"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

『手前味噌自慢の会』今年も美味しく暖かく

2009年11月30日 11時01分17秒 | まち歩き

 旧十月十四日。二十四節気の【小雪(しょうせつ)】に入って八日。本格的な冬に向かって天気の変化は目まぐるしく、小春日和、冷たい雨、木枯らしが短い周期でやってきます。都会の紅葉も色を深めてきました。
 右の写真、先日都内の公園で見つけたのですが、
1130mayumi木の枝からピンク色の実が下がり、それが弾けて中から朱色の実が顔を出しています。 この鮮やかな色彩が初冬の青空にとても映えていたのが印象的です。これは【真弓(檀ともいいます)】というニシキギ科の木で、このあと葉を落としても実は枝に残るので、色彩が乏しくなる冬の野山でいいアクセントになるのでしょう。「まゆみ」という名の由来は、固く弾力があってこの木で弓を作っていたからなのだそうです。

 “暮らしのリズム”食のイベントとして定着しつつある『手前味噌仕込みの会』は第四回目の今年、5月9日に行いました。 参加メンバーが集まって一緒に味噌を仕込み、各自が1升(だいたい2kg)の仕込味噌を持ち帰って熟成させます。それぞれの自宅で熟成させた味噌を少しず
1130misojiman1つ持ち寄って自慢し合うという『手前味噌自慢の会』を11月28日(土)に居酒屋ニュー信州で開催しました。
 同じ条件で仕込んだ味噌でも、
熟成する環境によって風味や色が随分と違うものです。それぞれにキャラクターがあって、生きている醗酵食品であることを実感させられます。写真左が持ち寄った味噌。ひと際色が濃いのは昨年の味噌です。皆でちょっとずつ舐めてみて熱い自慢合戦が繰り広げられます。
 味噌自慢もさることながら、この会の最大の魅力は 居酒屋ニュー信州特製の味噌料理がテーブル狭しと並ぶところです。右の写真はこの夜の料理のほんの一部です。
1130misojiman2お酒が入って手元も怪しくピンぼけが多く、後半は写真を撮ることさえ忘れてしまいました。家庭では普段、味噌汁かごく稀に鯖の味噌煮、味噌炒めくらいしか使い道はありませんが、漬け味噌にして肉や魚を漬込んで焼いたり、味噌を使った料理はご飯やお酒が進みます。〆は持ち寄った手前味噌を集めて溶いた天然えのき茸の味噌汁と焼おにぎり。大満足の宴でした。
(上の写真中央はこの夜の最初のお酒。初冬のお楽しみの一つ『飛露喜』特別純米初しぼり「かすみ酒」。左上より時計回りで、出始めたばかりの柔らかい三浦大根のふろふき。ゆず味噌をかけて頂きました。/雪が降り積もる前に芽を出すふきのとうがあるのですね。秋田から届いたふきのとうを味噌和えに。/ニュー信州では珍しい牛もつの煮込み。/いかの味噌漬け焼)

1130misokame_2  おまけの写真は、7月に手入れをして以来久しぶりに開けた拙宅の味噌瓶(4升瓶)の様子です。表面に白く見えるのはかびではなく、こうじ菌。食べても害はないのですが、苦みが強いので、これは薄く削り取ってしまいます。生きている感じが伝わってきますね。

来年(2010年の)『手前味噌仕込みの会』は2月11日(木・建国記念日)に開催する方向で準備しています。開催要項・詳細が決まりましたらあらためてこのblogでお知らせします。ご興味のある方お気軽にコメント欄でお問い合わせ下さい。


ご来場感謝!!『居酒屋寄席 小春日和の会』

2009年11月16日 11時58分59秒 | 主催する催し

 旧九月三十日。今週は日一日と気温が下がって行くようです。都会の公園が紅葉の見頃を迎えるのではないでしょうか。

 一昨日、11月14日土曜日に開催した『居酒屋寄席~小春日和の会』。
たくさんのお客様にお運び頂きまして、ありがとうございました。天気予報に反して雨は早く上がり、暖かい空気に包まれ時折日も射す午後は、まさに小春日和でした。
 ご出演頂いた立川志の輔一門の立川志の吉さん、立川志の八さんは、共に落語界全体を見渡してみても秀でて成長著しい若手です。実力はもちろん人気も急上昇中ですので、今回は随分早い段階で定員に達してしまい、多くの方のご予約申し込みをお断りしなければならない事態になってしまいました。1116shinohachi今回お越しになれなかった皆様にはお詫びを申し上げると共に、ぜひ次の機会にはお越し頂きたいと思います。どうぞ、よろしくお願いします。

 最初に高座に上がったのは志の八さん。この二月に満を持して二つ目に昇進されました。軽妙洒脱な語り口が魅力的で、いつも落語の場面にスゥ~っと連れて行ってくれます。今宵の噺は「河豚鍋」です。志の八さんの所作を見ていると、熱々の鍋物が濃いしくなります。

 一席目が終わると、高座に志の吉さんを呼び込んで、お二人での対談です。
1116talk立川流独特の二つ目昇進試験の様子や、師匠・立川志の輔さんのこと、そして病に倒れ、去る10月29日に帰らぬ人となった立川文都師匠の話をしてくれました。 志の吉さん・志の八さんをとても可愛がっていた文都師匠のこと、決して湿っぽくなること無く、楽しいエピソードをたくさん紹介されました。この場で師匠の落語に触れて来たお客様も泣き笑いになり、明るく送ることができたのではないかと思っています。あらためてご冥福を祈りたいと思います。

 対談に続いては志の吉さんの一席です。1116shinokichi ここでのイベントでは居酒屋寄席で二回。昨年開催した『噺と三味線~五月雨のたはむれ』にもご出演されました。ますます安定感を増し、噺の中にもタイムリーな時事ネタを自然に挿入するなどセンスが光ります。今宵の噺は「天狗裁き」でした。

 落語のあとは恒例の酒宴です。お二人のご発声で乾杯するのはお店からの振る舞い酒。今夜のお酒は新潟の『鶴の友』です。鶴の友を取り扱っているお得意さんに年に数本だけ配られる非売品の大吟醸酒です。1116kanpai そして、青森から届いた天然なめこの味噌汁が配られます。味噌はもちろん“暮らしのリズム”『手前味噌仕込みの会』謹製の手作り味噌。お二人はテーブルを回り、話に花を咲かせ、看板の時間まで大いに盛り上がりました。1116tsurutomo お運び頂いた皆様。ありがとうございます。次回居酒屋寄席は来年の初夏頃に企画したいと思っています。どうぞ、よろしくお願いします。
(写真提供はminoru-mさん。いつもありがとう)

 お二人の高座スケジュールは以下のホームページでチェックして下さい。徐々にチケットがとりにくくなってきていますよ。どうぞお早めに。

★立川志の吉さんの公式ホームページ
http://1st.geocities.jp/shinokichifun/top.html

★立川志の八さんのblog“Hatty Life!”
http://ameblo.jp/sino8/


『長唄三味線の会』やります

2009年11月13日 15時01分24秒 | 主催する催し

 旧九月二十七日。明日は『居酒屋寄席~小春日和の会』です。東京は立冬の頃にふさわしく、ヒンヤリとしていて街の木々も紅葉し始めています。明日は残念ながら“小春日和”とは行かないようですが、立川志の吉さん、立川志の八さんをお迎えして、満場のお客様と共に、暖かい会になることを間違いなしです。ご予約頂いた皆様。どうぞお楽しみに。

100220flyer  今日はその次の主催イベントのお知らせです。平成二十二年の幕開けは、長唄三味線の会でお楽しみ頂きたいと思います。昨年(平成二十年)6月に開催したイベント『噺と三味線~五月晴れのたはむれ』に立川志の吉さんと共にご出演いただきました、長唄三味線ユニット、スクイーズ☆ハジキーズ(長唄松永流の松永鉄駒さん、松永鉄六さん)が今回も登場します。そして、お二人の師匠、松永鉄九郎さんとの三人で、長唄の楽しく美しい世界をたっぷりとお送りします。季節は初春。折しもこの日は旧七草です。七草粥にまつわる食のお楽しみも企画しようと思っています。どうぞお楽しみに。

“暮らしのリズム”presents
『長唄三味線の会~香り立つ早春の響き』
出演:長唄三味線・松永鉄九郎、
   スクイーズ☆ハジキーズ(松永鉄駒・松永鉄六)

平成22年2月20日土曜日 18時30分開場、19時開演
居酒屋ニュー信州(渋谷区渋谷3-20-16 tel.=03-3797-6966)
料金:4000円(先ずの一杯と早春の味覚お楽しみつき)
30席限定・要予約

◆松永鉄九郎
1113tetsukuro_3 二十歳の時に長唄松永流、松永鉄十郎師の内弟子となり長唄三味線の修行を始める。1983年に九世家元松永鉄五郎師より松永鉄九郎の名を許される。長唄界の中堅三味線方として長唄演奏会、日本舞踊での地方(じかた)、歌舞伎公演などで活躍する一方、1989年には同じく長唄三味線方の杵屋邦寿とのデュオユニット『伝の会』を結成し、長唄の魅力を広く伝える活動を行っている。また立川志の輔師匠の絶大なる信頼を受け“出囃子”、“はめもの”の三味線を担当し、「志の輔らくご」には欠かせない存在として活躍している。

◆スクイーズ☆ハジキーズ(松永鉄駒、松永鉄六)
1117sukuhaji長唄三味線の魅力と楽しさを伝える才色兼備な女性デュオユニット。師である松永鉄九郎のもと松永流名取を取得し、2003年5月に結成。古典の長唄合方を中心に童謡、洋楽スタンダードを始め、海外の童話をアレンジし三味線で効果音を入れながら小芝居に仕立てたり、歌舞伎の下座特集など、レパートリー豊富に親しみのある三味線音楽を披露する。飾らないユーモラスなトークにも定評がある。


佃島盆踊りat国立劇場

2009年11月07日 14時40分17秒 | 暦のおはなし

 旧九月二十一日。二十四節気の【立冬(りっとう)】です。

冬の気立ち始めていよいよ冷ゆれば也
            『暦便覧』(天明八年/1788年出版)

 今日から冬ですか。ちょっと暖かい冬の始まりですが、一週間前、この間の満月の頃はとても寒かったです。日本もそうだったようですが、上海でも最低気温が5℃とは、年末の頃の装いでした。それからまた暖かくなって、これは小春日和なのですね。体調管理に気をつけましょう。
 そんな冬の始まりの日に、真夏の風物詩、盆踊りのお話しです。東京・半蔵門の国立劇場小劇場で11月21日土曜日に、国立劇場が主催する【東京・江戸の賑わい】という
民俗芸能公演が開催され、そこに佃島盆踊り保存会」が出演することになりました。4953_1 二部構成の公演では、第一部が『年中行事に見る江戸。正月を「代々木もちつき(代々木もちつき唄保存会)」。春祭を「神田囃子(神田囃子保存会)」。そして盆を「佃島盆踊り」。秋祭の「江古田の獅子舞(江古田獅子舞保存会)」で締めくくります。第二部は『風流芸の系譜と題して、「小河内の鹿島踊(小河内鹿島踊保存会)」(西多摩郡奥多摩町)と「下平井の鳳凰の舞(鳳凰の舞保存会)」(西多摩郡日の出町)が出演します。
 なかなか一所で見ることができるものではないので、お時間のある方、ご興味のある方は、ぜひお運び頂きたいと思います。保存会会長から伝言のメールがあり「舞台の上で」ということですので、お菓子券やタオルを配る必要もなさそうなので、僭越ながらわたしもたぶん踊ります。

 チケットの入手方法など、詳しいことは国立劇場のホームページ<こちら>をぜひご覧ください。

国立劇場民俗芸能公演【東京・江戸の賑わい

日時=11月21日(木)14時開演(17時終演予定)
場所=国立劇場小劇場
料金=一般3000円、学生2100円
http://www.ntj.jac.go.jp/performance/2908.html