"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

ご来場感謝!【猫と落語の宵噺】第2弾

2014年02月25日 21時03分53秒 | 主催する催し

 旧一月二十五日。春霞なのでしょうか、花粉なのでしょうか、それとも大陸から飛来する怖い粉塵なのでしょうか。しばらくはマスクが外せなくなりそうです。

 2月22日の土曜日。ニッポン全国「猫の日」。【猫と落語の宵噺】を開催しました。2回目の開催にして無謀にもキャパシティを倍に広げて昼夜公演を敢行。お陰様でたくさんのお客様にお運び頂きました。季節柄、急遽体調不良のため来られなかった皆さん。回復されましたでしょうか。次回が必ずありますので、ぜひお運び下さい。

14_02_24shinoharu  今回も立川志の春さんの落語を二席。その間に、浅生ハルミンさんとのトークを挟むという構成です。志の春さんの一席目は、この企画がきっかけで誕生した創作落語「月に願いを」。その世界はファンタジー&ちょっとホラー。短編小説のようで、もやもやっとした空気を醸し出していました。

14_02_24talk  そんな空気の中、高座にはハルミンさんも上がり、ゆる~いトークのコーナー。長期品切れも発生しているというハルミンさん
による「猫のパラパラブックス」シリーズについて。その製作秘話や、苦労話などを聞かせてくれました。さらに、ポール・ギャリコによる名著

猫語の教科書 (ちくま文庫)

を紹介。猫の心理と、猫に見透かされている世の男性たちの滑稽な話に花が咲きました。
 休憩を挟んで、志の春さんの
二席目は、古典「ねずみ」。江戸初期に活躍した彫刻職人の名人、左 甚五郎が奥州仙台の宿屋で掘ったねずみの噺です。最後の最後、サゲに猫が登場するという展開が、この企画には粋な噺となりました。

14_02_24buppann  
今回は、物販コーナーも設け、「【猫と落語の宵噺】オリジナル缶バッジ」、「猫のパラパラブックス」、志の春さんの「(ライブCD付き)誰でも笑える英語落語」、志の春さんの「新作手拭」を販売。たくさんお買い求め頂き、ありがとうございました。

 お運び頂きました、皆さん。アンケートにご協力頂き、また、
自慢猫画像をたくさんお寄せ頂き、感謝しています。

 次回も
必ず開催します。ちょっと郊外出て、こたつから猫がぬ~っと現れそうな古民家のスペースで開催しようと思っています。どうぞ、お楽しみに。


【居酒屋寄席~志の吉改め立川晴の輔真打昇進記念の会】

2014年02月19日 17時25分54秒 | 主催する催し

 旧一月二十日。春が一段階進んで、二十四節気の【雨水(うすい)】に入りました。

  陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となればなり。
            『暦便覧』(天明八年/1788年出版)

  日頃雪に慣れていない、関東地方や中部地方の南部で、二度に渡って大雪に見舞われました。あまりメディアでは紹介されていませんでしたが、これは大変な気象災害でした。これから先、暦どおりに暖かい日が増えて、どんどん雪が溶けてくれることを願うばかりです。

 次回【居酒屋寄席】が決定しました。昨年(平成25年)12月1日をもって、晴れて立川志の輔
門下から真打が誕生しました。居酒屋寄席ではお馴染みの存在、立川志の吉さんです。これを機に、名前も【晴の輔】と改名。ますます羽ばたいてゆこうというところです。それを記念して、ちょっと長いタイトルですが、【居酒屋寄席~志の吉改め立川晴の輔真打昇進記念の会】を、4月19日(土)に開催します。燕が舞い始め、八重桜や藤の花が香る頃、お祝いムード一杯に、祝したいと思います。
 共演は、繰り上がって筆頭二つ目となった、立川志の八さんです。どうぞ、お楽しみに。

14_02_19flyer “暮らしのリズム”presents
【居酒屋寄席~立川志の吉改め晴の輔真打昇進記念の会】
出演:志の吉改め立川晴の輔、立川志の八
日時:平成26年4月19日土曜日
18:30開場 19:00開演
場所:渋谷・居酒屋ニュー信州
渋谷区渋谷3-20-16 (03-3797-6966)
料金:3500円(先ずの一杯と季節の味覚のお楽しみつき)
35席限定要予約→お陰様で満席となりました。


落語の第一部、酒宴を愉しむ第二部の二部構成となります。
ご入場の際に先ずの一杯をサービスさせていただいた後、
酒肴のご注文は第二部(20:45頃)からとなりますので、予めご了承下さい。
晴の輔師匠・志の八さんを交えての酒宴では季節の肴や銘酒を
一品一杯500円でご用意しております。お時間許す限りお付き合い下さい。

14_02_19harenosuke_5 志の吉改め立川晴の輔

昭和47年生まれ、兵庫県出身。東京農業大学卒業後、平成9年立川志の輔に入門。15年に二つ目昇進。20年に「東西若手落語家コンペティション」でグランドチャンピオンに輝く。25年12月に真打昇進を果たし、晴の輔に改名する。古典から創作まで、世代を超えてわかりやすい高座に定評がある。東京、町田、千葉、川越で定期的に開催する独演会を始め、子供落語会、ビジネス講演、結婚式の司会余興など、幅広く活躍。現在tvkの番組[キンシオ]に出演中。WOWOW歌舞伎番組ではナレーション・副音声を担当している。
『立川晴の輔ホームページ』http://www.harenosuke.com/

14_02_19shino8_3 立川志の八

昭和49年神奈川県横浜市生まれ。平成12年立川志の輔に入門。21年春に二つ目昇進を果たす。持ち前の美声と軽妙洒脱な語り口で、聞き手を瞬時に噺の世界に引き込む力量は抜群。23年3月「第10回さがみはら若手落語家選手権」で、24年9月には「前橋 第四回若手落語家選手権」で優勝。横浜にぎわい座・のげシャーレ、下北沢・シアター711などで定期的に独演会を開催中。「兄弟子に続け!」の声が高まる。

『立川志の八公式サイト』http://www.shinohachi.com/


今年は麦で【手前味噌仕込みの会】やりました

2014年02月12日 11時28分30秒 | 主催する催し

 旧一月十三日。今年の「立春寒波」は強力です。本当に地球温暖化が進行しているか、と思ってしまうほど。春を予感させる低気圧は、南岸を通過するために、関東でも珍しく大雪に見舞われました。今度の週末もひょっとすると、という予報になって来ましたが、どうでしょう。

 恒例の"食"の
イベント【手前味噌仕込みの会】。今年で9回目となりましたが、2月11日に無事開催しました。寒い中、ご参加頂いた皆さん、ありがとうございました。
14_02_12top  今年の味噌は、参加者からのリクエストがいくつか寄せられたので、麦こうじ十割で仕込みました。こうじの原料となる麦は、佐賀県産の二条大麦でサチホゴールデンという品種です。主にビールの原料となる麦です。なるほど、真空パックで届くこうじの
袋を開けると、ビール工場を見学した時の記憶が蘇る独特の香りが広がります。
 麦こうじと塩をよく混ぜるところから作業がスタート。麦こうじは水分が適度にあって、しっとりしています。真空パックでしっかり固められていたので、丁寧にほぐしてゆきます。続いて、こうじと塩をムラなく混ぜ合わせてゆけば、第一段階は終了(写真左上)大豆が茹で上がるのをしばし待ちます。
14_02_12misosikomi  麦こうじはなかなかお店などで市販されて
おらず、珍しいので、ここで一品作ってみました。『もろみ納豆』です。納豆と、松前漬けなどで使われる粘りが強い「がごめ昆布」(千切りで乾燥しているもの)、調味料(みりん・酒・醤油)、麦こうじを合わせてよく混ぜ、3~4時間慣らします。こうじ菌と納豆菌の相乗効果やネバネバ食感は、食べて美味しく、体にも良さそうです。打ち上げのお楽しみです。
 今年の大豆はちょっと固かったのでしょうか。茹で上がりまで2時間ほどかかりました。ここからは力仕事です。ボウルにいれた大豆をポテトマッシャーで潰してゆきます。厚手のポリ袋の入れて、ビール瓶で潰すというのも、簡単なようです。(写真右上)
 すべて潰し終えたら、先ほどのこうじと塩に合わせてゆきます。そのままでは固いので、大豆の茹で汁を少しずつ加えて、味噌の固さを調整してゆきます。固過ぎると熟成が遅くなってしまい、反対に柔らか過ぎると熟成の途中で水分が溢れ出てしまうこともあり、この加減が一番難しいポイントです。完成品の味噌の固さを想定し、皆さんの意見を聞きつつ良い加減を決めました。(写真右下)
 最後は、
皆さんの1升瓶に2kgずつ詰めてゆきます。空気が入らないように、蓋が浮かずにしっかり密閉できるように注意します(写真左下)と、これで作業は完了。お疲れ様でした。

 作業の後は、片付けをして打ち上げ&宴です。結構体を使った作業の後咽を潤すビールは格別です。 居酒屋ニュー信州特製の味噌料理が振る舞われました。14_02_12furumai料理の味噌は、もちろん手前味噌です。まずは、サクラマスの西京焼きと蒸かし里芋の手前味噌乗せ(写真左上)、そして「もろみ納豆」(写真左下)です。絶妙な甘みと旨味の西京焼きは絶品でした。もろみ納豆は、混ぜて3時間くらいでしたが、もう1~2時間置くと、こうじが柔らかくなって美味しいかと思います。続いて、ふろふき大根(写真右上)。寒い日の大根と柚子味噌はご馳走です。そして、手前味噌の味噌汁(写真右下)。王道ですね。14_02_12kohome_2
 宴もたけなわ、ここで余興をひとつ。仕込作業の最年少参加者、千夏ちゃん(小学校2年生)のお兄ちゃん、龍一君(5年生)が勉強中の落語を一席。「子ほめ」を披露(写真)してくれました。修業の成果を聞かせて、暖かい拍手を貰っていました。

 秋には、皆の家で熟成した味噌を持ち寄って、【手前味噌自慢の会】という名の宴をやります。どうぞ、お楽しみに。お疲れ様でした。


立春寒波に七草粥

2014年02月07日 17時23分53秒 | まち歩き

 旧正月八日。昨日は正月七日。五節句の最初【人日】の節句でした。節句はぜひとも旧暦で季節感を味わいたいものです。
 このところにわかに暖かい日があっ
たと思い、ちょっと気を緩めていたら、【立春を迎えた2月4日の午後には東京でも雪が舞いました。

  春の気 立つをもってなり。
            『暦便覧』(天明八年/1788年出版)

  暦どおりの立春寒波の到来です。日差しはたいぶ強さを感じるようになって来たのですが、それでも気温が上がらない。この寒さ、まだ数日は続くそうです。
 
人日の節句】といえば【七草粥】です。そもそも、旧暦の人日の頃には、日当りの良い野原に春の七草が芽吹きます。14_02_07kayuそれでも北国や雪国ではまだまだ。夏や秋に収穫して塩漬けや乾燥で保存していた青物、あるいは小豆などの豆類で七草粥を炊いたとされています。現代においては、旧暦に合わせて七草セットを売る店もなく、在り合せの青物で七草粥を作りました。青物は、かぶの葉・カリフラワーの葉・セロリ・青葱・大根・大根葉のぬか漬け。一つ足りませんが、まあ良しとしましょう。陽が傾くと一気に冷え込む早春の頃、粥を口にするとひと時でも暖まります。

14_02_07mansaku  このブログでは、毎年この時期になると登場するのが【まんさくの花】です。先ず咲くからこの名がついたとされるほど、早くに開く木の花。よーく見ると、折り畳まれた花びらが、帯を解くように長く伸びようとしています。梅花の季節になると、すぐに忘れられてしまう存在ですが、まずひとつ、春を感じてみましょう。