"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

【居酒屋寄席~冬支度の会】大入り満員に感謝!

2013年11月18日 09時19分02秒 | 主催する催し

 旧十月十六日。初冬の晴れた空に月が大きく明るくなってきました。ここ一週間は、時雨と冬の陽気が続いていましたが、東京ではしばらく小春日和が続きそうです。

 
土曜日の夜、渋谷のニュー信州で開催した【居酒屋寄席~冬支度の会】。いっぱいのお客様に恵まれ、楽しく終えることが出来ました。お運び頂いた皆様、ご出演頂いた立川吉幸さん立川こはるさん、ありがとうございます。(写真はとりあえず私がスマホで撮ったものです。後日ちゃんとupします)

 こはるさんに因んだような"小春日和"に恵まれた土曜日。まず高座に上がったのは、その、こはるさんです。1118koharu 時間をたっぷり使えるので「ぜひ長尺の大ネタを」とリクエストしていたのですが、選ばれたネタは「三軒長屋」。名人と言われる大真打が掛ける40分以上の大ネタです。場面展開や登場人物が多く、力量を問われるこの噺を、堂々と聞かせてくれました。こういう噺は、やはり大ホールよりも、至近距離の方が迫力が増します。路地ではなく、通りに面した大きな長屋を舞台にしたドタバタ劇。こはるさんの所作や話しっぷりから、シーンが手に取るように見えてきました。

 続いては、吉幸さん。ご自身とこはるさんの飲みっぷりのまくらからネタは「試し酒」。1118kikkou 近江屋のお供で来た下男、久蔵が5升の酒をペロリと飲み尽くす、なんとも豪快な酒飲み噺です。ゴックンゴックンと咽を唸らせて大きな盃の空けてゆく様を、じっくり時間を掛けて演じる吉幸さん。居酒屋で落語を聞くお客様にとっては、お酒の"おあずけ"をさせられているようなものです。一緒に咽を唸らせてしまった人も少なくなかったはずです。

 続いて、吉幸さんは高座に残り、こはるさんを呼びます。お二人によるトークタイム
(写真左上)。落語家になるきっかけや、1118mixそれぞれの師匠、立川談幸師匠と、立川談春師匠のお話など、爆笑トークが炸裂しました。

 落語のあとは、恒例の酒宴です。ニュー信州からの振舞酒をお二人
によるご発声で、乾杯しました(写真右下)。お酒は静岡県の「磯自慢 特別本醸造山田錦生詰」(写真右上)です。大きな盃ならぬ小さなお猪口ですが、五臓六腑に染み渡ります。旨いっ!お振る舞いの「季節の味覚おたのしみ」は、京都・丹波産黒豆の枝豆と、新潟産菊の花の甘酢(写真左下)でした。いずれも晩秋~初冬の味覚です。
 こはるさん、吉幸さんは、お客様のテーブルを回り、様々な質問や落語論を交わしていました。夜がふけるのは早いもの。三々五々におひらきとなりました。お疲れさま。ありがとうございました。

 次回【居酒屋寄席】は
、2014年4月頃を予定しています。どうぞ、お楽しみに。


【手前味噌自慢の会】で今年の味噌と"あれ"を堪能

2013年11月07日 12時21分00秒 | 主催する催し

 旧十月五日。二十四節気の【立冬】を迎えました。

  冬の気立ち初めて、いよいよ冷ゆればなり
            『暦便覧』(天明八年/1788年出版)

  東京は冷たい"時雨"の朝となりました。気まぐれな時雨はザッと降ったかと思えば止んでしまいます。今日の雨も昼間で、午後には晴れ間が広がり、冷たい木枯らしが吹いてくるようです。冬のスタートに相応しい陽気となりそうです。これからはひと雨ごとに寒さが厳しくなってゆくのでしょう。本格的に冬の装いの準備をしなければ、と気が焦ります。

 
3月に行った【手前味噌仕込みの会】から半年とひと月。参加メンバーのご自宅でと夏を越し、しっかり熟成した味噌が出来上がりました。その味見を兼ねた宴【手前味噌自慢の会】を11月2日に行いました。
 同じ条件で仕込んだ味噌でも熟成する場所で風味や色がまちまちになる、という
手前味噌ならではの変化を楽しみ、晩秋の味覚を味わおうという趣向です。今年は、初めて大豆麹使った味噌を仕込んでみました。中京地区の八丁味噌のように大豆こうじ100%ではなく、米こうじとブレンドし、茹で上げた大豆と混ぜたものです。大豆こうじはそのまま食べても、粘りと塩気のない納豆のように風味があるもの。その旨味がさらに増幅されたような美味しい味噌に仕上がりました。持ち寄った味噌を並べてみると、環境による熟成のスピードに違いがあるようです(写真左の右下)早い味噌は、ほのかに八丁味1107misojiman1噌のような香りが、ゆっくりな味噌は米こうじ味噌らしい風味となっているようです。さらに半年か1年間じっくり熟成を加えると面白い味噌になりそうです。
 この会の楽しみは、
居酒屋ニュー信州のスペシャルコース。特に味噌に因んだ料理にお酒が進みます。写真左上は、鱈の西京焼き。右上は、蒸し里芋と田楽味噌。左下は、天然なめこの味噌汁鱈の白子入りです。下の写真では、左上がニュー信州特製の刺盛り。右上はむぎいか(だったかな?)のぬた。心地良い酔いを伴って秋の夜長を堪能致しました。

1107misojiman2_2  さらにこの日は、昨年の【手前味噌自慢の会】で仕込んだ「手前豆板醤」を持ってきました。空豆の淡い色に唐辛子の赤がはっきり見えていた仕込当時の色が、しっかり琥珀色に熟成しています(写真右下)。本場四川省の唐辛子はもっと黒いイメージですが、辛さが飛ばない程度にさらに熟成させれば実現できそうです。早速厨房に持ち込んで、回鍋肉を作ってもらいました(写真左下)が、豆板醤の旨味と辛味がしっかり出て、ご飯があれば2~3杯進んでしまいそうでした。なかなか奥が深い発酵調味料です。

 次回【手前味噌仕込みの会】は、会期未定ですが、麦こうじの味噌を仕込もうと思っています。決定次第ご案内いたします。