"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

念願のMy下駄を誂(あつら)えました

2007年07月30日 13時15分58秒 | まち歩き

 旧六月十七日。旧六月の望、満月です。そして今日は土用の丑の日(2005.7.19のエントリーをぜひご覧下さい)。暑さが厳しい頃、自然と鰻が恋しくなりますね。
 ここ数日天気がぐずついていますね。今日から明日にかけては激しい雨の恐れがあるそうです。そして太平洋上には台風5号がじわじわと勢力を強めて接近してきています。日本列島に影響が出るのは8/2(木)頃でしょうか。花火大会が楽しみな時期、ハラハラしますね。
 今回の台風5号は日本が命名した“ウサギ”という名前が付いています。この台風の名前は2000年からスタートしたもので、アジア周辺14の国と地域が10ずつつけた140の名前を順番に使ってゆきます。日本の14の名前はすべて星座からとったもの。でも星座占いでお馴染みの星座ではなくコップやコンパス、クジラ、トカゲ、カジキ、カンムリ・・・といった名前です。何となく名前のイメージが着いてしまいそうですが、今回の“ウサギ”は穏やかに足早に駆け抜けて欲しいものです。

 夕方になると雨が降りそうになることが多く、730getaせっかく作った浴衣もまだ着て出掛けることがありません。浴衣には草履でも良いけれど、やはり下駄、ということで誂えてもらいました。 お店は旧東海道品川宿、京浜急行新馬場駅近くにある丸屋履物店(HPはこちら)です。以前何かのテレビ番組で見て、ぜひこのような職人気質のお店で下駄を買おう、と思っていました。創業は慶応元年という老舗です。
(写真左上から時計回りに:旧東海道の商店街に佇む重厚な店構え/鼻緒のほんの一部。目移りします/奥さんが穴を開けると親方があっという間に鼻緒をすげます/最後は足に合わせて微調整)
 下駄を誂えるにあたって、店主の榎本準一さんご夫妻が丁寧に相談に乗ってくれます。まずは、男ものの白木桐下駄で、一般的な幅が広めの「角(かく)」か幅が狭くなっている「下方」を選びます。
730mygeta私は下方にしました。次に挿(す)げる鼻緒を選びます。目移りするほどたくさんの種類があって、迷ってしまいます。あとは、ご夫妻が実に手際よく台に穴を開け、足に合うように鼻緒を挿げてくれます。あっという間に自分の足にフィットする下駄が出来上がりました。
(写真上:台の裏鼻緒の結び目に金具を打たないのが“粋”なんだそうです。「こっちの方が粋なんです」にはいつも弱いわたしです)
 浴衣を着て下駄を履いて、という外出はまだ実現していないのですが、下駄で歩く練習がてら近所を歩いてみると、足の裏がなんとなく涼しく、背筋が伸びて姿勢が良くなった感覚です。そして何より、音の美しさに感激します。最近はゴムやウレタンを底に敷いた下駄もよく見ますが、履き心地は楽でも、音はやっぱり白木の桐にかなわないでしょう。


佃島盆踊り と 初めての浴衣

2007年07月22日 12時38分53秒 | 催しごと

 旧六月九日。なかなかすっきり梅雨明けとはいかない関東地方です。もう二、三日はっきりしない空模様が続きそうですね。明日は二十四節気の【大暑(たいしょ)】。夏本番はもう間もなくです。

 三日間、一日も開催できないのでは、と心配だった佃島盆踊りですが、722bon 初日の7/13(金)は雨の降り出しが予報よりも大幅に遅れて、無事できました。二日目の14(土)は台風接近に伴い朝からまとまった雨で早々に中止を発表。台風情報との睨めっこになった最終日の15(日)は、台風4号が関東の南沖合を足早に進んでくれたお陰で、なんとかぎりぎり開催することが出来ました。皆さん台風で家に籠もっていたからか、あるいは三連休に重なったお陰か、最終日はここ何年かの中で一番盛り上がった印象でした。
(写真左上より時計回り:初日17時には築地本願寺による無縁仏供養の法要が行われ、盆踊りの幕が開きます/73年振りに太鼓を新調しました。100年は頑張ってくれるそうです/保存会による踊りのレッスン。簡単な踊りなのでマスターすると癖になります/初日の夕焼けの風景)

 「毎年、今年こそ」と思っていた念願を叶えて初めて浴衣を仕立てました。大きく背中を押してくれたのは、722yukata2 6/16(土)に行った「足立区伝統工芸展」でのこと。そこに出展していた東京本染めゆかたの旭染工(株)さんの浴衣地を拝見して、ぜひ着てみたい、という思いが膨らんだのでした。旭染工さんでは最近大人気の本染め手拭いもたくさん手がけていて、展示品にはお店などでよく見る手拭いが勢揃いしています。
 この東京で、百年以上の伝統の技法「注染」で染めている浴衣地で仕立ててみたいな、と思いが募り、722yukata1 旭染工さんの社長阿部さんに問屋さんをご紹介いただきました。浴衣が仕立て上がったのは佃島盆踊りの翌日。今年は間に合いませんでしたが、この夏は夕方の散歩に、野球観戦に、花火大会に・・・なにかと浴衣を着て出掛けてみようと思っています。粋に着こなせるようになるには場数を踏まなければ。


準備完了。もうすぐ佃島盆踊り

2007年07月11日 15時52分51秒 | 催しごと

 旧五月二十七日。二十四節気の【小暑(しょうしょ)】が7月7日でした。いよいよ梅雨も後半戦。シトシト降る雨から周期的にザーッと降る雨に変わってきます。九州では大雨による災害が相次いでいます。大きな台風4号も近づいてきました。天気予報などには十分に注意しましょう。

 本来お盆は、旧暦の七月十三日に迎え火でご先祖様をお迎えして、十五日が盆、十六日は送り火でご先祖様をお送りする行事です。今はだいたい旧暦の頃、ということでひと月遅い8月に行うのが一般的なようです。沖縄などでは変動的な旧暦に則って行う習慣が根強く残っていますね。東京の古い町では、明治以降カレンダーの7月13日から16日にお盆を行う風習がよく見られます。東京都無形民俗文化財の“佃島盆踊り”もこの時期、毎年7月13日から15日までの三夜に渡って行われます。
711junbi  開催を翌々日に控えて、今日は早朝から準備です。明け方までの激しい雨も止み、強い陽差しも無く良い日和です。櫓を組み上げ、提灯を飾り、精霊棚を組み立てるなど、午前中をかけて会場の準備を行いました。
(写真上段:まずは櫓の土台から。基本的には金物を使わずに組み上げます。下段:昨年新調した精霊棚は、伝統に則って備中檜の節のない木材をで出来ています)
 今年は週間予報では天気が悪そうで、台風の影響もあるかも知れません。なんとか一晩でも踊りの輪ができれば有り難いですね。
719tsukuda_1  太鼓と唄だけによる盆踊り唄は神秘的で引き込まれていきます。踊りもゆったりとシンプルな振りですが、10分も輪に加わっていれば体が熱くなって、気持もスッキリしてしまいます。素朴で不思議で魅力的な盆踊りをぜひ体験してみてください。(写真は昨年の模様です)

◆◆佃島盆踊り(佃島念仏踊り)◆◆
日程:7月13日(金)~15日(日)
時間:19時頃から21時過ぎまで(雨天の場合は中止です)
  ※前半は子どもの踊り、名音頭取り飯田恒雄さんは20時過ぎに登場します。
場所:中央区佃一丁目(地図はこちら)
注意:佃島盆踊りは、この地に上がった無縁仏を供養するための行事です。必ず精霊棚でお線香を上げてから踊りの輪に入りましょう。

過去の関連エントリーは
2005.7.14「佃島盆踊り」
2006.7.12「佃島の夏景色」
2006.7.22「『遙かなる佃』昭和の東京を見る」
です。ぜひご覧下さい。


梅雨半ば民謡三昧の日々

2007年07月03日 19時19分31秒 | 季節のおはなし

 旧五月十九日。梅雨空が続いています。昨日は雑節の【半夏生(はんげしょう)】でした。もともとは二十四節気をさらに三つに分けた七十二候の一つです。農家はこの日までに田植えを終えましょう、という頃です。72hangeshou “半夏”は「からずびしゃく」というサトイモ科の野草で、これが生えてくる頃なので半夏生と言います。これとは別にこの頃に葉が白く変化することから“半夏生”と名付けられた野草があります。テレビのお天気キャスターが間違えているのを耳にすることがありますが、それほど紛らわしい半夏生の由来です。いずれにしても、夏半ばの頃、梅雨もこれから後半戦です。(鎌倉・海蔵寺の庭に群生する半夏生)

 これませでに告知をしてきました【つるとかめアルバム『しゃっきとせ』発売記念ライヴ
が6/26火曜日に、吾妻橋近くのアサヒ・アートスクエアで行われました。この夜はアルバムにもゲスト参加した細野晴臣さん、浜口茂外也さんをお迎えしたスペシャルなライヴです。
72asahi  過去の二作を中心につるとかめの二人(澤田勝秋さんと木津茂理さん)だけで幕を開けた第一部。澤田師匠の津軽三味線をたっぷり堪能できる「山唄入り津軽三味線曲弾き」、木津さんの重厚な太鼓が響き渡る「八丈太鼓囃子」で早くも会場は熱くなっていくと、郡上踊りの「げんげんばらばら」で早くも細野さん、浜口さんがステージに合流。
 第二部「隠岐の田植え唄」のスタートから4人がステージに顔を揃えて、自然と体が動き出すような楽しいレパートリーが次々に飛び出してゆきます。細野さん作
(作詞は忌野清志郎)の「幸せハッピー」民謡ヴァージョンも見事なマッチングです。後半は民謡踊りのゲストも加わり、ぐんぐんヒートアップします。ラストの「阿波よしこの節」では場内に阿波踊りの輪が出来上がりました。「民謡はストレートに楽しい」ということが会場の隅々まで浸透した楽しい一夜でした。

72ef 興奮なかなか醒め止まない翌々日は、浅草のGallery-efで、木津茂理さんのソロライヴ。こちらは昨年12月につるとかめのライヴも行った蔵(そのときの模様はこちらです)での完全生音ライヴです。 曲によって妹さんの木津かおりさんが三味線、唄で加わり、同じ唄を聴かせても、つるとかめとはひと味もふた味も違った艶っぽい民謡です。時には詞を読んで、昔の人の暮らしぶり、感性を伝えたり、民謡の魅力、楽しみ方を感じさせる楽しいライヴでした。


 民謡三昧の日々、梅雨が明ければ日本各地で夏祭りや盆踊りが行われます。ご当地の民謡や盆踊り唄に耳を傾けてみるの楽しいかもしれませんね。わが町でも【佃島盆踊りが】
(昨年の模様はこちらです)7/13(金)~15(日)の三夜行われます。