"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

“小満”の空は青く祭日和

2006年05月21日 10時45分48秒 | 季節のおはなし

 旧四月二十四日。二十四節気の【小満(しょうまん)】です。

万物盈満(えいまん)すれば草木枝葉繁る
      『暦便覧』(天明八年=1788年)より

 梅雨の走りのぐずついた天気が続いておりましたが、今日は青空に恵まれました。521niji南国沖縄・奄美はすでに梅雨入りし、台風1号も誕生。毎年この時期の台風が日本に影響を与えることはないのですが、昨日夕方の豪雨は台風1号の残骸によるものでした。汚れた空気を一掃してくれる嵐は時々必要ですね。今日は東京三大祭りの一つ、浅草神社の例大祭、三社祭最終日です。見物に行ってきます。(昨夕の嵐が去って大きな虹の架け橋が架かりました。佃大橋より→)


魂を宿す昭和の瞳~与 勇輝人形展

2006年05月10日 12時22分04秒 | 手しごと

 旧四月十三日。月はどんどん丸くなってきましたが、関東地方は連休明けからはっきりしない空模様が続いています。どうやら今月の満月は拝めそうもありません。

 昨日(5/10)横浜で開催されている人形作家、与 勇輝(あたえ・ゆうき)さんの展覧会『
与 勇輝  人形芸術の世界展』を観に行きました。510ataeyuukiかねてより雑誌サライを始め、様々なメディアに登場する度にその無垢な表情に引きこまれ展覧会があれば是非、という思いが膨らんでいました。右の写真の人形をご覧になって「どこかで見たことある」と思われる方も多いことでしょう。(タイトル『夕餉のしたく』。立派な働き手として家事をこなす責任感が伝わりますね→)

 昭和12年生まれ、8歳で終戦を迎えた与さんは、激動の昭和を生きてこられました。その記憶を再現し、貧しくてもたくましく生きる子供たちの題材にした作品をたくさん作っています。
日々の仕事に凛とした仕草で精を出す子、緊張から解放された瞬間に垣間見せる子供らしい表情、腕白でもどこか周りを思いやる優しい視線・・・。当たり前の日常の中、どの人形も自分の意志をしっかり持った魂の宿る表情と視線を投げかけます。この視線にはやはり釘付けになります。素直に感動しました。

 明治大正はおろか、昭和の記憶をしっかり残す人たちもずいぶんと年齢を重ねています。昭和を懐かしみ、ガラス越しの人形に言葉を掛け、暖かい視線を送り愛でる人たちが連日たくさん足を運んでいるようです。誰の心にも宿る遠い日の懐かしい想い。失い欠けている昭和の心をも蘇らせてくれます。

 与 勇輝さんの作品は、他にも倉本 聰氏原作の「ニングルストーリー」や、小津安二郎の世界、さまざまな妖精、カッパの宴、など実に多彩です。展覧会などの情報は【河口湖ミューズ館-与 勇輝 館-】をご覧下さい。


居酒屋寄席~五月雨 五月晴れの会~開催のお知らせです

2006年05月07日 11時15分39秒 | 主催する催し

57tsukudakouen 旧四月十日。昨日は二十四節気の【立夏(りっか)】でした。概ね青空に恵まれた今年のゴールデンウィーク、春より初夏の香りを感じることの方が多かったようです。
(相生橋の佃側に水辺の公園がに整備されました。水辺の風が心地よく感じられます→)

 さてお知らせです。【暮らしのリズム】が主催する恒例のイベント『居酒屋寄席』第七回の開催が6月17日(土)に決定致しました。
(前回(12/10)「師走の会」前々回(9/10)「秋の会」の模様をぜひ御覧下さい)

 「五月雨 五月晴れの会」と題した今回。6月17日は梅雨の走り、旧五月二十二日になります。旧暦五月のこの頃、しとしとと続く長雨のことを【五月雨(さみだれ)】と言います。またやはりこの時期梅雨の晴れ間のことを【五月晴れ】と言います。当日はどっちに転ぶか?いつもなら憂鬱な気分になるうっとおうしい梅雨ですが“暮らしのリズムではそれすらも楽しんでしまおうと、様々な趣向を企画中です。落語と季節の味覚で、楽しいひとときをお過ごし下さい。詳しい情報がわかりましたら、随時このblogにてお知らせします。
57bunto 出演はお馴染みの立川文都師匠と、第1回、3回、4回に続く出演となります立川談修さんです。お誘い合わせの上どうぞお越し下さい。
(写真は昨年6月4日の模様。上:文都師匠、下:談修さん)
では、インフォメーションです。

日時:2006年6月17日(土)
  18:30開場19:00開演
57dansyu会場:居酒屋ニュー信州
(渋谷区渋谷3-20-6 tel:03-3797-6966)
木戸:3000円(先ずの1杯つき)
出演:立川文都、立川談修

  当日の構成は落語を愉しむ第一部(19:00~20:40)。酒宴を愉しむ第二部(20:45~)の二部構成となります。ご入場の際に先ずの1杯をサービ スさせていただいた後、酒肴のご注文は落語終演後(20:45頃を予定)とさせていただきますので、予めご了承ください。席数に限りがございますので、必 ずご予約をお願いします。お待ちしております。


“夏も近づく八十八夜”

2006年05月02日 11時44分15秒 | 季節のおはなし

 旧四月五日。5月の幕開けは真夏のように暑い一日でした。気がつけば新緑の淡い緑色もしっかりと濃い色に変わってきています。太陽を2時間ほど遅れて追っかける四日目の薄い月が夕闇迫る頃に西の空にでにんまり”していましたね。一転して今日の関東地方は午前中から雷鳴とどろき、気温がぐんぐん下がってきているように実感します。春と夏のせめぎ合いです。

 今日5月2日は【八十八夜】。立春から数えて88日目、これは日本の風土を表す独特の暦日です。“夏も近づく八十八夜、野にも山にも若葉が茂る~”という唱歌の一節がすぐに思い出されますが、まさにその通りで、4日後が二十四節気の『立夏』になります。昔から「八十八夜の別れ霜(毒霜・泣き霜)」と言われていたそうで、遅霜の留意するための雑節なのだそうです。急激に気温が下がる今日の天気が八十八夜を象徴するかのようですね。
 
52ayu 特に八十八夜らしい写真もないのですが、日曜日にまたしても稚鮎釣りに出かけました。11cmと、稚鮎から小鮎のサイズに成長し、姿・表情もすっかり鮎らしくなってきた釣果をご覧頂きます。(RICHOのマクロ描写力は凄い!)