"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

日の短さの至りなればなり

2011年12月22日 16時48分14秒 | 季節のおはなし

 旧十一月二十八日。二十四節気の【冬至(とうじ)】です。

 日南の限りを行きて、日の短さの至りなればなり
         『暦便覧』(天明八年/1788年発行)

 今日はかぼちゃを食べて、柚子湯に浸かりましょう。冬至と言えばこれ、という風習です。一年で最も昼間の時間が短くなるのが冬至ですが、実は日の入りの時刻は一週間ほど前から遅くなり始めているのをご存知でしょうか。東京で最も日の入りが早くなるのが11月30日から12月12日までで16時28分です。それが今日は16時32分ということになっています。一方の日の出時刻。最も遅いのは意外にも1月3日から12日までの6時51分なのです。ということで、朝方ではない人にはあまり関係ないかも知れませんが、これからは暗くなるのがどんどん遅くなり、日の長さを少しずつ実感することができるようになることでしょう。
 南北二つの低気圧が西から東へと移動していますが、東京はそのちょうど間にあって、久しぶりのお湿りはありませんでした。
1222akatsukikouenこの低気圧がオホーツク海に抜けた後、クリスマスにはいよいよ真冬並の寒気に包まれそうで、木枯らしが踏ん張っている木の葉をいよいよ散らしてしまうことになるでしょう。真っ赤に色づいて朝の低い陽光にキラキラ光っているセコイアもこの寒波で裸になってしまうでしょうか。(中央区あかつき公園のセコイア。朝9時前くらいです。セコイアは新緑もいいけれど、散り際の色づきも見事です)


『居酒屋寄席~師走の会』満員御礼!

2011年12月12日 17時05分15秒 | 主催する催し

 旧十一月十八日。満月から二日過ぎました。夜明けが遅い冬のこの時期、晴れた早朝西の空に輝く月は大きく明るく、とても美しいです。
 今月の満月。土曜日夜の皆既月食は皆さんご覧になりましたでしょうか。雲一つない好条件に恵まれた東京では、街行く人が皆夜空を仰ぎ、神秘的な天体ショウに見入っていました。当たり前のことですが、夜空には毎晩あんなに大きな地球の影があるのですね。

 その月食を前に、恒例の落語会『居酒屋寄席~師走の会』を渋谷の居酒屋ニュー信州で開催しました。今回もたくさんのお客様にお運び頂き、お陰様で満席となりました。皆様、師走のお忙しい中、本当にありがとうございました。
1212kichiharu  今回のご出演は立川志の輔一門、一番弟子の立川志の吉さん(上)と、三番目の弟子、立川志の春さん(下)のお二人でした。
 去る11月21日に落語立川流の家元、立川談志師匠が亡くなりました。想像していた以上に大きなニュースとしてマスコミに取り上げられ、二週間が経過してもなおテレビやラジオ各局では追悼番組として、談志師匠の高座やドキュメンタリー、トークなどを編成し、立川流への注目度も上がっているように感じています。そんな空気の中、立川流の落語会では、お客様の談志師匠に対する追悼の想いと喪失感、登場する弟子、孫弟子からはどんなエピソードが聞けるのかという期待感が、なんとなく支配しているのでは、と思いました。

 そんないつも『居酒屋寄席』とはちょっと違う空気感に包まれた今回、まずは志の春さんが登場。噺は「短命」。才色兼備な伊勢屋の娘に婿入りする男が三人立て続けに死んでしまう。1212taidan そのわけを説く隠居と八五郎のやりとりが可笑しく、艶っぽさもある古典落語。堂々とてどこか飄々とした落ち着きのある志の春さんは、大師匠・談志の師匠、五代目柳家小さんを彷彿とさせるものがある、とはあるお客様のご感想。
 志の吉さん、噺は古典落語の「茶の湯」です。茶道をまったく知らないご隠居と小僧のが、でたらめな作法で茶の湯を行い、周囲を巻き込んでいくドタバタの滑稽噺。青きな粉とムクの皮で立てた液体石鹸のようなお茶を口に含んで、なんとも苦しそうに飲み込む仕草が可笑しいのです。
 続いてはお二人によるトーク。志の吉さんは家元とのエピソードをいくつかご紹介し、立川流新年会くらいでしか家元と会う機会が無かったという志の春さんは、その新年会の裏話を聞かせてくれました。

 落語のあとは、高座を片付けテーブルの用意をして、宴であります。
1212shuen居酒屋ニュー信州のご厚意によるお振舞いのお酒は、山口県岩国の銘酒「獺祭」の純米大吟醸スパークリングです。お二人のご発声で乾杯し、宴はスタート。季節の味覚のお楽しみは、新潟県小出にある晴屋商店自家製の野沢菜漬けと、晩秋の味覚、食用菊の酢の物です。一段と寒さが厳しくなって来たこの頃、季節の味と銘酒に酔いしれ、月食の夜は更けて行きました。

(photos by Minoru Mizuno ありがとうございます)


彩り豊かな冬の紅葉

2011年12月07日 21時19分40秒 | まち歩き

  旧十一月十三日。二十四節気の【大雪(たいせつ)】です。

 雪いよいよ降り重ねる折なればなり
         『暦便覧』(天明八年/1788年発行)

 秋の頃から続いているなんとなく暖かい傾向が12月に入ってもまだ残っています。いつもの年なら東京では木枯らしが吹き続くこの頃、今年はどうも冬型の気圧配置が長続きしないようです。1205kouyou 「木枯らし」と言うからには木の葉をすっかり落としてしまわなければいけないのでしょうけれども、都心ではまだまだ紅葉が美しくとても彩り豊か。身近なところでも冬晴れの鮮やかな青空とのコントラストが見事ですね。
 写真はこのあいだの日曜日、12月4日に月島~佃あたりで撮った風景です。(左上から時計回りに)銀杏の並木にはまだ緑色の葉もあるほど。陽当たりや風の受ける加減で色づきに差がでるのでしょう。緑から黄色へのグラデーションがいい感じです/ついこの間まで子供たちが水遊びをしていたような気がする公園の池もカラフルに彩られています/春先の黄色い花が印象的なミモザですが、新緑はこの時期なのでしょうか。淡くいきいきとした緑が青空によく映えます/桜の赤と欅の黄。桜は八重桜の葉が大きく赤く色づきが良いようです。
 ひと雨ごとに冬らしい陽気になってゆくようです。木枯らしもこの週末あたりから強く吹くようになるでしょう。一気に空を舞う紅葉を楽しめるかも知れません。