"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

春花いっせいに開く春分

2014年03月22日 19時13分00秒 | まち歩き

 旧二月二十二日。昨日は彼岸の中日いよいよ春本番。二十四節気の【春分】に入りました。

日天の中を行きて昼夜等分の時なり
          『暦便覧』(天明八年/1788年発行)

 木曜日に雨を降らせた低気圧が北海道の東沖合で、台風並に発達し、日本海側や北日本では真冬のような大雪と寒さに見舞われました。彼岸の東京では、火曜日の「春一番」とは一転、北からの冷たいからっ風が吹き荒れました。それでも、空は青く、日差したっぷりで一気に春が進んだのではないでしょうか。

 春分の日と今日、芽吹く春を眺めつつ近所をウロウロしてみました。それにしても青空が綺麗です。風が弱ければ、きっともっと霞んでしまうのでしょう。春の花や新緑は、澄み切った青空に良く映えます。
14_03_22harunohana_2  モクレンの"白"が眩しいです。この花は毎年、桜よりも正確に花を開いているように思います。お彼岸後半の風物詩です(写真左上:月島の「わたし公園」にて)芽吹いたばかりの柳の枝は、芸術的な美しさです。強風にあおられて大暴れしてる様は、圧巻でした(写真右上:木場公園にて)。早咲きの桜は、実に色々な種類があります。これは、淡いピンク色の花で、雄しべが多くて長いのが特徴でした。実はこれ、"さくらんぼ"の木なです。5月中旬頃になるとたくさん実って、実際に美味しく食べることが出来ます(写真右下:佃の某所にて)。菜の花種類は多いようで、少しずつ花期が違います。写真のこの花は、葉が少なく、花を引き立てています(写真左下:木場公園にて)
 日々刻々と表情を変える春。これからが本番です。ぜひ満喫しましょう。


【啓蟄】入っても余寒厳しく

2014年03月08日 10時15分22秒 | まち歩き

 旧二月八日。今月も、1月と同じように、旧暦と新暦の日付がシンクロしています。ということで、今日の月は上弦です。太陽と直角に位置していると思えばいいわけですから、日没の頃、頭上真上を観てみましょう。

 二十四節気では、一昨日の3月6日に【啓蟄(けいち
つ)】に入りました

陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出ずればなり。
            『暦便覧』(天明八年/1788年出版)

  二十四節気では、陽気や植物の状態に関する名称がほとんどなのですが、唯一【啓蟄だけは、生物の状態を表しています。春を待ち望んでいる人間の感情の強さをうまく表現しているのではないでしょうか。

 【立秋過ぎて暑い陽気のことを「残暑」と言いますが、その反対に、【立春】後の寒陽気のこと「余寒」というのだそうです。14_03_06crocus"暑さは残り、寒さは余る"。このニュアンス、昔の人は巧いことを言うもんだなぁ、と感心してしまいます。今年は、「余寒お見舞い」なんていう言葉がやりとりされてもいいのでは、と思うほど寒い日が続いています。

 それでも、日差
がある日中は、暖かさを感じられるようになって来ました。地中から眠りを覚ますのは、虫だけではないようです。昨年もこの写真はアップしましたが、隅田川沿い石川島の土手には、クロッカスの球根が植えられていて、山吹色の花が一斉に開いています。このあとは、桃色、紫、青など、カラフルな花が次々に咲くので楽しみです。陽の当たる角度が大きくなってゆくのを実感します。

14_03_06ooshimasakura  梅の花のタイミングには、早咲きの桜、大島桜や河津桜が咲き始めます。
鮮やかなやや濃いめの花色から、とても華やいだ雰囲気を醸し出します。写真は、江東区の木場公園東側の大横川沿いに植えられた早咲きの桜。樹齢は若いようですが、見事な花付きです。余寒厳しい折ですが、良く晴れた日は、早春の花々と青空とのコントラストが絶妙です。一足早い花見で一献でも。花粉対策を怠りなきように。