"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

“居酒屋寄席~五月雨 五月晴れの会”満員御礼!!

2006年06月19日 11時38分28秒 | 主催する催し

 旧五月二十四日。サッカーを観ているとすぐに東の空が白々としてしまいます。一年で一番昼間の時間が長い二十四節気の【夏至(げし)】はもう明後日6/21です。関東地方では梅雨はまだまだこれからが本番ですが、奄美・沖縄地方ではこの頃吹く“夏至南風(カーチベー)”によって梅雨前線が押し上げられ梅雨明けとなります。

619bunto_1 先週の土曜日(6/17)に開催した『居酒屋寄席~五月雨 五月晴れの会』。たくさんのお客様にお越し頂きまして有り難うございました。「五月雨 五月晴れ」というどっちつかずなタイトルを決めてしまったばかりに、ご丁寧にもその両方のお天気になってしまいました。お帰りの際大丈夫だったでしょうか。

 今回のお噺は、
619dansyu3お馴染み立川文都師匠が『親子酒』、一年ぶりの居酒屋寄席となりました立川談修さんが『鰻の幇間(うなぎのたいこ)』でした。お二人の食べたり?んだりという迫真の所作に誘発されて、喉が渇きお腹も空いてきた頃に第二部の“酒宴”が幕開けです。
(左:「流石」の呼び声、お馴染み文都師匠、右:久し振りの出演で成長ぶりを発揮する談修さん)

 会を重ねる毎に豪華になってゆくニュー信州ご厚意のお振る舞いは、酒米“五百万石”です。吟醸酒仕込み用の50%に精米された五百万石の「白粥」と蒸して潰して揚げた「ひねり餅」、そして乾杯には五百万石で仕込んだ新潟の銘酒「〆張鶴純米吟醸“純”」でした。店主の慎ちゃんいつもありがとうございます。他にもお客様が当日釣ってこられた新鮮な鯖を叩いた自家製さつま揚げなどなど、季節を感じる多彩な味覚に彩られました。
 次回は夏を過ぎて涼しくなってきた頃に開催しようかなぁ、と思っています。それまでは文都師匠、談修さん出演の落語会をチェックしていただいて、お気軽に笑いに行きましょう。

立川文都師匠
7/11(火)日暮里特選落語会
日暮里サニーホールコンサートサロン
独演会『文都会』は9/8(金)です。
立川談修さん
独演会『ダンス・ダンス・ダンシュー#11』が6/24(土)18:30開演
場所:上野広小路亭 木戸:2000円
 


狂言と法要儀式で“念仏”を噛みしめる

2006年06月17日 11時47分26秒 | 芸能の催しごと

 旧五月二十二日。今日は『居酒屋寄席~五月雨 五月晴れの会』です。雲も薄めで時折日差しもこぼれるまずまずの空模様。五月晴れとまではいきませんが、梅雨の小休止です。たくさんのお客様にご予約を頂いて感謝しております。後日この場でイベントのご報告を致します。お楽しみに。

 「南無阿弥陀仏」。それほど信仰の厚くない人でも
617nenbutu、日本人であればふと口にしたことがあると思います。この『念仏』と「南無妙法連華経」の『題目』は、「唱え続けることで救われる」という仏教の教えです。こうした私たちの生活や意識に自然と受け継がれている『念仏と題目』を、ちょっと違う角度からフォーカスしてみよう、というテーマの公演が国立劇場であり、『念仏 -南無阿弥陀仏-』を観てきました。きっかけとなったのは、桜の季節に訪れた鎌倉・材木座の光明寺。ここで毎年秋に繰り広げられる【十夜法要】が舞台で繰り広げられることに惹かれたのです。

 第一部は茂山狂言による【悪太郎】。酒飲みで悪事をはたらく悪太郎は酔って寝ている間に伯父によって「南無阿弥陀仏」という名の僧の姿に変えられてしまう。目を覚まし自分の姿に驚いていると出家僧が通りかかり・・・。という滑稽なはなし。
617koumyouji改心し出家僧と修行に向かい歩き出す悪太郎。能舞台は回り舞台となり、第二部の【双盤念仏】へとクロスフェードさせる演出がお見事です。ここからは【光明寺の十夜法要】です。十二人の式衆によるモノフォニーは荘厳で末梢神経の隅々まで染み渡ってゆくようです。独特の旋律、節回しなどは各地に伝承される郷土芸能の源流を担っているのでしょう。念仏踊りとして知られる佃島の盆踊りにも何か共通点を感じさせられました(桜の頃の鎌倉・材木座の光明寺↑)


入梅の頃あけぼのは早し

2006年06月11日 22時08分02秒 | 季節のおはなし

 旧五月十六日、今日は立春から数えて128日目“入梅”です。暦上の入梅の日と、実際に気象庁が発表する“梅雨入り宣言”とはその年のよって結構ずれるものですが、関東地方では二日前の金曜日6/9に梅雨入りしました。いよいよ本格的な雨の季節到来です。

 都会の路地などに咲く紫陽花の花も、いつのまにかずいぶんと咲きそろいました。611ajisai2この花は明るい日差しの基よりも、雨に濡れ色濃く輝く方いているときの方が美しいですね。あまりにも身近な花ですが、ディテイルをじっくり見つめると見事な意匠を感じてしまいます。この梅雨にはどこか紫陽花の名所を訪ねてみたい、と思っています。
(→6月下旬、紫陽花で有名な山のお寺で撮りました)

 さて、ここ日本に限っては梅雨時のお楽しみ、しかも4年に一度の、と言えばFIFAワールドカップです。開催国ドイツとの時差を考えると、試合の中継放送は深夜から早朝に掛けてまでです。“暮らしのリズム”もどこへやら、夜更かしと寝不足の日々がほぼひと月は続きそうです。この季節は夜の時間がとても短いです。熱戦に夢中になっていると、外が白々と明けていることでしょう。そんな朝が爽やかに晴れていたら、ちょっと散歩に出かけていつもとは違う風景のわが町を楽しむのも良いかもしれませんね。


梅雨入り間近“芒種”の頃

2006年06月06日 11時32分11秒 | 季節のおはなし

 旧五月十一日。しばらくblogの更新を怠っていたら季節が一つ進んでしまいました。今日は二十四節気の【芒種(ぼうしゅ)】です。

芒ある穀物、稼種するときなればなり
         『暦便覧』(天明八年=1788年)より

 梅雨入り前のこの頃は晴れの日、雨の日、曇りの日、と天気の周期がめまぐるしく、寒気や、暖かく湿った空気や、意外と強い日差しの影響で日々の気温差もあり、はっきりしないものです。そのためか結構風邪が流行っているそうで、私も珍しくこの時期に風邪をひいて、しかもこじらせてしまいました。治ったかなぁ、と思って気を抜いて出かけるとまたぶり返す始末。完治するまで油断大敵です。

66ajisai_1 そんな中コホコホ、グズグズ言いながら友人と鎌倉を散策して来ました。鎌倉を訪れるのは桜の季節(詳しくはこちら)以来です。さまざまな花に彩られる季節を少し過ぎて、緑がぐっと色濃くなり、紫陽花や菖蒲といった梅雨の頃の雰囲気も少し味わうことが出来ます。写真は、北鎌倉の東慶寺で、66satsuki淡い水色が若々しい咲いたばかりの紫陽花と、緑に映える濃紫色が凛とした菖蒲(上)と、材木座の光明寺本堂横にある三尊五祖来迎の庭”で咲いたさつきの花(下)。自然のリズムで日々刻々と風景が変化してゆく鎌倉の魅力をあらためて感じることが出来ました。今度は体調を整えて、と。