"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

秋深まり月ますます明るく明日は十三夜

2012年10月26日 16時00分50秒 | まち歩き

 旧九月十二日。三日前の火曜日に二十四節気の【霜降(そうこう)】を迎え、図ったように日本列島はぐぐっと冷え込んできました。その名の通り、各地から初霜・初氷・初雪の知らせが届いてきます。

  つゆが陰気に結ばれて、露となりて降るゆえなり
         『暦便覧』(天明八年/1788年発行)

 と聞くと、などことなく色彩感の乏しい冬に導かれているように感じてしまいますが、色鮮やかな紅葉はこれからが本格的なシーズンとなります。今年は暖かい秋の前半から一気に気温が下がって行く傾向があるので、紅葉が特に美しくなるそうです。都市近郊の里山や公園、街中の街路樹の色づきもそろそろ気になります。

B1026chushu  今年の中秋の名月、旧暦の八月十五日は9月30日の日曜日でした。東京では台風17号の接近で、折しも月の出くらいの時刻から天気が荒れ始め、夜半過ぎまで激しい雨風でお月見はできなかったのが残念でした。
(右の写真は台風が去って10月1日の朝4時半。勝どき橋から築地市場、東京タワーのを照らす中秋の名月。空気も澄んで凛とした輝きでした)

 秋の名月と言えば、もうひとつ【のちの月】、旧暦九月十三日の十三夜があります。今年は明日10月27日の土曜日です。満月には少し達しないその姿故か、中秋の名月を芋名月と呼ぶのに対し、十三夜の月は栗名月とか豆名月と呼ばれることもあります。東京の月出は15時15分。つるべ落としの秋の陽が早くも傾き淡い橙色に染まり始める頃です。
 明日の宵は、早い夕方からお供え・お酒と肴を用意して、たっぷりお月見と参りましょう。


青空、そぞろ寒さ、香る金木犀

2012年10月19日 15時31分07秒 | まち歩き

 旧九月五日。二十四節気では【寒露】(10月8日)の半ばを過ぎ秋が一気に深まって参りました。
 今朝は日本列島の南岸を足早に通り過ぎた台風21号の影響で、
ぐっと冷え込みが厳しくなり、東京の最低気温は12.5℃。まさに寒露のといった陽気です。
そして午前中から台風一過のこれぞ秋晴れ、という青空が広がりました。
B1015kinmokusei  例年では10月上旬くらいに花が開き、秋の芳香を放つ金木犀。今年は嗅ぎ損なったかな、と思っていたら、いつもより一週間くらい遅れた10月12日に初めてその香りをつかまえることができました。この一週間は晴れと雨がいいバランスだったようで、花は長持ちしています。この青空と柔らかい陽射しのもと、秋深まりのサインを香りで送っています。

 松茸、栗、里芋、新米、りんご、みかん・・・・。秋を感じさせる野菜や果物が盛んに出回り、秋刀魚もだいぶ安くなってきました。ひと夏を越した酒「ひやおろし」または「秋上がり」美味しいこの頃。暑気が収束して行くのを寂しく思っていましたが、秋は秋でとても美味しいものです。ぜひ謳歌しましょう。