"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

【処暑】に初秋の匂いを感じてみる

2009年08月23日 11時06分47秒 | まち歩き

 旧七月四日。細い月を夕方西の空に臨むことができる頃です。今日は二十四節気の【処暑(しょしょ)】です。

陽気とどまりて、初めて退きやまんとすればなり
 『暦便覧』(天明八年/1788年発行)

 猛暑・酷暑もこの頃を境に収まって行くのでしょうか。確かに日中の最高気温は30℃台半ばまで上がっても、朝夕の爽やかさは夏のことろと明らかに違ってきます。
 上海では連日35℃の猛烈な残暑が続いています。0823yudachi そして必ずと言っていいほど1時間ほど激しい雷雨に見舞われます。青空が広がっていても、右の写真の左のようにもくもくと積乱雲が姿を現します。左の写真は住んでいるアパートすぐ裏にある公園ですが、ある日の雷雨ではヒマラヤ杉が5本もなぎ倒されていました。ビル風か竜巻でしょうか。連日のスコールに「上海も熱帯化しているのでは」という声を地元の人からよく聞きます。

 初秋の頃、公園の花はと言えば水辺の睡蓮、木には百日紅の鮮やかな花です。
日本ではそろそろ萩や芙蓉が美しいのではないでしょうか。0823asakei_2 緑のピークはこの時なのでしょう。春に芽吹き鮮やかな若葉を広げた落葉樹の緑は夏の太陽を一杯に浴びて、今最も色濃い時期を迎えているように感じます。騒がしいほどだった蝉の鳴き声も数が少なくなり、空には小さなトンボが群れています。日の出はだいぶ遅くなり、日が沈むのも早くなりました。毎朝歩く都会の小さなオアシスでも、気をつけてみれば秋の気配を肌で感じる頃ができますね。(左の写真は朝6時半くらい。日の出がだいぶ遅くなりました。公園の木々越しに浦東の高層ビルを臨みます)

 明後日は旧暦七月七日。七夕です。空気も澄んで星空を臨むことができればいいのですが。中国では七夕の風習は本来無く、バレンタイン・デイのように告白をしたりプレゼントを渡したりするそうです。

 中国の天気予報サイトで、二十四節気の風習や季節のことを紹介したページがあるのでご紹介します。これだけ広い国土なので季節感を一言で捉えるのは難しいのだとは思いますが、各地の民俗風習など面白いので、ご興味がありましたら眺めてみて下さい。
http://www.weather.com.cn/static/html/topic_24jq_chsh.shtml


夏や何処に~立秋です

2009年08月07日 12時39分21秒 | まち歩き

 旧六月十七日。昨日は64年目の広島の日”でした。鎮魂と平和への祈りの気持ちが年々増して来る気がします。三十一年ぶりに広島を訪れた昨夏のことがとても懐かしく、あるところはつい昨日のことのように思い出されます。そして今日二十四節気の【立秋(りっしゅう)】を迎えました。

初めて秋の気立つがゆへなれば也
        『暦便覧』(天明八年/1788年出版)

 早々に梅雨明け宣言がされた関東地方では、7月後半から愚図ついた天気が続いて、長い戻り梅雨のような陽気だったようです。この夏はどこに行ってしまったのでしょうか。それとも秋の気配が強くなる頃まで、厳しい残暑となるのでしょうか。なんだかおかしい地球であります。

 昨日は仕事をお休みして、上海郊外の古い町並みが残る村「金?(jinze)」に行ってきました。0807jinze 日本語読みをすれば金沢(Kanazawa)ですね。細い川や運河が行く筋も流れる水郷で、アーチのような石造りの橋があちこちで見られ、素朴な古い民家が建ち並ぶ、というのが上海近郊の古鎮と呼ばれる、古い村の典型的な光景です。ここ
金?が他と大きく違うのは、個性的な橋がたくさん見られること。それとまったく観光地化されていないことでしょうか。ローカルバスを下りても、案内の看板一つありません。田舎らしい商店街が少しあるだけで、お土産屋さんも、観光客向けのレストランもまったくありません。ただただそこに暮らす人々にとって日常のゆったりとした時間が流れ、生活が営まれています。0811jinze川岸と建物の間のスペースがゆったりしていて、芝生や木がたくさん植えられているのも素敵な光景を作っています。川を渡る風が心地良く、いいリフレッシュになりました。
 金?は橋とともに、?(=廊/miao)と呼ばれる祠・祈祷所がたくさんあるのですが、村の中には所々に十字架や、小さな教会があるのにも驚かされました。そのコントラストがちょと不思議な雰囲気を作っています。インターネットでもほとんど情報が無い、金?古鎮。上海の街中からバスを一回乗り継いで2時間以上掛かってしまいましたが、また訪れてみたいと思います。