"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

花盛りに水郷の古い村“朱家角”へ

2009年03月29日 12時57分25秒 | まち歩き

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 旧三月三日。日本では五節句の一つ上巳。ひな祭りです。ほとんどが今の暦で3月3日に行われる行事ですが、まだまだ旧暦でひな祭りの行事を行う地域もあるようです。中国ではあまり習慣がないようです。0329zhujiajiao2 ただ、今年はたまたま週末で、桃の花が見頃を迎えていることもあって、各地でいろいろ春らしいイベントが行われているようです。中国では次の二十四節気【清明(せいめい)】(清明節:チーンミンジエ)。ご先祖のお墓参りに向けて着々と準備をしています。清明は今度の土曜日4月4日です。
 日本でも桜の開花とともに暖かい日が少なく、花冷えの日々が続いているそうですね。桜の花が長続きするのは嬉しいですが、花見で風邪をひいてしまうこともあることでしょう。くれぐれもお気をつけ下さい。上海も気温の低い日が続いています。
0329zhujiajiao1  昨日、3月28日の土曜日に、市内からバスで1時間ほど行ったところにある、水郷の古い村(古鎮)、朱家角(zhujiajiao)に行ってきました。肌寒く、今にも雨が落ちてきそうな空ですが、古鎮はそんな日の方が似合っているように思えたので、軽い気持ちでバスに乗りました。
 もう少し先にある周庄(zhouzhuang)には7年前に一度だけ行ったことがあるのですが、ここ朱家角も似た雰囲気で、もっと庶民の暮らしぶりが至近距離にあるような感じでした。鎮ができたのは明の万暦時代というから400年ほど前。日本でいえば江戸時代開府前後の頃です。0329zhujiajiao3 石畳や運河の石垣が重厚でいいですね。昨年行った佐原の一こまをふと思い出させました。
 一人でフラリと出掛けたので、飲食店に入ることもなく、路地をふらふら歩いて、名物の粽を頬張り、2時間ほどの見て回ってふたたびバスで街に戻りました。観光客が多く、それ向けの店屋飲食店が軒を連ねていますが、素朴な雰囲気は十分に味わえます。行って帰って来て5時間あれば結構楽しめると思います。週末は混雑を避けて朝早いスタート、あるは夕景の美しさを狙ってお昼過ぎにスタートするのもいいかもしれません。一泊して朝の散歩をするのも生活感を肌で感じられて楽しいでしょう。
 私は、人民広場の近く「普安路金陵東路」のバス発着所から20分ごとに出発する「?朱高速快?」という路線に乗りました。クッションのある椅子で片道12元です。固い椅子の普通の路線バス(老成都北路発)だと片道6元であります。お尻に自信のある方はいかがでしょうか。
0329nanohana  高速道路の車窓からは一面の菜の花が満開で見事でした。食料油の消費量がとても多い国なので、これも菜種油を採るためなのでしょうか。
(走るバスの窓越しに撮ったので、ぼやけていますが、こんな風景が延々と続きます。晴れた日はもっと眩しく感じるでしょう)


春眠暁を覚えずです

2009年03月22日 00時26分41秒 | 季節のおはなし

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 旧二月二十五日。昨日は二十四節気の【春分】でした。「暑さ寒さも彼岸まで」と申しますが、いかがでしょうか。確かに暖かい日が続くようになってきました。「春眠暁を覚えず」とは本当に良く言ったもので、とにかくよく眠れます。
0321gatinha  写真の猫は、大通りに面した小さな雑貨屋の店先。中国でよく走っている電動バイク(音も無く迫ってくるのでおっかないです)の充電中。その充電器を枕に熟睡中の子猫です。暖かいのか心地良い振動が伝わってくるのか、接近して写真を撮ろうとしてもまったくの無警戒。ここ数日、朝の自分のようです。

 旧暦行事を重んじる中国ですが、春分は特にスルー、という感じです。ただ、二週間ほど前からお菓子屋さんや、点心のお店、スーパーなどでも「青団」と呼ばれる草団子がよく売られるようになりました。ヨモギの餅に餡をくるんだものなのでしょう。ちょっと緑が鮮やかすぎるのは気になりますが、甘さ控えめでなかなか美味しいです。だいたいひと月位は店先でよく売られるのだそうです。
 さて、麗らかなる春が上海にもやって来て、先週の日曜日は市の北部にある「共青森林公園」まで行ってみました。
0321senlingongyuan路線バスを乗り継いで地図の上では結構遠そうなのですが、高層アパートがどこまでも建っているので、郊外に来た、という気分になりません。公園の周囲も再開発の工事中でとても埃っぽく、良い空気を求めてやって来たのに、少々拍子抜けです。入場料15元を払って園内に入ると、緑豊かな別世界が広がります。比較的新しく整備されたとのことで、木々もさほど大きく成長しておらず、鬱蒼とした感じはありません。好天に恵まれて家族連れやカップル、友達同士などで賑わっています。桜の木なのでしょう。まだ若木ですが花つきが良く、奇麗に咲いています。園内では結婚を間近に控えたカップルが、晴れ着を着て写真やビデオを撮影しています。その数の多いこと。結婚シーズンなのか、それとも年がら年中結婚する人は多いということなのか。人目をまったく気にせず、大胆にポーズをとっている新婚さんは、ちょっと面白かったです。
 公園の入口で手作りの凧をたくさん売っています。写真を見ての通り、さすがですね。不細工なドラえもんの他にも問題ありなのがずらっと並んでいます。買う人いるのかなぁ。

 先週の水曜日(3月18日)の朝。いつもウォークングする公園で、海棠の蕾が膨らんでいるのを見つけました(写真左上です)。0321hana 昨年のblogを見てみると東京では4月4日にこんな状態でした。上海はかなり南ですが、気温はほとんど東京と同じ。ということはひと月半ほど早い春の花の様子です。他にもメインストリート、淮海路沿いの小さい広場では紫色のモクレンが(写真右上)。そして昨日(3月21日)には公園で花桃が一斉に咲いていました(写真下の2枚)。旧暦のひな祭りは一週間後の日曜日、3月29日です。日本の花桃がちょうどいいのではないでしょうか。


上海にもうららかなる春の到来

2009年03月14日 12時27分35秒 | 季節のおはなし

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 旧二月十八日。2月中旬くらいから三週間ずっと雨とどんよりした曇り空に包まれていた上海も、一週間ほど前から晴れ間が広がるようになってきました。 0314jusanya写真の月は3月9日。十三夜の月です。こんなにくっきりと月が見えたのは初めてです。もう一枚は3月11日。十五夜の月が姿を現したところです。このあと急激に天気は悪くなり雨が降り出しました。
0314mangetsu_2  上海は今、2010年9月から開催する万国博覧会に向けて、街の美化とインフラ整備を進めています。地下鉄や道路工事、再開発や、古い(汚い?)建物の外壁塗り直しなどです。私の住んでいるアパートも奇麗にしなければいけないのでしょう。足場が組まれ緑色の網が張られてしまいました。そのため日当りは悪く、窓の外で工事の人が大声で話し、パラボラアンテナで受信していた日本のテレビは写らなくなり、困ったものです。そんなわけで、晴れの日が続くと街がとても埃っぽくなります。あれほど雨が厭だったのですが、三日に一度くらいは、とご都合主義です。
 昨日は恵みの雨。それもかなり本降りでした。空気も浄化されたのか、今朝は上海でも珍しい青空が広がっています。0314kouen ウォーキングがてらいつもの公園に行ってみると、モクレンやみつまた、べにすももが花盛りです。柳の枝には新緑と同じ色をした綿毛のような花が咲いています。紫陽花の新芽も出始め、うららかな気分にさせてくれます。それにしてもみつまたの花期は長いですね。もうひと月以上咲き続けています。そして独特の芳香も。そいえば、沈丁花の香りに似ているような。上海の人はみつまたの香りで春を感じるのでしょうか。
(こんな青空の日もあるのですね。写真左上より時計回りに。「べにすもも」花はまばらで色も淡いです/「モクレン」の若木と柳の新緑/「みつまた」はよ~く見ると面白い花です/満開の「モクレン」が青空に映えます)


三寒四温で蕾も戸惑い

2009年03月07日 12時01分34秒 | まち歩き

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 旧二月十一日。二十四節気の【啓蟄(けいちつ)】が一昨日3月5日でした。土の中の虫が動き出し地上に出て来て動きだす、というのにはまだ少し早いのではないでしょうか。
 上海は氷が張ったり、霜が降りたりすることはあまりないそうですが、公園の土は湿ってとても冷たそうです。日本では「三寒四温」と、陽気の変動が大きくなる頃ですが、こちらはあまり変わらず、曇りや雨の日が続きまだまだ寒いです。それでも寒の頃に比べれば、ということで、まあこちらなりの三寒四温なのでしょうか。公園の花木も戸惑っているようです。昨日は久しぶりに晴れて、日が差すとさすがに緯度が低いだけに暖かさを感じるものです。夜にはおぼろですが、月を臨むことができました。いつ以来でしょう。旧一月の満月の頃だったでしょうか。ずいぶんしばらくぶりです。
 二週間前に公園のモクレンを写真でアップしました。今日歩いてみると、一本だけ蕾が開いて五分咲きくらいになっている木がありました。
0307kouen暖かい日差しの威力はたいしたものです。啓蟄の頃の風情としては、柳の葉の芽吹き、がありますが、これは暦どおり。淡い新緑の若芽が開いています。桜のような梅か桃のような木にちらほら花が開いています。看板には「紅叶季」とあります。学名で調べてみると、これは『ベニスモモ』。葉の新芽も紅いことから別名アカバザクラというのだそうです。日本では花期が4~5月ということですから、上海の方が少しだけ早いのですね。すっきり晴れることが少ないので、木々の花の彩りが目を休めてくれます。
 おまけの写真は、ほぼ二日に一度は足を運ぶ近所の公設市場です。0307ichiba なかなか写真を撮るのは気が引けてしまうのですが、今朝はこの野菜売りから青梗菜、香菜、黄ニラを買いました。少なめに、と言っても結構ありますが、これで 8.4元。100円ちょっとくらいです。夕方に行けばもっと安いのですけどね。香菜は日本で食べるものより香りがマイルドで、スープに麺類に、和え物にとたくさん食べられます。青梗菜も味がとても濃いですね。日本では安全性などから毛嫌いされる中国野菜ですが、避けて通るわけにも行かず、ガンガン食べています。野菜の味がしっかりあってとても美味しいですよ。
 市場は、中の島に野菜売りが10人くらい。周囲には豚肉、鶏肉(生きた鶏をその場で絞める店も)、牛肉、塩漬け・干し肉、卵、豆腐、麺、魚介、乾物の店がずらっと並んでいて、調味料以外はだいたいここで済んでしまいます。見ているだけで楽しいですね。水曜日には乾物屋で煮干しを買いました。手前味噌を持って来なかったのをひたすら後悔しています。市場についてはまたご紹介します。