"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

こんにゃく芋からこんにゃく作り

2010年12月31日 15時25分02秒 | ご挨拶とお知らせ

 旧十一月二十六日。ブログの更新ものんびりサボっていたら、アッという間に大晦日。平成二十二年最後の日となってしまいました。歳が幾つになってもやり残したことをたくさん抱えたまま大晦日を迎え、悠然と新年を迎えることができないのは、困ったものです。師走の行動を自己管理する能力に著しく欠乏している自分を嘆きながら、今年もカウントダウンを迎えようとしています。それにしてもこの年末寒波は厳しいですね。陽射しに恵まれていても冷たく乾いた風が肌を切るようで、外出も億劫になってしまいます。大変お気の毒なのは大雪に見舞われている地域の方です。心からお見舞い申し上げます。

 “暮らしのリズム”の恒例イベントとなっている『手前味噌仕込みの会』
(第5回の模様はこちらをご覧ください)を来る平成23年2月19日(土)に開催すべく準備を始めています。このイベントは今回で6回目。例年新しい参加者をお迎えして、皆で大豆を潰して麹・塩と混ぜて、自分の一升瓶に味噌になる材料を仕込んでお持ち帰り頂くのですが、回を重ねるに従って、常連メンバーの技術が熟練してきており、作業があっさり終わってしまうようになってきました。そこで「味噌仕込&何か」という企画を考え、前々回は「わさび漬け」そして前回は「麹を使った料理あれこれ」にトライしてきました。
 そして、今回は「こんにゃく」にチャレンジしてみようと思いました。こんにゃくは大きく分けて、生の芋から作る方法と、こんにゃく芋の粉から作る方法があるのですが、ここは本来の製法であり、より美味しいこんにゃくを目指して、
1230imo生の芋で作ることにします。そこで、実験的に自宅でこんにゃく芋を作ってみました。暮れも押し迫った12月30日。大掃除もそこそこに半日キッチンひきこもりです。
 まずは原料となる生のこんにゃく芋。こんにゃくの本場、上州は群馬県甘楽郡下仁田町からインターネット通販で取り寄せました。
(これが届いた芋。右下の小さい袋が凝固剤の貝殻焼成カルシウムです)
 ゴツゴツとした芋の洗浄からとりかかります。生のこんにゃく芋にはシュウ酸カルシウムという劇物が含まれているため、1230konnyaku1 素肌に付いたり生のまま口に入ると、痒くなったり熱くなったりと刺激があります。そのためゴム手袋をはめて作業しなければなりません。ぬめりが強くてとても滑りやすいので、ゴム手袋は却って作業しやすいように思いました。そして、皮を剥いて
(写真左上)→水を張った鍋に摺りおろして(写真右上)→しばらく置いてから大胆に力強く練りこんで(写真右下)→水に溶いた凝固剤を加えます(写真左下)
 こんにゃく芋は洋梨のようなリンゴのようなフルーティな香りがします。摺りおろすと写真のように淡いピンク色になっています。1230konnyaku2 ここに凝固剤を入れてさらに練りこんでいくと
(写真左上)、色が一気に淡い緑色に変化しました。練っている手が重さをずっしり感じるようになったら急いで成形です。ステンレスのバットに敷き詰めてしばらく置きます(写真右上)→形から切り出しで茹でます(写真右下)→これが出来上がり。団子状に整形して、刺身こんにゃくのように切ってみました(写真左下)。市販のこんにゃくより柔らかく、滑らかではなく鬆が入っています。練りが足りなかったのか、凝固剤が足りなかったのか、もう少し固いこんにゃくを目指していたので、ここはちょっと反省ポイントです。
 で、食べてみると、これが普通に食べていたこんにゃくとは比べ物にならないほど味が濃いのです。1230pilikara 薄く切って生姜醤油をつけた「こんにゃくの刺身」はもうこんにゃくではない「何か」の刺身のようです。定番の「ピリ辛きんぴらこんにゃく」
(写真左)は、鬆があるためか味の染み込みがしっかりして、鶏肉か豚肉のたんぱくな部位を煮たかのような味わいでした。うん!これはビールが進む。良い肴です。調味料の染み込みが良いので、簡単な煮物や鍋物、汁物に重宝しそうです。かなり濃い味付けをしてもこんにゃくの味をしっかり主張しているのが手作りならではの魅力です。
 これは『手前味噌仕込みの会』でも皆でチャレンジしましょう。柚子味噌や田楽、玉こんにゃく、きんぴらなどなどいろいろ出来そうです。『手前味噌仕込みの会』の開催案内は、年明け早めにこのblogでいたします。ご期待下さい。


満員御礼『居酒屋寄席~師走の会』

2010年12月12日 17時30分55秒 | 主催する催し

 旧十一月七日。先週火曜日、12月7日に二十四節気の【大雪(たいせつ)】を迎えました。いよいよ本格的な冬の到来です。北国や高い山からは雪の便りが聞こえてきます。一方太平洋側では空気がカラカラに乾いてきました。風邪が流行り始める季節でもあります。十分に用心しましょう。

 昨日は『居酒屋寄席~師走の会』。立川志の吉さんと立川志の八さんの落語の会でした。
1212shinokichiさすがに人気と実力を兼ね備えた期待の若手のお二人とあって、早くにご予約が定員数に達してしまい、 たくさんの方のご来場をお断りしなければならない事態になってしまいました。お運び頂いた皆様には厚く御礼申し上げます。また、今回残念ながらお越しになれなかった皆様には、ぜひ次回開催をお楽しみにお待ち頂きたいと思います。どうぞ、よろしくお願いします。

 立川志の輔一門の志の吉さん、志の八さんの会は、昨年十一月に続いて二回目です。お二人の高座は、この一年間の成長ぶりがはっきり感じられるものでした。
1212shinohachi  まずは志の八さんが高座に上がります。店の空気をパッと明るくする軽妙なまくらに続いて根多はご自身の創作で「初めてのお弔い」でした。仕事を探しているおっちょこちょいな青年が測量会社(?)と間違えて入ってしまったのが葬儀社。そこでのショッキングな初体験の数々を描く滑稽な噺です。
 続いては、志の吉さんと志の八さんによる兄弟トーク。「立川流、特に志の輔一門の今年一年を振り返って」といったテーマで、会場を爆笑の渦に包みます。噺家というお仕事、特に立川流、特に志の輔一門は大変なんだなぁ、ということを、皆でガッテンするという、楽しいコーナーでした。1212twoshots
 そして、二席目は志の吉さんで古典落語の「火焔太鼓」。ぐうたらな道具屋の亭主とおかみさんのやりとりがなんとも楽しい噺です。このようなテンポの良い古典落語を聞いていると、志の輔師匠の影響、あるいは系譜が感じられて、とても興味深かったです。その上で志の吉さんの個性がしっかりあって、上手いなぁ、と思いました。お二人ともこれからがますます楽しみな逸材です。ぜひまた会を企画しようと、決意を新たにしました。
(写真上:恒例となりそうなお二人のトーク・コーナー/三本締めで中締め)

 落語のあとは、居酒屋寄席恒例の酒宴です。居酒屋ニュー信州からのお振る舞い酒で乾杯します。
今宵のお酒は、福島・会津の『飛露喜特別純米かすみざけ』。1212yosesnap淡く濁った初しぼりの生酒です。日本版のヌーヴォですね。そして季節の味覚のお楽しみは、秋田の奥羽山脈から染み出す豊富な湧水に育まれた天然の芹をおひたしで。キュッキュッとした歯ごたえとほのかな苦みが食欲をそそります。志の吉さん・志の八さんのお二人はテーブル一つ一つを回り、落語談義に花を咲かせます。中締めはお二人の音頭による三本締めで。皆さんどうもありがとうございました。(写真左上より時計回りに:高座づくりを一緒にお手伝いしてくれるお二人/大入り満員を感謝して「大入」の招布(まねぎ)を下げました/お振る舞いのかすみざけと芹のおひたし/お二人の手拭です)

◆◆志の吉さん・志の八さんの落語会情報◆
立川志の吉東京駅前独演会
12/22(水)東京建物八重洲ホール
昼:14時開場・14時半開演。夜:19時開場・19時半開演
前売り・ご予約2000円/当日2300円
詳しい情報と他の出演落語会については、
志の吉さんのホームページ【立川志の吉WEB】
http://1st.geocities.jp/shinokichifun
をご覧ください。

立川志の八 SHIBUYA 108
12/26(日)公園通りクラシックス
13時半開場・14時開演
2000円
詳しい情報と他の出演落語会については、
志の八さんのホームページ【立川志の八ブログHatty Life!】
http://ameblo.jp/sino8
をご覧ください。