さげらしいさげがないので、聞き手もリズムに乗り遅れると流れを見失ってしまうという、ちょっと珍しい噺でした。

 お二人の落語の後は、このところ恒例となっている出演者による対談コーナーです。ここで談吉さんの一言から談修さんの重大発表がありました。真打ち昇進の時期が明かされたのです。


 来年春に立川談修さんは真打ちに昇進します。

 談志師匠の生前から真打ちのお墨付きを口頭で貰っていたことから、師匠亡き後に行われた兄弟子(談志一門の真打ち)による会議で、昇進が認められ、その時期として談修さんが平成25年春と決めたそうです。
 談吉さんのフリに思わず、という流れでもあったのかと思いますが、公の場での発表がこの『居酒屋寄席』とうのはとても嬉しいことでありました。まだしばらく先ではありますが、談修さんおめでとうございます。

 落語の後は、恒例の酒宴。談修さん、談吉さんもお客様のテーブルを回って話に花を咲かせて下さいました。「春爛漫の会」ということで、お振る舞いの季節の味覚は春らしい三品。新潟から届いた青菜「女池菜のおひたし」、琵琶湖の「天然小鮎の山椒煮」、秋田から届いた「ふきのとう味噌」、味噌はもちろん手前味噌です。この夜の振舞酒、静岡焼津の「磯自慢本醸造生原酒」を、お二人による乾杯のご発声で開宴。楽しい時間はあっと言う間に過ぎ、お帰りの際、雨は上がり夜空には星が煌めいていました。

 次回『居酒屋寄席』は“暑気払いの会”。出演は立川志の輔一門の、立川志の八さん、立川志の春さんのお二人です。5月1日(火)ご予約受付スタートします。お誘い合わせの上、どうぞお運び下さい。


いよいよ春爛漫、清浄明潔なり。

2012年04月05日 18時25分07秒 | まち歩き

  旧三月十五日。満月は明後日の土曜日ですが、今日は十五夜です。だいぶ丸くなった月が昇って参りました。
 そして、昨日は二十四節気の【清明(せいめい)】

万物発して清浄明潔なれば、此芽は何の草としれる也。
               『暦便覧』(天明八年/1788年出版)

 春の嵐をもたらした爆弾低気圧が去ったあとは、清明の頃らしい春爛漫の陽気になりました。あの強風にも絶えた桜の蕾は順調に開き始めています。
春らしい風景が目につくようになると、携帯電話のカメラが活躍してくれます。いつの間にかiPhoneに溜まっていたここしばらくの春の風景をランダムにご覧ください。
B0404nanohana   
左は浜離宮恩賜庭園名物の菜の花畑。4/1(日)のお昼頃でした。いよいよ咲き揃ったという感じで、芽に眩しいほどの黄色です。今年は梅の花が遅れていて、品種によっては今が見頃となっている木もあります。梅、菜の花、桜の競演が目を楽しませてくれそうです。

B0404sakura_2  右は中央区の築地川公園でひと際鮮やかに咲き誇っていた一本の桜です。案内のプレートによると品種は「陽光」といい「寒緋桜(緋寒桜とも)」と「天城吉野」の交配種なのだそうです。いち早く咲いて、しかもピンクがとても鮮やかで青空や周囲の新緑とのコントラストが見事です。道行く人も皆立ち止まって携帯で写真を撮っていました。

B0404yanagi_2  左は同じく築地川公園。枝振りのいい柳の木が並んでいます。ついこの間まで葉を落とさずにいたのですが、いつの間にか新緑に覆われていました。旧築地川の東側、明石町界隈は聖路加国際病院があり緑も多く都会にあってちょっと落ちついたエリアです。柳の枝越しに見えるのは聖ルカ礼拝堂です。特にこの時期の散歩はとても気持ちいいものです。

B0404buna_2  右は何度もこのblogに登場している拙宅のブナです。1996年に岩手の奥羽山脈で拾って来た実が翌年に芽を出し、今に至っています。なので樹齢15年ということになるのでしょうか。例年だと春分の頃に芽吹くのですが、今年はここ数日でやっと芽を出してくれました。新緑を見ると、樹齢2~300年であろうこの木の母が根をおろす森の風景に想いを馳せてしまいます。今年は特にまだ厚い雪に覆われていることでしょう。この若木は都会の夏の暑さに耐えられず、途中で葉を落としてしまうことが多いのですが、今年はなんとか紅葉まで水やりを怠らずに育てたいと思います。


本日発売Witchenkare vol.3に書きました

2012年04月01日 19時31分12秒 | ご挨拶とお知らせ

 旧三月十一日。寒く長かったこの冬から初春。過ぎてみれば早いもので今年も四分の一が過ぎて行きました。東京でも昨日桜の開花が宣言され、いよいよ春本番。街を歩いていると、遅れていた梅の花がまだ木々に残る中、膨らんだ蕾がたわわな染井吉野の枝先に、数輪の花を見つけることができます。桜が咲くと、とても気分が開放的になるものです。

 年に一冊発刊されるインディーズ文芸創作誌『Witchenkare』の第三号、vol.3が本日、4月1日に正式リリースされました。
B0401wtk3一昨年のvol.1では「“暮らしのリズム”」、昨年のvol.2で「ときどき旧暦な暮らし」を書かせて頂きましたが、今回は「手前味噌にてございます」と題して、手前味噌を仕込むようになったあらましから、その奥深い魅力などについてあれこれについて書きました。
 6人の執筆者でスタートした『Witchenkare』は、vol.3にして22人の作品が揃うところまで急成長し、今回はAmazon.co.jpやたくさんの書店でも取り扱ってます。詳しくは『Witchenkare』の公式ブログをご覧頂きたいと思いますが、わたしの文章はともかくとして、素晴らしい作品がいっぱい詰まっていますので、ぜひ読んで頂きたいです。よろしくお願いします。編集発行人の多田洋一さん。いつもありがとうございます。