"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

『噺と三味線 五月雨のたはむれ』写真でご覧あれ

2008年06月18日 00時55分52秒 | 主催する催し

 旧五月十五日。梅雨の中休みも今日くらいまで。明日からはまたぐずついた天気が続きそうです。まぁ梅雨ですから、雨と仲良くなることにしましょう。

 6/14(土)のイベント『噺と三味線 五月雨のたはむれ』の写真をアップします。いつもイベントをお手伝い頂き“暮らしのリズム”写真部で良い写真をたくさん撮ってくれる水野クン。ありがとうございます。イベントの詳しい内容は一つ前のエントリー
『噺と三味線 五月雨のたはむれ』ご来場感謝をご覧ください。

0616sukuhajimix  まずはスクイーズ☆ハジキーズ(左が松永鉄六さんで、右が松永鉄駒さんです)左は厨房からの2ショット。右上:舞台背景には三味線の細かい模様を染め抜いた手ぬぐいを飾りました。右下:舞台から降りて志の吉さんの出囃子、長唄「官女」の一節を聴かせてくれました。

0616shinokichi_2  スリムで好青年な立川志の吉さんですが、高座に上がると大きく見えます。貫禄が出て来たのですね。ネタの「死神」は噺家によって様々な下げがあります。もちろんここでは書きませんが、志の吉さんの下げも好きです。

 これまでの居酒屋寄席では写真下真ん中の奥、お酒の棚の前に高座を設営していましたが、今回は座敷の中央に作ってみました。両サイドのお客様には見えにくかったかな、と反省しています。次回はいろいろ試行錯誤を重ねてより良い会場作りをしたいと思います。ぜひご意見お寄せください。よろしくお願いします。

0616threeshot  熱がこもったライヴと落語で時間も少々押し気味に。準備していたお話コーナーはお客様からの質問コーナーになりました。ここではちょっと固かった空気も、第二部の酒宴で三人がテーブルを回るとお客様からの質問が出るは出るは。あっという間にお開きの時間になってしまいました。

0616threeshot2 おまけのスリーショットです。またやりましょう。
「やばいやばい終電終電」  


『噺と三味線 五月雨のたはむれ』ご来場感謝

2008年06月16日 20時25分32秒 | 主催する催し

 旧五月十三日。梅雨の中休みが続き、満月に向けて徐々にポテッと丸くなる月を毎晩望むことが出来ます。それも今夜、明日の夜まででしょうか。
 土曜日の「岩手・宮城内陸地震」で被災された方には心よりお見舞い申し上げます。縁がある岩手県の町でも震度5強。情報が少ない中で3時間まったく連絡が取れない状況は強い不安に襲われました。幸い大きなダメージが無く皆無事でしたが、日頃から連絡を取り合う方法などを打ち合わせておく必要を痛感しましたね。皆さんもぜひこの機会に備えて下さい。

 6月14日土曜日“暮らしのリズム”のイベント『噺と三味線 五月雨のたはむれ』にはたくさんの方々にご来場頂きましてありがとうございました。
 立川志の吉さんの熱演による「死神」。スクイーズ☆ハジキーズの心地よい三味線の音色で聴かせる長唄の合方。居酒屋ニュー信州による山菜を始めとする季節の味覚。すべてが相まってとても暖かく楽しいイベントになったと思います。お越し頂いたお客様。イベントをサポートして下さった皆様に感謝しております。
0616sukhaji  この夜まず舞台に上がったのは松永鉄駒さん、松永鉄六さんのお二人からなるユニット、スクイーズ☆ハジキーズです。糸を一つ弾くと、適度な広さの空間の隅々にまでピーンっと音が響き、緊張感に包まれます。今宵の演目は長唄の間奏にあたる三味線演奏、合方(あいかた)を中心にした曲の数々でした。それぞれの曲に関して鉄六さんに解説して頂きましたので、一部を資料などにより補足・加筆してご紹介します。

一、「菖蒲浴衣」より 佃の合方
隅田川の流れを描写する手(メロディー)が入った、今の季節にぴったりの爽やかな曲です。隅田川の河口、佃島・住吉神社の祭礼囃子「佃囃子」から元になっています。
二、「都鳥」前弾
こちらも隅田川の情景を謳った曲で、その前奏部分です。長唄独特の“打ち合わせ”という技法の紹介として。本手(基本旋律)だけで弾いた時と、本手と替手(本手とは別の旋律)で弾いた時の雰囲気の違いの紹介しています。
三、童謡・唱歌「朧(おぼろ)月夜~花」
皆さんご存知の明治・大正時代の名曲です。歌詞を配りスクイーズ☆ハジキーズの三味線をバックに皆さん唄てくださいました。
四、水の流れ合方集
「雨の四季」などより、この季節に合った爽やかな合方を集めてみました。
五、「河」
スクイーズ☆ハジキーズの師匠である松永鉄九郎さんと、杵屋邦寿さんのユニット【伝の会】のオリジナル曲。夫婦鮭が互いに助け合いながら、海から河の上流をめざすという情景描写曲です。美しいメロディーですが手の細かい難曲になっています。
六(アンコール)、「チンチリレン」
「京鹿子娘道成寺」に使われるつなぎ(立方が着替えの為にそでに引っ込んでいる間、場を“つなぐ”)の合方です。
七、志の吉さんとのトークのおしまいで一曲「ツルンチチン」
「二人椀久」のタマ(演奏者が即興的に加えた原作にはない手)の一部です。

 舞台から降りたスクイーズ☆ハジキーズに代わって高座に上がる立川志の吉さんを送り出す出囃子は長唄「官女」の一節。スク☆ハジの三味線による生出囃子でした。「アンコールのあとに高座に上がったのは、落語家人生の中で初めてでございます」と軽妙なつかみです。志の吉さんの一席は『死神』。独自の現代的センス溢れるくすぐりが要所にあってとてもユニーク。笑い声も絶えません。
 少し休憩を挟んで最後は三人でのお話コーナーですが、少々時間も押し気味だったので、お客様からの質問コーナーに。これで第一部がおしまい。

 いつものイベントのように、素早い展開で舞台を片付け、テーブルをセットし、第二部酒宴のスタートです。0616warabi 三人の発声で乾杯するお酒は、居酒屋ニュー信州の店主、榎 慎一さんが釣った岩魚の骨酒です。続いてはお店のご厚意でお振る舞いの一品が登場。各テーブルには岩手県北上山地の「紫わらびのお浸し」(写真左)が運ばれました。肴のメニューには「天然わさびの醤油漬け」「ぜんまい煮」「姫竹とごぼうのきんぴら」「空豆」「天然岩かき」など、季節の味覚が並び、各テーブルを回る志の吉さん、鉄駒さん、鉄六さんを交え、話が弾み、笑い声が絶えませんでした。

 次は秋口の頃。何かイベントを開催しようと思っています。またよろしくお願いします。

 写真は後日アップします。


青じそ二株の小さな畑

2008年06月04日 19時34分11秒 | 日々のことなど

 旧五月朔日。明日は二十四節気の【芒種(ぼうしゅ)】です。

芒ある穀物、稼種するときなればなり
        『暦便覧』(天明八年/1788年出版)

 5月の下旬からなんとなく天気がぐずつき気味でしたが、6/2(月)に近畿・東海・関東甲信地方が一気に梅雨入りしてしまいました。関東甲信では平年より六日、昨年より二十日も早い梅雨入りです。じめじめと鬱陶しい季節ですが、この時期の雨がなければ穀物も育ちません。食料品の高騰が何かと話題になるこの頃、せめて日本の美味しいお米は丈夫に育って、美味しく味わいたいものですね。

 食料品の値上げが家計を圧迫している影響もあるのでしょうか、家庭菜園の静かなブームが来ているそうです。野菜作りのガイドブックが結構売れているそうで、ホームセンターなどでも用土や野菜の苗、種が人気商品になっているとのことです。野菜を育てる苦労を実際に体験し、それだけに収穫の喜びや新鮮な野菜の瑞々しさを感じることができるので、とても良いことだと思います。
 私も3年前に都会に引っ越して来るまでは、郊外で猫の額ほどの庭をほとんど菜園にしていました。3本の苗で一夏に100本のゴーヤを収穫することにトライしたり、イタリアから取り寄せた種でトマトを育てソースにしたり、育てた野菜は15種類ほど、エスカレートして生ゴミから堆肥を作ったりするほど熱を入れていました。何より今懐かしく思うのはその時に嗅いでいた土の匂いですね。

0604shiso_2  そんな想いがムラムラしてきたのか、スーパーで買う青じその風味に物足りなさを感じていたのか、ふと思い立って玄関先に青じその苗を二株植えました。ホームセンターで苗を(一株198円なり)、土は少量で良いからと100円ショップで培養土と腐葉土を一つずつ買い植え付けます。野菜にはちょっと渋い信楽焼の小さな植木鉢に手で土を混ぜ苗を植えていると、土の良い香りがしてきます。

 写真は植え付け済んで早一週間。鉢にしっかり根付いたのでしょう。青々とした葉っぱが育って来ています。冷や奴、味噌汁、納豆、卵焼き、素麺、パスタ、サラダ・・・。この夏は新鮮な青じそが大活躍してくれそうです。あとは茗荷、う~んこれは無理だなぁ。お店で買った茗荷を有り難く頂きましょう。