"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

ご来場感謝“つるとかめ”ライヴ

2007年05月20日 15時37分29秒 | 主催する催し

 旧四月四日。東京は綺麗な青空がいっぱいに広がりました。

 【暮らしのリズム】初の音楽イベント、昨夜の“つるとかめ”ライヴにはたくさんのお客さまに来ていただきました。お越し頂いた皆さま、ありがとうございました。
 居酒屋の小上がりに真紅の毛氈を敷いただけのシンプルなステージ。520tsurukame1 楽器は津軽の太棹三味線と、平胴、締めの太鼓二つ。そして“つるとかめ”の二人、澤田勝秋さんと木津茂理さんの唄と声。素朴な民謡を聴かせるのでもこれ以上シンプルな編成は無いというフォーマットです。
(小上がりの舞台。左:木津茂理さん、右:澤田勝秋さん。photo by mizunoクン)
 控え室が無いため、開演時間前に舞台に座り、徐々に席が埋まってゆく様子を眺めながらこの夜のお客さまとの距離を徐々に詰めてゆくお二人でした。幕開けは1作目『つるとかめ』の1曲目、このユニットの第一歩でもある「雨降り唄~越後松坂」。お二人の飾らぬトークで居酒屋の雰囲気はどんどん暖まってゆきます。第一部の演目は1作目のテーマである北前船に運ばれた「ハイヤ~おけさ~あいや」を中心に。520shusai 津軽に辿り着くと締めは「ホーハイ節」です。ここで一休み、居酒屋ニュー信州からの振舞酒はその名も「豊盃」。澤田師匠の故郷、弘前の銘酒です。
(左写真:今宵の肴、青森・新潟産天然の山菜を開場前にお味見。右は振舞酒「豊盃~純米吟醸生山田錦100%」美味い!)
 お酒がほどよくまわってきた第二部は2作目の『あいのかぜ』からのレパートリーを中心に、津軽から八丈島を巡りました。第一部ではじっと聴き入る雰囲気でしたが、徐々に体が民謡グルーヴに乗って動き始めています。メトロノームのように一定ではなく変幻自在にうねるリズムはとても心地良いものです。日本人でなければ感じることの出来ないノリなのかもしれませんね。あっという間のステージはアルバム未収録の「津軽甚句」でおしまい。そしてアンコールはなんとなんと「東京音頭」。神宮球場に足を運んでぼちぼち30年近くの私。民謡形態の生演奏は初体験。これは皆さんとちょっと違う意味で感動してしまいました。

 ここで、今夜の演目をご紹介しましょう。
第一部:1.雨降り唄~越後松坂、2.津軽囃子、3.田助ハイヤ、4.おけさメドレー、5.古調あいや節、6.黒石よされ、7.ホーハイ節
第二部:1.津軽三下り、2.津軽小原節、3.八丈太鼓囃子、4.津軽山唄入曲弾、5.秋田荷方節、6.八丈ショメ、7.津軽甚句、アンコール:東京音頭

520tsurukame2  素晴らしいライヴのあと、宴が盛り上がらないはずがありません。翌朝早く地方に移動しなければならない“つるとかめ”のお二人も、旬の山菜をつつきながら一緒に楽しいひとときを過ごしていただきました。
(宴もたけなわながら、翌早朝移動のため、満場の声援で見送られる“つるとかめ”のお二人。お疲れ様でした! photo by mizunoクン)

“つるとかめ”ライヴ情報

5/31(木)横浜・三渓園鶴翔閣
開演=17:30、料金=3000円(入園料別途500円/お弁当つき)
6/26(火)吾妻橋・アサヒアートスクエア
“しゃっきとせ”発売記念ライヴ
ゲスト=細野晴臣、浜口茂外也
開演=19:30、料金(1ドリンク付き)=4000円(前売)、4500円(当日)
6/28(木)木津茂理ソロライヴ『ゆらりうたの森』@浅草Gallery ef
開演19:30、料金=2500円+1ドリンク500円

最新情報は木津さんのHPをご覧下さい。木津さんの日記も楽しいです。
雑誌「ラティーナ」の最新号(07.6月号)に佐藤由美さんのインタビュー記事が3ページ渡って掲載されています。ぜひご覧下さい。

おまけの一枚。
520kametsuru新ユニット結成?!
リハーサル中のひとこま。
「茂理三味線っこひげ。 おらぁ太鼓さ叩ぐ。かめとつるだぁ」曲は「佐渡おけさ」。どうも勝手が違うようで・・・。

関連記事
「日本の民謡「つるとかめ」のこと」(2007.5.13)
「民謡を聴いてみませんか“つるとかめ"ライヴです」
(2007.4.20)
「蔵で舞うつるとかめの暖かい民謡」(2006.12.26)

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“スクってハジく”長唄三味線の愉しみ

2007年05月16日 10時54分46秒 | 芸能の催しごと

 旧三月三十日。旧暦三月の晦日(みそか)です。

 4/14(土)に開催した【居酒屋寄席~春爛漫の会】で、飛び入り参加で長唄三味線の素敵な音色を聴かせてくれたスクイーズ☆ハジキーズのライヴを観にいってきました。
515sukuhaji1  スクイーズ☆ハジキーズは松永鉄駒さん(左)、松永鉄六さん(右)の才色兼備な二人からなる長唄三味線のユニットです。松永鉄九郎さんに師事し、ちょうど4年前からより親しみの持てる三味線音楽を、とユニットを結成して様々な場所で活躍しています。昨年11月に行われた鉄九郎さん主宰のライヴイベント(その時の模様はこちらを)で初めて観て、その後、鉄九郎さんと親交が厚い立川志の輔師匠の会などでお話しをする機会を得ました。ユニット名は三味線の代表的な奏法、スクイとハジキによるものです。

 この夜のライヴは、西麻布の大通りから少し入った閑静な住宅街にある東洋医学の松柏堂医院に併設されたスペース、ホールDOZで行われました。天井と床が無垢の檜で出来ていて、とても暖かみがあって落ち着く空間です。

415sukuhaji2  親しみを込め略してスク☆ハジのライヴは、なんと言っても愉しさが魅力です。そしてとってもチャーミングです。長唄の間に演奏される合方というインストゥルメンタルの部分をを緊張感たっぷりに聴かせたかと思うと、洋楽スタンダードをユニークな二丁三味線のアンサンブルでさらりと演ってのけ、果てには芝居タッチの創作組曲を笑いを交えて披露します。曲間のトークも飾らず楽しく、いつのまにか二人のペースで空間が暖かい雰囲気になってゆきました。わずかに1時間ほどの演奏ですが、難しくて渋いと思いこんでいた三味線音楽が少し楽しく親しみを持てるようになることは間違いありません。

 スク☆ハジDOZライヴは、これから毎月第三火曜日に開催されるそうです。ぜひ聴きに行ってみてください。おすすめです。


日本の民謡「つるとかめ」のこと

2007年05月13日 19時24分05秒 | 主催する催し

 旧三月二十七日。すっかりblogの更新を怠ってしまいました。GWはあっというまに過ぎ去り、その最後の日5月6日は二十四節気の“立夏(りっか)”でした。陽差しは夏らしさを感じさせ、湿度の低いこの頃は一年で最も過ごしやすい季節と言えるでしょう。

 5月19日(土)に開催する「つるとかめ」
(澤田勝秋:津軽三味線・唄 &木津茂理:唄・太鼓・三味線)のライヴが迫ってきました。彼らの三枚目のアルバム『しゃっきとせ』が4月25日に発売されましたので、あらためてご紹介しましょう。

 デビュー作『つるとかめ』で、江戸時代日本列島に沿うように南北を往き来していた和船、北前船に乗って運ばれたとされている「ハイヤ節」の流れを辿りました。2作目『あいのかぜ』では「追分~別れ~港の唄」がテーマでした。

420vzcg639_1 『しゃっきとせ』では、日本民謡のもう一つの大きなテーマ、踊り唄を中心に、聴けば聴くほど自然に腰が浮いてくるような楽しい作品になっています。三作目にして初めて迎えたゲストは、細野晴臣さんと浜口茂外也さん。J-POPの重鎮であるお二人、木津茂理さんとの共演歴から参加が実現したのですが、細野さんは一作目、二作目のブックレットにコメントを寄せているとおり、つるとかめには熱い思い入れを抱いていました。そんな日本民謡へ、つるとかめへの羨望の眼差しが、参加作品から溢れてくるようです。一方二人だけの曲もいつもながら圧倒的です。私が特に気に入っているのは、二丁三味線と独特なポリリズムがクセになる「出雲崎おけさ
(新潟県)」、津軽と南部の伝統曲のメドレー「津軽よされ(青森)~南部よしゃれ(岩手)」、ここまで来ればどこか体が動き出す「鹿児島はんや~阿波よしこの節(徳島)」などなどです。

 民謡なんて古くさい、という先入観のある方は、まず「つるとかめ」を聴いてみてください。先祖返りが楽しくできますよ。ライヴも楽しいです。ニュー信州ではつるとかめに縁のある津軽と越後の銘酒を傾けながら、ゆったり身を委ねてください。終演後はもちろん、お二人を交えての酒宴をご用意しています。初夏の味覚もお楽しみ下さい。

“つるとかめ”ライヴ1226tsurukame_1
日時:平成19年5月19日土曜日
18:30開場、19:00開演
会場:居酒屋ニュー信州
(渋谷区渋谷3-20-16 tel.03-3797-6966)
料金:4000円(先ずの1杯つき)
協力:財団法人日本伝統文化振興財団

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「民謡を聴いてみませんか“つるとかめ"ライヴです」(2007.4.20)
「蔵で舞うつるとかめの暖かい民謡」(2006.12.26)

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