"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

暑気なお収まらず【処暑】なり

2012年08月23日 16時46分02秒 | まち歩き

 旧七月六日。二十四節気の【処暑(しょしょ)】です

  陽気とどまりて、初めて退きやまんとすればなり
            『暦便覧』(天明八年/1788年出版)

 二十四節気というのは、その日を境にして、というものではなく、この日からおよそ二週間くらいの陽気を表しています。そのため次の【白露】の前日、今年の場合9月6日木曜日までに少しずつ暑さが収束してゆくのであろうということですが、B0822shoshoそれにしても厳しいどこまで続くのであろうかという厳しい残暑の日々が続いています。まさに残暑お見舞いがぴったりの今日この頃です。
 それでも、夏至から二ヶ月が経過すると、太陽の角度はずいぶん傾き、昼の時間も徐々に短くなってきました。その分目に入る陽光が一層眩しく感じられるのかも知れません。
 空は盛夏の頃に比べて青く澄み、一日を通じて風が吹いているので、かなり凌ぎやすくなって来ている、と感じているのは夏好きのわたしだからでしょうか。空気が澄んでいるので、都会からでも夜空の星をたくさん望むことができるようになりました。昨夕(8月22日)には西の空に五日目の月と火星・木星が集まって沈んで行くのがよく見えました。
 そして、明日8月24日は旧暦七月七日、七夕です。くどいようですが五節供は旧暦で感じ味わいたいものです。梅雨の最中の7月7日では望むことができない天空の河を、明日の夜はしっかり観ることができるでしょう。旧暦ですから七夕の月は上弦少し前の姿。明日、東京の月没時刻は22時22分です。街の灯りを少し避けて、夜空を眺めてみましょう。

 写真はここ数日、往く夏のスナップです。左上と右下は葛西臨海公園。右上は皇居の東御苑・二の丸の雑木林。左下は月島の隅田川テラスから望む五日目の月と夕焼け雲。


秋の気立ったか

2012年08月08日 17時06分45秒 | 催しごと

 旧六月二十一日。昨日は二十四節気の【立秋】。

  初めて秋の気立つがゆえなればなり
            『暦便覧』(天明八年/1788年出版)

 暑中から残暑の季節となります。実際には甲子園の高校野球が開幕し、外に出れば賑やかに蝉が鳴き、陽射しも暑さも厳しく、秋と言われても実感できないのが立秋ではありますが、今日の東京は久しぶりに最低気温が25℃を下回り、吹く風が心地良く、鰯雲が広がる空は高く感じられ、確かに初めて秋の気が立っているようでした。
B0808sumiyoshi  夏に生まれ、どの季節より夏が好きな私としては、日が短くなって行くのと共に秋の気配が濃くなるのは、どこか寂しさを感じてしまうものです。そう思うのは、佃住吉神社の例祭がちょうど立秋前日に終わり、祭の雰囲気で高揚していたものが、ふっと治まってしまったからなのかもしれません。
 本来は三年に一度の本祭りである佃住吉神社の例祭ですが、神輿渡御の神幸祭は昨年東日本大震災の影響で延期となっていました。そのため、4年間待ちに待った今回の祭はこころなしか活気があったように思います。
 4年前の本祭り後に、佃島のすぐ隣に転居したのですが、ここに居るとこの地独特の祭の風情が風に乗って伝わってくるようで、
とても感慨深いものがありました。
 佃には三カ所に囃子の屋台が設けられ、初日の金曜日(8/3)17時に6本の大幟旗が上がってから、B0808wakayama_28/6月曜日の神輿宮入まで囃されます。囃子方は国指定重要無形民俗文化財、江戸里神楽の最高峰、若山胤雄社中の皆さんです。朝の5時、静寂を破る祭囃子の「打ち込み~屋台」は、特別な朝であることを告げる凛とした響きです。
 五十の手習いで二年前から稽古を始めたお囃子は、この若山の手によるものです。今回の祭の間、第一人者たちの囃子、その技術から立ち振る舞いまで、たいへん多くのことを学びました。