旧九月二十日。二十四節気では昨日から【霜降(そうこう)】に入りました。
つゆが陰気に結ばれて、霜となりて降るゆえなり
『暦便覧』(天明八年/1788年出版)
今年は台風の当たり年です。「富士に雪が被ったら台風は来ない」という言い伝えがあるそうですが、今年に限っては例外のようです。強い台風27号がこの週末にかけて日本列島を南岸を駆け抜けそうです。霜は、よく晴れた風のない早朝に降りるとされていますが、台風シーズンが完全に終わった後のこと。もう少し先になりそうです。
昨夜は“暮らしのリズム”新企画イベント【猫と落語の宵噺(よいはなし)】を渋谷の「光塾 common contact 並木町」で、開催しました。
出演は、立川志の春さん、エッセイスト/イラストレーター浅生ハルミンさんのお二人。志の春さんはタマとトラ、ハルミンさんはトーちゃんという名の猫と暮らす愛猫家です。
まずは、志の春さんが高座に上がり、ご自身が猫を飼い始めたきっかけや、落語の中の猫のお話を聞かせました。会場に集まった皆さんの内、7割くらいの方が猫と暮らしていたり、また暮らしたことがあるようです。ま、ほぼ全員がどちらかと言えば"猫派"といった方ばかりだったように思います。猫の話になると、皆暖かく耳を傾ける、といった雰囲気で始まりました。そして、一席目は「金明竹(きんめいちく)」。留守番をする与太郎と来客のやりとりが滑稽な噺です。猫を借りにきた来客を断る口実がなんとも可哀想なのですが、落語の中での猫の立場を象徴する様で面白いです。
続いては、志の春さんとハルミンさんのトークタイム。志の春さんがトラにどういても仲良くしてくれない、というお悩み相談から始まり、猫の四方山話へゆる~く展開しました。
そして、休憩をはさんで締めは志の春さんの落語で「猫の災難」。となりから貰った頭と骨と尻尾だけの鯛を、まるごと一尾と勘違いした「兄ぃ」。身は猫が盗みに来て持っていたと偽り、兄ぃが買って来た上等な酒も飲んでしまい、それも猫のせいに。罪をすべて押し付けられる可哀想な猫の噺です。猫はともかく、志の春さんの酒の呑みっぷりに一同生唾を呑み込むほど。会はこれでお開き。猫のはなしと落語を肴に、一杯やらずにはいられなくなりました。
第一回目の開催で、どうなるか不安もありましたが、お二人とたくさんのお客様のお陰様で楽しい会となりました。また、皆さんからは「自慢猫画像」を送って頂き、休憩時間に高座バックに投影しました。感謝しております。次回は来春開催予定。どうぞ、お楽しみに。