"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

満員御礼【猫と落語の宵噺】来場感謝します

2013年10月24日 11時59分15秒 | 主催する催し

 旧九月二十日。二十四節気では昨日から【霜降(そうこう)】に入りました。

  つゆが陰気に結ばれて、霜となりて降るゆえなり
            『暦便覧』(天明八年/1788年出版)

今年は台風の当たり年です。「富士雪が被ったら台風は来ない」という言い伝えがあるそうですが、今年に限っては例外のようです。強い台風27号がこの週末にかけて日本列島を南岸を駆け抜けそうです。霜は、よく晴れた風のない早朝に降りるとされていますが、台風シーズンが完全に終わった後のこと。もう少し先になりそうです。

 昨夜は“暮らしのリズム”新企画イベント【猫と落語の宵噺(よいはなし)】を渋谷の
光塾 common contact 並木町で、開催しました。1024hikarijuku 出演は、立川志の春さん、エッセイスト/イラストレーター浅生ハルミンさんのお二人。志の春さんはタマとトラ、ハルミンさんはトーちゃんという名の猫と暮らす愛猫家です。
 まずは、
志の春さんが高座に上がり、ご自身が猫を飼い始めたきっかけや、落語の中の猫のお話を聞かせました。会場に集まった皆さんの内、7割くらいの方が猫と暮らしていたり、また暮らしたことがあるようですま、ほぼ全員がどちらかと言えば"猫派"といった方ばかりだったように思います。猫の話になると、皆暖かく耳を傾ける、といった雰囲気で始まりました。そして、一席目は「金明竹(きんめいちく)」。留守番をする与太郎と来客のやりとりが滑稽な噺です。猫を借りにきた来客を断る口実がなんとも可哀想なのですが、落語の中での猫の立場を象徴する様で面白いです。
1024nekorakugo  続いては、志の春さんとハルミンさんのトークタイム。志の春さんが
トラにどういても仲良くしてくれない、というお悩み相談から始まり、猫の四方山話へゆる~く展開しました。
 そして、休憩をはさんで締めは志の春さんの落語で「猫の災難」。となりから貰った頭と骨と尻尾だけの鯛を、まるごと一尾と勘違いした「兄ぃ」。身は猫が盗みに来て持っていたと偽り、兄ぃが買って来た上等な酒も飲んでしまい、それも猫のせいに。罪をすべて押し付けられる可哀想な猫の噺です。猫はともかく、志の春さんの酒の呑みっぷりに一同生唾を呑み込むほど。会はこれでお開き。猫のはなしと落語を肴に、一杯やらずにはいられなくなりました。

 第一回目の開催で、どうなるか不安もありましたが、お二人とたくさんのお客様のお陰様で楽しい会となりました。また、皆さんからは「自慢猫画像」を送って頂き、休憩時間に高座バックに投影しました。感謝しております。次回は来春開催予定。どうぞ、お楽しみに。


【寒露】秋深まれど・・・

2013年10月08日 09時05分08秒 | 季節のおはなし

 旧九月四日。二十四節気の【寒露】を迎えました。

  陰寒の気に合って、露むすび凝らんとすればなり
            『暦便覧』(天明八年/1788年出版)

 朝夕など野草につく露のことを寒露と言います。冬鳥がぼちぼちやってきて、コオロギが鳴き止む頃とされていますが、やってきた冬鳥はこの暑さに驚くでしょう。そしてまだ蝉の声を聞くこともあります。強い台風の影響なのでしょう。今日の関東地方では30度に達するところもあるようです。なかなか衣替えが出来ない今年の秋です。

 それでも秋はしっかりと深まっています。野の花では、コスモスに続いて彼岸花、金木犀、
と、秋を代表する彩り、香りが癒してくれます1008cosmos これから10日間、暦を見ると、秋を象徴する行事が続きます。(写真は春の菜の花を併せて名物となっている旧浜離宮恩賜庭園のコスモス)
 10月13日の日曜日は、
旧暦の九月九日。五節句の【重陽】です。"菊の節句"と呼ばれるこの日は、邪気を払って長寿を願い、菊の花を飾ってお祝いをする日。五節句の中ではやや陰が薄い感じがしますが、本来最も厳かで、歴史を感じさせる"大人"の行事でした。今年は三連休のなか日。家族とともに静かな酒宴を楽しむというのはいかがでしょうか。
 そして、10月17日
の木曜日は、旧暦九月十三日。【十三】です。旧八月十五日の【中秋の名月】に対して、のちの名月と呼ばれ、この二回のお月見をすると縁起がいいとされています。また、中秋の名月を別名「芋名月」と呼ぶのに対し、十三夜は「栗名月」と呼ばれています。確かに、里芋の白くて丸い満月に比べて、すこし欠けた栗のような形が印象的なのでしょう。それぞれの収穫時期にも合っているように思います。新米のもち米で蒸し上げた栗ごはんが合いそうです。

 こうして秋の行事を一つ一つ楽しんでいると、月日が加速度を増して進み、あっと
言う間に師走、ということになるのは例年のこと。日没の時間がどんどん早くなるのも影響しているのかも知れません。慌ただしくなる前の静かな晩秋をお楽しみください。