"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

陽暖かくも風冷たい旧七草

2013年02月17日 18時17分35秒 | 季節のおはなし

 旧正月八日。明日は二十四節気の【雨水(うすい)】です。

  陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となればなり。              『暦便覧』(天明八年/1788年発行)

 雪が雨に変わって降る、ということでもありますが、明0217koubaiの東京は雪ではなく雨の予報です。この雨水のぬるみが草木の芽生えを促すのでしょう。日当りの良い場所では、梅の花がかなりほころんで参りました。モクレンの蕾もいつのまにか大きくふっくらとしてきています。厳しく寒い日もありますが、確実に春が膨らんできていることを実感させられるこの頃です。(隅田川・越中島の日当りが良い土手では、紅梅が良い香りを放っています)

 そして昨日旧一月七日は五節句最初の【人日】でした。五節句は旧暦における重要な年中行事の日。上巳(三月三日)、端午(五月五日)、七夕(七月七日)、重陽(九月九日)と続きます。“暮らしのリズム”では「節句は旧暦で」と提唱して来ました。やはり、今のカレンダーよりも旧暦の方が微妙な季節感を感じることができるものです。
 【人日】の根源は中国
前漢の頃の占書から続く風習で、正月一日から六日はそれぞれ十二支の鳥獣を占い、七日に「人を占う」ことから始まっています。 日本では、平安の頃に始まり、江戸時代以降に定着したと言われる【七草】の節句として一般的になっています。 春の七草は『(なずな=ぺんぺん草)・御形(ごぎょう=母子草)・蘩蔞(はこべら=はこべ)・仏の座(=たびらこ)・(すずな=蕪)・蘿蔔(すずしろ=大根)』です。0217yasou地方によって様々ですが、六日の夜から七日の朝にかけて、囃子唄を唄いながら七草を包丁で叩いて、七草粥にして食べるという風習でした。病害や害鳥を追い払い、豊穣と無病息災を祈願したのだと言われています。
 昨日、東京ではとても冷たい北風が強く気温も上がりませんでした。風に向かって歩けないほどでしたが、ふと風が止むと陽射しに暖かさを感じたものです。隅田川の土手にもよーく見ると、緑が豊富になってきています。野草がたくさん芽吹き、よもぎの芽も見つけることが出来ます。旧暦の松が明けました。

 


やっと【立春】寒さはまだまだ

2013年02月04日 15時04分07秒 | 季節のおはなし

“暮らしのリズム”主催食のイベント『手前味噌仕込みの会』3/20(春分の日・水曜日)に開催します。ご参加希望者募集中です。定員間近になって参りました。詳しくはこちらをご覧ください。

 旧十二月
二十四日。旧暦の年の瀬が迫って参りました。そして今日は、二十四節気の【立春】です。前日、つまり節分の夜を年越しとする風習もあったようで【正月節】とも呼ばれていた、一年の基準となる日です。

  春の気立つをもってなり
            『暦便覧』(天明八年/1788年発行)

 時々暖かくなる日もあり、東京では、冬晴れの日が続かなくなって、曇ったり、雨や雪が降ったりするようになります。0204mansakuそれでもまだまだ寒い日もあって、なかなか春を実感するのが難しいのですが、この細かい天気の変化も少しずつ季節が進んでいることの証なのです。冬至からひと月半が過ぎ、日中の陽射しも明らかに強さを感じるようになってきました。

 気象庁のホームページ
「tenki速報いうコーナーがあります。各都道府県で観測された花の開花や鳥の初鳴き、気象情報などをアップしているものです。眺めていると季節の移ろいがなんとなく見えてくるので、なかなか興味深いです。 それによると、昨日2月3日の朝8時48分に梅(ハクバイ)の開花を観測したそうです。これは平年より8日遅く、去年より7日早いのだそうです。
 の開花情報を辿ってみると、
  2/4
(月)に、千葉の銚子と、香川の高松
  2/3(日)に、東京
  2/2
(土)に、福岡と、山口の下関
  2/1(金)に、鹿児島と
佐賀
  1/31(
木)に、高知と大分
  1/29()に、静岡
  1/25(金)に、宮崎

  1/24(木)に長崎
ということになっています。どことなく南から北へ、日照時間が長い土地順にという傾向が見られるのではないでしょうか。

 写真は、月島の隅田川
左岸、ひと月前にまだ固い蕾だったマンサクの花です。午後の陽射しがマンションを飛び越えた頃から急に開花が進み、いつの間にか満開となっていました。春らしい芳香も漂ってきます。先ず咲くマンサクに続くのは何の花でしょうか。