"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

『居酒屋寄席~梅雨明けの会』7/9開催します

2011年05月22日 16時24分21秒 | 主催する催し

 旧四月二十日。昨日は二十四節気の【小満】でした。

    万物盈満すれば 草木枝葉繁る。
             
『暦便覧』(天明八年 /1788年出版)

 一年の中で、晩秋の頃と共に最も清々しい季節ではないでしょうか。かつてはこの時期、冷房も暖房も必要としない過ごしやすい陽気を楽しめました。電車の窓を開けたり、上着一枚で上手に調整したり、扇子を持ち歩き始めるのもこの頃だったと思います。今年は震災の影響で節電ムードが高まっていて、このちょっと懐かしくなった風情が街に蘇っているように感じています。“日本を思い出そう”。自然と巧く付き合いながら暮らす先人の知恵を見直しましょう。

 次回の『居酒屋寄席』が決まりましたのでお知らせします。出演は立川志の春さん。7月9日土曜日です。ちょっと時期は早いように思いますが、盛夏の青空に願いを込めて『梅雨明けの会』としました。四万六千日のご縁日が浅草寺で行われ、9日と10日は境内でほおずき市が開かれます。夏野菜や海の幸がおいしくなる頃、落語を聞き、銘酒と季節の味覚をお楽しみください。お運びを心よりお待ちしております。

 今回出演する立川志の春さんは立川志の輔師匠の三番目のお弟子さん。この春晴れて二つ目昇進を果たしたばかりです。

068flyer“暮らしのリズム”presents
『居酒屋寄席~梅雨明けの会

出演:立川志の春
日時:平成23年7月9日土曜日
   18:30開場 19:00開演
場所:渋谷・居酒屋ニュー信州
   
渋谷区渋谷3-20-16(03-3797-6966)
料金:3500円
   
(先ずの一杯と季節の味覚のお楽しみつき)
   30席限定要予約

0522shinoharu 立川志の春

昭和51年大阪府豊中市生まれ。平成14年立川志の輔に入門。平成23年1月に晴れて二つ目昇進を果たす。IVYリーグの名門~大手商社勤務という経歴を持ちながら、通りがかりにふと立ち寄って聞いた立川志の輔の落語に魅せられ入門を決意。醸し出す落ち着いた雰囲気からは大器を予感させる。二つ目昇進と共に、各方面からの出演オファーが殺到するほど、期待と注目を集める存在。今年5月に西巣鴨のstudio Fourで月例独演会をスタートさせた。
『立川志の春のブログ』


『居酒屋寄席~目には青葉の会』ご来場感謝

2011年05月15日 22時23分43秒 | 主催する催し

 旧四月十三日。月がずいぶんと丸くなってまいりました。

 昨夜、5/14(土)に開催した『居酒屋寄席~目には青葉の会』。ご来場頂いた皆様には厚く御礼申し上げます。
 
0515kingyo『目には青葉 山ほととぎす 初鰹』山口素堂の名句そのものといったような初夏の陽気に恵まれたこの日。無事開催することが出来て、感慨もひとしおでした。出演は立川吉幸さんと泉水亭錦魚さんのお二人です。

 まず高座に上がった錦魚さんは、『居酒屋寄席』初登場ですが、驚いたことに渋谷で落語をやるのは初めてであるということでした。とのためかちょっと緊張気味と自ら明かしていましたが、落ち着いた語り口で「猫の皿」と「唖の釣り」の二席を続けて聞かせてくれました。

 
0514kikkou『居酒屋寄席』への出演が三年半ぶりとなった吉幸さんは、軽妙に小噺を三つ四つやったあと、噺は大ネタの「らくだ」へ。 全編1時間近くなるところ、リズム感が最高潮に達する場面、酒に酔った屑屋と半次の形勢が完全に逆転するところでスパッと下げを持ってきました。呑むシーンが迫力満点で、おあずけを喰らっているこちら側は思わず生唾ごくりとなったわけです。あらためて写真にして見ると、吉幸さんはとても貫禄と風格が備わってきたように思います。この夜のお着物は、亡き文都師匠の形見なのだそうです。なんだかとても嬉しかったです。

0514talk  吉幸さんはそのまま高座に残り、錦魚さんを呼び込んでお二人のトークです。このコーナーもいつしか『居酒屋寄席』の定番となりつつあるのでしょうか。それぞれが落語家になろうと思い歩んできた道のりや、立川流の上納金制度などについて、なかなか興味深いお話を短い時間でしたが聞かせてくれました。

0514kanpai  落語のあとは恒例の酒宴。お二人の発声で乾杯する振舞酒は、被災地のひとつ青森県八戸の「陸奥八仙純米吟醸」。トロリと濃厚で旨口なお酒が五臓六腑に染み渡って行きます。さらに、恒例季節の味覚のお楽しみは新潟から届いた山菜、サッと茹でたこごみにマヨネーズをつけて。

 吉幸さん、
0514mix錦魚さんもお客様のテーブルをこまめに回って、落語談義に花を咲かせていました。夜も更けてあっと言う間にお開きの時間。中締めはお二人の音頭による三本締め。お疲れ様でした。

 この会をやっていていつも思うこと、それは「お客様には本当に恵まれているなぁ」ということです。この夜はなぜかいつも以上に実感しました。嬉しさ余って打ち上げではちょっと飲み過ぎ。
(写真はすべて水野稔さんです。ありがとうございました)


都会も眩しい新緑に包まれ

2011年05月08日 10時13分03秒 | まち歩き

 旧四月六日。まだ続いていたのか、という気がしますが、今日でゴールデンウィークもおしまい。東京は初夏らしい晴天が広がりました。一昨日5月6日には二十四節気の【立夏】を迎え、いよいよ夏です。

   夏の立つがゆえなり。
           
『暦便覧』(天明八年 /1788年出版)

 ずばりそのまんま。「今日から夏」ということであります。やはりこの季節になると山口素堂(1642~1716)の名句『目には青葉 山時鳥 初鰹」の情緒が脳裏に広がります。都会に暮らしていると、どうでしょうか。わたしの場合、燕の到来に気付き、ぷっくりと大きい浅蜊に季節を感じるものです。

 好天に恵まれた5月4日。ふと思い立って駒込の『六義園』に行ってみました。浜離宮や新宿御苑はアクセスがしやすいのでよく行きますが、ここは初めてです。あまり乗り馴れていない東京メトロ南北線だと意外なほど近くてびっくりしました。さすがにGWということもあって、たくさんの人が入口を目指して歩いています。入園料の小銭を、と思ったところ、今日は入園無料。そうか「みどりの日」でした。
 想像していたより樹齢を重ねた大樹が多く鬱蒼としています。
歩き進めるにつれ少しヒンヤリとした空気が都会にいることを忘れささせるほど清々しいです。0508rikugienすでに十分強くなっている陽射しを芽吹いたばかりの新緑が適度に遮ってくれるのが有り難く、透けるような淡い葉は、秋の紅葉と好対照で見事でした。園内には自然に溶け込んだように様々な種類のつつじが植えられていています。つつじは種類によって花期に微妙なズレがあるので咲き揃う、というわけにはいきませんが、それでもいいタイミングだったのか色彩がとても豊かでした。期待通りの素晴らしい庭園です。
 『六義園』のあとは歩いて『旧古河庭園』へ。入園無料をいいことにこちらはぐるりと一周。そして落語「花見の仇討ち」の情景を浮かべながら『飛鳥山公園』を経由して王子まで歩きました。休日にフラリと出掛ける散歩コースのレパートリーにとりいれたいと思います。王子には素敵な酒場もありますし。〆には事欠きません。