"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

緑一段と濃くなる【小満】

2013年05月21日 15時35分57秒 | まち歩き

 旧四月十二日。二十四節気の【小満(しょうまん)】となりました。

万物盈満すれば草木枝葉繁る。
     『暦便覧』(天明八年/1788年発行)

  物事が満ち足りると、かえって災いを招きやすい」という意味の『盈満(えいまん)の咎(とが)め』という言葉を、0521satsuki昨年も紹介しましたが、今まさに野山の草木は盈満の頃を迎えています。淡い新緑から、色濃く力強い緑へといつの間にか姿を変えています。

 桜の頃はもう遥か遠い昔のことの様で、藤、つつじと続き
今はさつきが見頃。かきつばたや菖蒲も花を咲かせてきています。気付けば紫陽花の葉も厚みを増し、蕾が徐々に存在感を増してきています。もう一つ気付けば、といえば梅の木。青々とした葉の奥に、大きく成長した実がたくさんついています。梅干用の盆笊や、梅酒のための焼酎に氷砂糖が店先を賑わすことが近づいてきています。
(写真は皇居大手門前の歩道、道行く人を導くようにサツキの植え込みが続いている。)

 梅雨入り前の過ごしやすく、静かな季節。少し早く起きて長い一日を楽しみたいものです。


目には青葉の初夏到来。【立夏】です。

2013年05月05日 13時16分03秒 | 季節のおはなし

 旧三月二十六日。二十四節気の【立夏(りっか)】です。そして新暦端午の節句。これは旧暦でお祝いしましょう。今年は6月13日木曜日です。

夏の立つがゆえなり。
     『暦便覧』(天明八年/1788年発行)

  実にシンプル。今日から夏なのです。日本の夏という季節は、三つの顔を持っています。これから梅雨入りまでの爽快なる初夏。長雨が続きながらも合間にキラリと光る青空が広がる五月晴れの頃。そして、梅雨明けとともにやってくる暑い盛夏。一つの季節でこれほど表情が豊かなのは夏、と言っていいでしょう。

 一気に温かくなって、あっと言う間に桜を咲かせてしまった三月の陽気が嘘のように、0505tsutsujifujiここしばらくは、涼しい、あるいは少し肌寒いような陽気が続いています。春の締めくくりを彩る藤の花が、この低温のおかげで少し長持ちをしてくれたようです。一方では、ツツジやサツキが早くから咲き始め、菖蒲の葉も青々としています。写真は一週間ほど前の浜離宮恩賜庭園ですが、晩春から初夏の草木が見事に共演していました。

 秋の半ばとともに、一年で最も過ごしやすい季節の到来です。ただ、この初夏の方が日の出
がずっと早く、日没も遅いので、一層行動的になると思います。特に清々し早朝の時間を有効に使いたいものです。