秋分に手前味噌2013の蔵出し

　旧八月十九日。二十四節気の【秋分】に入りました。

　　陰陽の中分なればなり
　　　　　　　　　　　　『暦便覧』（天明八年/1788年出版)

　今年は梅雨明けが早く(東京で7月6日)、暑気、残暑共に厳しかったのですが、秋めいてくるのも早い気がします。「暑さ寒さも彼岸まで」の通り、日中はまだ汗ばむことがあっても、朝晩の涼しさはひとしお。日々秋が深まってきました。
　秋の彼岸の頃に正確なタイミングで咲く彼岸花も、あちこちで見ることができるようになりました。毒々しさを感じさせる紅の花が目を引きますが、淡い黄色の彼岸花を植えているところも多くなり、こちらはどことなく優しさを感じさせるものがあります。写真の花も、夕陽に染められて秋らしい風情でした。(豊洲のテラスにて)

　さて、半年前の春分に開催した『手前味噌仕込みの会』。今年は大豆こうじと米こうじのブレンドで仕込みました。暑い夏を越し、参加された皆さんの家でどんな味噌に熟成しているのでしょうか。
　拙宅では、大豆こうじと自家培養米こうじを半々で仕込みました。仕込んで2カ月位経った頃に、一度開けて味噌の様子を見たのですが、その時の色は淡く、舐めてみるとちょっと酸味を感じたのです。「これはひょっとして失敗したかな」と不安になったのですが、怪しいカビ類は発生しておらず、そのまま蓋をして置いておきました。
　で、今回。色は市販の赤味噌に近いところまで進んでいます。味はというと、あの時の酸味が少し変化して個性的な風味に変わっていたのです。それこそ、大豆こうじ100%の八丁味噌の風味というわけです。
　八丁味噌は3年ほどかけて熟成させ、チョコレートのような濃厚な色と独特の風味になっています。中京地区以外では、出来上がった八丁味噌こそ入手できても、熟成過程の若い八丁味噌に出会う機会はまずないでしょう。ということで、この味噌は、長期熟成された豆味噌の風味をほんの少し感じさせる段階なのです。
　将来性を感じさせる味噌です。もう少しすると"天然 のなめこ"が手に入るでしょう。年明けに旬を迎える"寒しじみ"もいいかもしれません。他にも"味噌煮込みうどん"、"朴葉味噌"、"ふろふき大根"・・・。いろいろ味わえそうな今年の手前味噌です。

11/16開催【居酒屋寄席～冬支度の会】立川吉幸・立川こはる

　旧八月十三日。二十四節気の【白露(はくろ)】に入って十日。もう明後日は彼岸の入りです。雑節の【二百二十日】(立春から220日)は、八朔、二百十日と並んで台風の襲来が多くなる頃。東海から東北を強い勢力を保ったまま駆け抜けた台風18号は、各地に大きな災いを残しました。被害に遭われた方には心よりお見舞い申し上げます。それにしても、勢力の衰えぬ台風、竜巻、ゲリラ豪雨、継続する集中豪雨と、最近は"経験したことの無い"気象現象が連発しています。自然相手では備えにも限界がありますが、いざという時に命を落とさない行動を、まずは考えておかなければいけないのでしょう。

　年内にもう一つ、落語のイベントを開催します。恒例の『居酒屋寄席』。初冬の師走に向けて何となく慌ただしくなる頃、とうことで『冬支度の会』としました。
　出演は、居酒屋寄席三度目の登場、立川吉幸さんと、前回に続いての出演となる、立川こはるさんのお二人です。古典をじっくり、しっかり聞かせてくれる直球派ということで、落語ファンの方はもちろん、あまり聞いたことがないという方でもたっぷり楽しめる会になることでしょう。季節は晩秋か初冬の頃。落語の後は、お二人を交えての酒宴。季節の味覚は天然のきのこなどでしょうか。銘酒とともにじっくりとお楽しみください。

<いっぱいのお運び、ありがとうございました>
【居酒屋寄席～冬支度の会】
立川吉幸、立川こはる
平成25年11月16日(土)　18:30開場　19:00開演
渋谷・居酒屋ニュー信州  (渋谷区渋谷3-20-16)
3,500円(先ずの一杯と季節の味覚お楽しみ付き)
席数限定・要予約

フルネーム、人数、ご連絡先お電話番号をお知らせ下さい。折り返し確認のメールをお送りします。

立川吉幸
昭和48年千葉県勝浦市生まれ。平成9年立川流きっての奇才、二代目快楽亭ブラックに入門。前座名ブラ房を名乗る。平成17年8月立川談幸門下に移り吉幸と改名。平成19年7月に二つ目昇進を果たす。  “暮らしのリズム”『居酒屋寄席』には平成23年5月以来3回目の出演。前座時代から果敢に大根多に挑戦し、小気味よい江戸前の語り口に定評がある。立川談奈・泉水亭錦魚等との定例会を都内で開催。
『立川吉幸のホームページ』

立川こはる
中退後の平成18年3月立川談春に入門。翌年1月「朝日いつかは名人会」で初高座。平成24年6月二ツ目昇進を果たす。談春門下の一番弟子で立川流初の女流落語家として存在感を示す。ネタおろしの勉強会を偶数月は「高円寺・ギャラリー工」で、奇数月は「横浜にぎわい座・のげシャーレ」にて開催中。(写真：森モーリー鷹博)
『立川こはる公式サイト』


落語の第一部、酒宴を愉しむ第二部の二部構成となります。ご入場の際に先ずの一杯をサービスさせていただいた後、酒肴のご注文は第二部(20時半頃)からとなりますので、予めご了承ください。酒宴では季節の肴や銘酒を一品一杯五百円でご用意しております。
どうぞお時間許す限りごゆっくりお付き合い下さい。