"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

『手前味噌仕込みの会』第二弾~ササッと仕込み完了

2013年03月31日 23時43分45秒 | 主催する催し

 旧二月十九日。あっという間に今年も4分の1が終わってしまいます。開花から二週間以上も咲き続けてくれた染井吉野も、ここ数日の花冷え陽気でおしまいとなりそうです。4月を待たずに桜が終わってしまうのは珍しく、少し寂しい気がします。代わって彩るのは八重桜。名所の浜離宮恩賜庭園は来週くらいが見頃でしょうか。

 たくさんのご参加者に恵まれ、今年は二日に分けて開催した第八回『手前味噌仕込みの会』。その第二弾を3月30日土曜日に行いました。会場は居酒屋ニュー信州です。集まったメンバーは8人。0331misoshikomi 2006年に始めたこの会の第一回目から参加て下さっている方も数人いらっしゃり、味噌仕込の熟練揃いでした。皆さんありがとうございました。
 今回も大豆こうじと米こうじをブレンドした味噌です。第一弾では米こうじ2に対して豆こうじ1の割合でしたが、第二弾では1対1で仕込んでみました。両者の熟成具合にどういう違いが現れるか、秋の『手前味噌時間の会』を楽しみに待ちましょう。(写真左上:大豆こうじは電動ミンサーでフレーク状に。右上:二種のこうじと塩をよく混ぜます。左下:大豆をつぶしすべての材料を良く混ぜ合わせます。)
 熟練メンバーによる職人技のような味噌仕込はサクサクっと終了し、予定より30分も早く打ち上げの乾杯です。 まずは、大豆や味噌で一杯。写真右下の左上は茹で上がった0331kanpai大豆の醤油漬け~真ん中は手前味噌いろいろ~右上の小さな容器は昨年11月の『手前味噌自慢の会』で仕込んだ「手前豆板醤」(まだまだ熟成不十分でも鶏の唐揚げにちょっと付けたらとても美味でした。)~右下はハモのアラで出汁をとった手前味噌の味噌汁(これも美味い!)~その左隣が、大豆こうじを醤油と味醂に漬込んだ「醤油の実」。酒がススムススムで次々一升瓶が空いて行きます。皆の味噌瓶は無事自宅までたどり着きましたでしょうか。(乾杯のお酒は山口県の「貴 うすにごり」。秒殺でした。)
 秋には『手前味噌自慢の会』でまた盛り上がりましょう。


『手前味噌仕込みの会』第一弾仕込完了

2013年03月21日 14時17分38秒 | 主催する催し

 旧二月十日。東京の桜はどんどん咲いて来ています。今日はちょっと冬型、少しだけ寒が戻ったようですが、この桜長持ちしてくれるでしょうか。

 『手前味噌仕込みの会』今回で八回目を迎えました。お陰様で今回はたくさんの
方からお申し込みを頂き、一日だけでは収まらず、二回に分けての開催となります。昨日、3月20日(水曜日・春分の日)に、その第一弾の仕込を行いました。会場はおなじみ渋谷の居酒屋ニュー信州です。
 今回は28人
にご参加頂き、最年少はなんともうすぐ2歳の晶乃ちゃん。小学校2年生の千夏ちゃんも大豆を潰したり、仕込味噌を混ぜたり活躍してくれました。ご参加くださいました皆さん、どうもありがとうございました。

 今回
仕込む味噌は、この会では初めての試みとして、大豆のこうじを使ってみました。大豆こうじの味噌、というと中京地区や岐阜方面などの赤い豆味噌が思い浮かびます。その代表的なのが名古屋の八丁味噌でしょう。味噌煮込みうどん、味噌カツ、どて、赤出し味噌汁・・・。最近は【名古屋メシ】としてお馴染みの濃厚な風味を醸し出す味噌料理があります。0321misoshikomi_2この八丁味噌は大豆こうじと塩だけで仕込むのですが、今回の会ではそんな味噌のテイストを感じることができ米こうじ2対豆こうじ1(上写真の左上:白っぽいのが米こうじ、その左が豆こうじです)のブレンド味噌を目指してみよう思います。
 豆こうじの実物を見るのは今回が初めてでしたが、大粒の納豆
に粉が吹いたような見た目です。封を切ると強い臭気が無い納豆のような香り。一粒食べてみると、同じような印象です。納豆菌による納豆が一般的になる前の中世以前は、この大豆こうじを熟成させた【塩辛納豆】、別の呼び名では【寺納豆】とか【浜納豆】が保存食として食べられていたそうです。歴史のある発酵食品なんですね。
   手前味噌仕込みの作業は、まずこの大豆こうじを潰してゆくところから始めます。乾燥していて結構堅いので、今回は挽肉用の
ミンサーを使って挽き潰すことにしました(上写真の右上)続いて米こうじ。0325misoshikomiこれも固まっている部分をほぐしてサラサラの状態にし、こうじの準備ができたところで塩と混ぜ合わせておきます(中写真の左上)
 大豆は前夜23時に浸水し、当日の14時に点火してじっくり2時間かけて煮ました。恒例のお楽しみは、茹でたての大豆を醤油に浸して30分くらい置いたもの(下写真の右上)試食。さらに大豆の茹で汁も一口ずつお試し(下写真の左下)。旨味と自然の甘みが凝縮した大豆のパワーと美味さに皆口々に驚きの声を発していました。この会のための大豆を用意してくれる上野・松葉屋商店の永井さんご夫妻もこの味わいに感心されていました。国産のおいしい大豆をもっと日常的に食べてもらいたいですね。
 続いては、茹で上がった大豆を潰す作業。約40kgになるので、これだけの人数がいてもたいへんな作業です。ボウルに入れてポテトマッシャーで、ポリ袋に入れてビールの空き瓶で、と色々な方法で潰してゆきます(上写真の下2枚と中写真の右上:もうすぐ2歳の晶乃ちゃんも活躍)。潰し終えた大豆を人肌に冷ましてから、こうじと塩と共に混ぜてゆきます(中写真の右下)。出来上がりの味噌をイメージして適当な固さになるまで茹で汁を加えます。最後によく混ぜて仕込味噌の完成。各自の一升瓶に約2kgの味噌を仕込んで(中写真の左下)作業は終了となりました。
 手前味噌仕込みの後は、これもお楽しみの宴です。
身体を使った程よい作業の後のビールは格別です。乾杯のお伴には居酒屋ニュー信州の特製味噌料理が二品。0325misoryouri まずは、秋田県産の天然ふきのとうを豆腐仕立てにし手前味噌の練り味噌を掛けた一品(下写真の右下)。ほろ苦さと味噌のコクが絶妙で口の中に春爛漫が広がります。続いては、手前味噌のタレに漬込んだ牛の赤身をミディアムレアに焼いた一品(下写真の左上)。赤身のぱさつき感はまったく無く、むしろ繊維に味噌の旨味が染み込んで柔らかくジューシー。これも絶品です。スターターがお見事なので、皆さんとってもお酒が進んだようでした。お疲れ様でした。
(中写真と下写真はすべて水野稔さんによるものです。ありがとうございます。)


彼岸の中日に桜ほころぶ

2013年03月20日 09時45分36秒 | 主催する催し

 旧二月九日。彼岸の中日、二十四節気の【春分】です。

日天の中を行きて昼夜等分の時なり
          『暦便覧』(天明八年/1788年発行)

 花が遅れていたかと思ったら、一気に暖かくなって、東京では3月なのにすでに夏日が二日もありました。梅が散る前になんとなんと、桜が開花してしまいました。染井吉野、東京では3月16日土曜日。これは平年より10日も早く、去年より15日も早いことです。春分に桜が咲いている、というのはちょっと記憶にないような気がしていましたが、11年前の2002年も同じ日だったとのことです。
0320mamekouji 梅、菜の花、沈丁花、モクレン、柳の新芽・・・と本来は段階的に味わう春の足音が、今年は一気に飛び級でピークに達してしまった感じです。お墓参りとお花見が一緒に出来る、というのも贅沢な一日なりそうですね。

 さて、今日は『手前味噌仕込みの会』茹でた大豆を潰して塩と麹と混ぜ合わせ、それぞれの一升瓶に仕込んでお持ち帰り。自宅でじっくり熟成させます。八回目を迎える今年は、初めての試みで大豆こうじと米こうじのブレンド味噌を全部で25升分仕込みます。会の模様は後日レポートいたします。
(
大豆こうじ=茹でた大豆にはったい粉とこうじ菌をまぶしこうじにしたもの)



やっと『三寒四温」かな?

2013年03月03日 18時49分19秒 | まち歩き

<お知らせ>“暮らしのリズム”が主催する食のイベント『手前味噌仕込みの会』はお陰様をもちまして、ご参加者が定員に達しました。今年は追加の開催日を設けるほどたくさんの方にご参加頂くことになりました。ありがとうございます。会の模様は後日このブログでアップします。お楽しみに。

 旧正月二十二日。
今日は「ひな祭り」。新暦のです。“暮らしのリズム”は五節句を旧暦でお祝いします。まだまだ桃の蕾も堅く閉じたまま。というわけで、今日はスルーしましょう。今年の旧暦三月三日、上巳の節句は、4月12日(金)です。外で花桃を愛でながらお祝いしましょう。

 3月5日
火曜日は二十四節気の【啓蟄(けいちつ)】です。また春が一歩進んだ気分になります。

陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出ずればなり。          『暦便覧』(天明八年/1788年発行)

 日足の長さ、日の高さが地温を上げてゆくのでしょう。まだまだ強い寒気もやってきて、北国では雪の災害も多く聞かれます。 また、暖かい日があったかと思えば、突然冷え込んだり突風が吹いたり、不安定な天気が続きます。0303ishikawajimadoteそれも『三寒四温』で、少しずつ厳しい冬から抜け出す頃なのでしょう。

 
陽射しが暖かくなると、球根の花も咲き始めます。様々な水仙が色彩の乏しい都会の植え込みや野山を彩ってます。佃のリバーシティにある土手には、いろいろな球根が植え込んであり、タイミングをずらして花を咲かせます。先陣を切って咲き始めたのが黄色いクロッカス。鉢植えなどではよく見る小さい花ですが、広々とした斜面に点々と咲くさまは、なかなかの趣です。しばらくは散歩やランニングで通る人たちの目を楽しませてくれそうです。