"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

冬の至り、柚子とかぼちゃで暖まりましょう

2012年12月21日 10時33分43秒 | まち歩き

 旧十一月九日。今日は冬至です。

  日南の限りを行きて、日の短さの至りなればなり
         『暦便覧』(天明八年/1788年発行)

北半球では一年で一番日中の長さが短くなる日です。冬至のことを【一陽来福】と呼びますが、陰が極まる旧暦十月に対して、旧暦十一月の冬至に陽が生じる、ということを意味しています。今年の年の瀬は寒さがとても厳しいです。冬至のあとは、小寒、大寒と、まだまだ寒さが厳しくなるのですが、気持ちの上でも一陽来福と、前向きいきたいものです。

 一年で昼の長さがもっとも短い、と聞くと、日の出の時刻が一番遅く、日の入りの時刻が最も早くなっている、とついつい思ってしまいますが、実は日没の時刻はすでに少しずつ遅くなっているのです。東京の場合、日の入り時刻は11月29日から12月12日までが16時28分。これが最も遅い日没です。今日は16時32分で、大晦日には16時38分まで遅くなっているのです。一方、日の出の時刻は、今日が6時47分。最も遅くなるのは年が明けて1月2日から12日までの6時51分となります。というわけで、これからは暗くなるのが徐々に遅くなってゆくことで【陽】へのステップを感じてゆくことになるのでしょう。

 この寒さの中、しかも師走に春を感じる、というわけではありませんが、やはり桜の花には、
B1221kanzakura心躍らされる何かがあります。この季節に咲く桜もあるのですね。年明け寒の頃から初春に咲く寒桜は目にすることもありますが、こちらは冬桜。晩秋から寒の頃までの結構長い花期があります。江東区の豊洲に整備されてまだ日も浅い公園は、日当りがとても良く、若い木ですが冬桜がちらほら咲いています。冬晴れの澄み切った青空とのコントラストが美しく、暖かさを感じることが出来ます。

 都会の紅葉は、寒さと木枯らしで早くに散ってしまいましたが、いつもこの時期に色づくセコイアの紅葉も、
B1221sequoiaハッとさせられるほど鮮やかです。中央区明石町のあかつき公園に植えられたメタセコイアは最近枝を剪定してしまったので、かなりスリムになってしまいましたが、春には明るい新緑が眩しく、夏には木陰を作り、冬の色づきで目を楽しませてくれています。写真は一週間ほど前になりますが、こちらも青空とのコントラストが見事です。

 今日は徐々に雲が増えてゆく東京の空。冷え込みはますます厳しくなりそうです。柚子湯と南瓜で暖まりましょう。


『居酒屋寄席~師走の会』ご来場感謝いたします

2012年12月12日 11時23分48秒 | 主催する催し

 旧十月二十九日。旧暦十月の晦日です。日の出前に二十九日目の薄い月が金星に寄り添って上り、空が明るくなってゆくのに伴ってすぅーっと姿を消してゆきました。
 明日は旧暦の十一月朔。旧暦十一月は「霜月」とか「雪待月」といった月名がありますが、今年の寒さは異常なようです。東京では12月10日の朝に初霜(平年より10日早)・初氷(平年より7日早)を観測しました。日本海側の大雪は深刻な被害をもたらす可能性が出てきています。新潟県魚沼市の入広瀬ではすでに190センチ以上の積雪だそうです。冬の寒さはまだこれからが本番です。雪国のみなさんには心よりお見舞い申し上げます。

 師走の恒例となりました『居酒屋寄席~師走の会』。12月8日土曜日に渋谷の居酒屋ニュー信州で開催致しました。たくさんのお客様にお運びいただき、深く感謝致します。
 今回の出演は立川志の輔一門の筆頭二つ目、立川志の吉さん。独演での開催となり、古典落語をたっぷり二席聞かせて下さいました。
B1212shinokichi 一席目は、骨董品屋に仕える小僧・与太郎が来客に頓珍漢な受け答えばかりし、やがてやってきた上方弁の男が早口で捲し立て、与太郎はおろかおかみさんまで翻弄されてしまうという滑稽噺『金明』。志の吉さんは、何度と無く繰り返される上方弁の早口口上の正確さはもちろん、与太郎のおとぼけぶりにおかみさんのうろたえぶりを見事に表現し、聞く者をぐいぐい惹き付けてゆきました。
 二席目の前に、志の吉さんは来年の豊富を語ります。いよいよ真打ち昇進を目指して大きな一歩を踏み出す、とのことです。志の輔一門から初の真打ち誕生なるか、楽しみにしたいと思います。
 といった話のあとは、間男のしくじりが題材となっている艶笑落語の定番『紙入れ』。志の吉さんの落語は登場するキャラクターがそれぞれに立っていて、いつも噺の世界に瞬時に引き込まれる。サゲがわかっていてもクスッとさせられるのです。お見事でした。

 落語のあとは『居酒屋寄席』の通例、酒宴となりました。志の吉さんの発声で乾杯したお酒はニュー信州からの振舞酒。今宵はこのところ人気沸騰中、三重県の「而今・特別純米にごり酒」。B1212shiwasunokai新酒が出来上がるこの頃だけの限定酒です。振舞酒と共にテーブルに並んだ季節の味覚のお楽しみは、寒さが厳しくなってぐっと旨味が増してきた露地物のほうれん草。そして駿河湾で捕れたきびなごの南蛮漬け(写真右上)でした。

 志の吉さんはすべてのテーブルを回って、お客様とのお話を楽しんで頂きました。今宵は落語初体験のお客様も何人かいらっしゃり、落語に関する素朴な疑問
を投げかけられたり、一方常連のお客さんからはマニアックな指摘を受けたりと、てんてこ舞いでした。B1212uchiage最後は忘年会らしく、志の吉さんの音頭三本締めてお開きです。

 ご来場いただいたお客様、志の吉さん、居酒屋ニュー信州の皆さん、写真を提供して下さり
ホールのお手伝いをして下さる水野稔さん。ありがとうございました。
 
次回の『居酒屋寄席』は、初夏の頃に開催しようと思っています。。どうぞ、お楽しみに。


大雪ところによって小春日和

2012年12月07日 22時10分40秒 | 主催する催し

 旧十月二十四日。二十四節気の【大雪(たいせつ)】に入りました。

  雪いよいよ降り重ねる折からなればなり
         『暦便覧』(天明八年/1788年発行)

 北陸から東北の日本海側、北海道では暴風雪に見舞われ、文字通りの大雪になってしまいました。今年は本格的な冬の気候になるのが早く、寒い日が続いています。
 旧暦十月の小春日和も、心なしか例年より少ない気がします。それでも、昨日の木曜日は東京の最高気温が18℃を超え、陽射しも穏やかでポカポカの小春日和となりました。束の間ホッとさせられるような陽気となりましたが、季節はどんどん真冬に向かって進んでいます。
 風邪や、インフルエンザ、ノロウィルスも本格的に流行り始めたようです。皆さんどうか呉々もお気をつけて、健やかにお過ごしください。