旧九月十二日。三日前の火曜日に二十四節気の【霜降(そうこう)】を迎え、図ったように日本列島はぐぐっと冷え込んできました。その名の通り、各地から初霜・初氷・初雪の知らせが届いてきます。
つゆが陰気に結ばれて、露となりて降るゆえなり
『暦便覧』(天明八年/1788年発行)
と聞くと、などことなく色彩感の乏しい冬に導かれているように感じてしまいますが、色鮮やかな紅葉はこれからが本格的なシーズンとなります。今年は暖かい秋の前半から一気に気温が下がって行く傾向があるので、紅葉が特に美しくなるそうです。都市近郊の里山や公園、街中の街路樹の色づきもそろそろ気になります。
今年の中秋の名月、旧暦の八月十五日は9月30日の日曜日でした。東京では台風17号の接近で、折しも月の出くらいの時刻から天気が荒れ始め、夜半過ぎまで激しい雨風でお月見はできなかったのが残念でした。(右の写真は台風が去って10月1日の朝4時半。勝どき橋から築地市場、東京タワーのを照らす中秋の名月。空気も澄んで凛とした輝きでした)
秋の名月と言えば、もうひとつ【のちの月】、旧暦九月十三日の十三夜があります。今年は明日10月27日の土曜日です。満月には少し達しないその姿故か、中秋の名月を芋名月と呼ぶのに対し、十三夜の月は栗名月とか豆名月と呼ばれることもあります。東京の月出は15時15分。つるべ落としの秋の陽が早くも傾き淡い橙色に染まり始める頃です。
明日の宵は、早い夕方からお供え・お酒と肴を用意して、たっぷりお月見と参りましょう。