"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

『すみだガラス市』というイベント

2005年09月26日 17時13分55秒 | 手しごと

旧八月二十三日。彼岸明けです。
台風17号がノロノロと東の海上に抜けていったため、“台風一過”の澄み渡った青空は昨日の夕方までおあずけとなってしまいました。空気はますますヒンヤリとしてきましたね。

今日は週末に開催されるなかなか興味深いイベントをご紹介します。
10月1日土曜日と10月2日の日曜日に、錦糸町の駅から近いところで開催される『すみだガラス市』です。
伝統的に墨田区にはガラスの専門工場が多く、墨田区と(社)東部硝子工業会の主催で、加盟する13社が集まり即売会を開くというイベントです。東京都の指定伝統工芸品である「江戸硝子」にはさまざまな製品があって、その代表的なものが「江戸切子」です。芸術的な細かいカットと文様は実に魅力的ですね。他にも一般の家庭で実用的に使うものから、アート作品、工業、医療分野などで使うものまで、様々な硝子製品が、普段お店で買うよりお手頃な値段で買うことができます。
このイベントは半年に一度開かれていて、私は今年の春に開催された時に初めて行ってみました。お目当ては松徳硝子という、かつて電球を吹いていた技術を活かした薄いコップ「うすはり」が大ヒット中の硝子工場でした。「うすはり」はたいへん薄いので握っただけで割れてしまいそうですが、剛性はしっかりしていて、とても使いやすいコップなのです。たぶん(違っていたらごめんなさい)、松井秀喜選手が出演しているカゴメのTV-CFに登場するのがこの「うすはり」だと信じています。ただこの日は少々出遅れてしまったせいもあり、松徳硝子のテントは大人気でお目当てのサイズの「うすはり」を買うことができませんでした。
9-26glass1他に目を引いたのが、理化学医療用の硝子のテントです。試験管やビーカー、フラスコといった懐かしい理科室を思い出させる硝子製品がずらりと並んでいました。下の写真の中央に並んでいるのは試薬を入れて管理するための小さな器です。
9-26glass2なんとなく珍しいフォルムなので買ってみました。肉厚で小さな三角フラスコはOil & Vinegaerを混ぜるときに大変重宝しています。
普段目にすることがない珍しい硝子製品がたくさん並ぶこのイベント、下町の物づくりパワーもしっかり感じることができて、なかなか楽しいです。

『すみだガラス市』
10/1(土), 2(日) 10:00~16:00
長崎橋跡イベント広場
詳細は(社)東部硝子工業会のホームページを御覧下さい。


彼岸花の咲く頃

2005年09月24日 15時23分45秒 | 季節のおはなし

旧八月二十一日。昨日は二十四節気の“秋分”、彼岸の真っ只中です。昼と夜の長さが同じになり、夏の彩りはすっかり薄れてゆきます。中秋の名月を境に秋雨前線の活動が徐々に活発になってまいりまして、東京では曇りがちの日が続いています。この週末台風17号も接近するとのことですから、お天気も荒れ模様とか。お墓参りも大変ですね。

izu-higanbanaお彼岸の季節というと、正確に時を合わせて咲く“彼岸花”がありますね。土手や裏庭、里山の雑木林などでよく見かける鮮やかな紅色の花です。花を咲かせる数日前に、地上から花茎をするすると延ばし、お彼岸の頃一気に開花するので、あたかも突然姿を現すようなちょっと不思議な花ですね。花が終わると花茎もすぐに枯れ落ちてしまうので、お彼岸が終わるとすっかりその存在は忘れ去られ、また翌年のお彼岸で花を見つけて彼岸花を思い出す、という秋のお彼岸を象徴しています。ちょっと調べてみたのですが、彼岸花の葉は花が終わってしばらくしてから生え茂り、緑豊かな状態で冬を越し、冬の太陽から栄養をしっかり吸収して球根に溜め込んでいるんだそうです。そして野の植物の競争が激しくなる春には葉を枯らし、夏の間はじっと温存して、あの儚げな花を咲かせる時を待ち続けているんだそうです。独特な習性ですが、他に目立った花のない季節、パッと自分を際だたせる神秘的な花ですね。
(写真の彼岸花は9/18朝中伊豆にて。漆喰の白壁に映るシルエットが美しかったですね)

さて、お騒が致しましたNHKニュース10ですが、9月21日(水)に放送されました。国会が再開されたり採りあげなければならないニュースがたくさんあったためか、当初予定されていた「落語に学ぶ粋な暮らし」という内容が、単に「落語ブーム」というトレンドウォッチ的なレポートに変更されてしまったようです。それでも、居酒屋寄席を皆さんが愉しんで頂いている姿がたくさん紹介されて、「楽しそうなイベントだな」という感じは伝わったかなと思います。失礼致しました。


NHKニュース10放送日

2005年09月20日 13時18分01秒 | ご挨拶とお知らせ

旧八月十七日。盆の入り。「暑さ寒さも彼岸まで」の諺通り、今日から本格的に涼しくなるようですね。皆さんのお近くでは彼岸花が咲き始めましたでしょうか?

さて、お騒がせしてすいません。9/10の居酒屋寄席にもカメラが入り『暮らしのリズム』が取材を受けた、NHKニュース10の小特集コーナー「落語に学ぶ粋な暮らし」。当初9/19(月)に放送される予定で、そのようにお知らせしておりました。しかし当日は6カ国協議の閉会や民主党の前原新党首生出演があり、放送が先送りされることになりました。新しい放送予定日について、担当ディレクターから連絡がありましたのでお知らせします。
現段階では9/21(水)が有力とのことです。報道枠の宿命で、また緊急で放送が延期あるいはお蔵入りしてしまうかもしれませんが、ご了承下さい。新たな情報がありましたらこの場でお知らせ致します。よろしくお願いします。


名月や~

2005年09月19日 22時29分36秒 | 季節のおはなし

旧八月十六日。昨夜は中秋の名月、そして今日は十六夜(いざよい)です。

◆十六夜◆いざよいは「いさよう」「いざよう」からきた言葉で、ためらうぐずぐずする意がある。つまり、満月の翌日の十六夜の月は、月の出が四十分から一時間程度遅くなるので、そのことを月がためらっていると見立てて名付けられた。(「現代こよみ読み解き事典」より)

ここ数日間関東地方は昼夜を通して晴天に恵まれたため、日に日に月が満ちてゆくのを毎晩見ることができましたね。これは例年にない珍しいことのようです。昨夜の名月も今朝の新聞一面を飾るほど美しい月でした。三連休の中日ということもあって、いつもよりゆっくりじっくりお月見ができたのではないでしょうか。昔の人は十五夜の天候が悪いこともあってお月見ができないこともあったので、前後三夜くらいの月も愛でたと言われているそうです。
9-19izu-tsuki私事ですが金曜日の夜から中伊豆の山中に行って月夜を愉しんできました。街灯などの明かりがほとんど無いところでは、月の明かりは信じられないほど明るいものですね。空は一面藍染めのような色を纏い、山の稜線をくっきり見ることができます。木々の葉も月明かりを反射して微妙な輝きを発し、まだ開いていないススキの穂は白く照らされています。町に電気が灯される前の時代、月夜であるかそうでないかでずいぶんと人々の暮らしは違ったのでしょう。旧暦で言うところの十三日頃から十七日頃は、人々の夜の動きも活発になり、開放的になったのかもしれませんね。
(中伊豆の十四日月。普通に写真に撮ると月はホント小さいなぁ↑)

9-18izu-susuki里芋の収穫を祝ったとされる中秋の名月を“芋名月”と称するのに対して、旧九月十三日の十三夜を“栗名月”と呼んで、この両方のお月見をするのが「縁起がよい」と言い伝えられてきます。収穫の時期、感謝する祝い事も多く、いよいよ食欲の秋本番ですね。明日は彼岸の入りです。
(←ススキを青磁の花瓶に。穂には偶然キリギリスがって、見えるかな~)


居酒屋寄席ご来場感謝!!

2005年09月13日 21時38分04秒 | 主催する催し

旧八月十日。夕暮れがどんどん早くなってきました。東の空の月は明るく、仲秋の名月(9/18)に向け存在感を強めています。

9ご報告が遅くなりました。9月10日土曜日、第五回居酒屋寄席~秋の会~にはたくさんのお運びを頂きまして、ありがとうございました。お越し頂いた皆様、楽しんで頂けましたでしょうか。
(←上から、お馴染み立川文都師匠。初登場の立川志の吉さん、満員御礼です。写真を提供してくれた水野さん、ありがとうございます)

“暮らしのリズム”のお仲間、お馴染み立川文都師匠は『千両みかん』を、居酒屋寄席初登場の若手、立川志の吉さんは『小褒め』を聞かせてくれました。

今回は“香り立つ”というサブタイトルを掲げ、少々趣向を用意させて頂きました。いくつかご紹介致しましょう。
▼高座の背景には仲秋の名月を染め上げた額装の手拭いを。その前にはいつもスタッフとしてお手伝い頂いている水谷さんが前日に箱根で刈ってきたススキを生けました。首都圏ではまだ穂が出ていないススキも標高の高い箱根では満開のようです。
▼文都師匠には、四国八十八カ所お遍路に行った際にお世話になった徳島の旅館から届いたという名産スダチをたくさん持ってきて頂きました。これをお皿に盛り上げ高座上手に。爽やかな秋の香りが届きましたでしょうか。
▼会場の居酒屋ニュー信州店主、榎 慎一さんからも、またまたお振舞いを頂きました。青森から直送の天然岩魚をじっくり焼いて、熱燗に浸した岩魚の骨酒です。まもなく禁漁になる岩魚と熱燗のマッチングはまさに夏と秋のコラボレーションですね。
▼文都師匠の『千両みかん』を聞いていると、口の中にはジュワ~っと唾液が出てきて、みかんがどーしても食べたくなるのです。そこで今回はみかんを準備して皆さんにその欲求を満たして頂こうという趣向。「さてみかんはどこで仕入れよう」スーパーマーケットなどでは、お行儀良く6個並んでパックに詰めてあるみかんを良く目にします。青い露地物のみかんにはまだちょっと早いみたいですね。ならばと築地の青果市場に当日朝自転車を走らせました。魚市場に比べると薄暗く活気がない感じの青果市場
9に足を踏み入れて、とりあえずウロウロしてみましたが、どうもみかんが見あたりません。行き交うターレットをかわしながら奥へと進んでゆくと、果物専門(『千両みかん』で言うところの“赤物”ですね)の仲卸ゾーンがありました。その中でひときわ高く温室栽培みかんの箱を積み上げているお店を発見。尋ねてみたところ「青いみかんは出始めてるんだけどね。ウチはまだやっていないんだよ」と。本格的な秋、青いみかんの酸っぱさに出会えるのはもうすぐみたいです。(築地青果市場にて山積みのハウスみかん→)

さて、お陰様で恒例化してきた居酒屋寄席ですが、年内にもう1回やりたいな、と企画中です。決定次第、このブログで発表させて頂きます。

おしまいに、今回の居酒屋寄席にはNHKニュース10のカメラが入りました。落語ブームと言われているこの頃。その背景にあるさまざまな動きを取材しているとのことでした。このようなブログをやっていると、目につくのでしょうか。放送予定は9/19(月)だそうです。ニュース番組なので、とても素晴らしいことや、とても大変なことがあると、放送されなくなることもあるかもしれません。その場合はご了承下さい。
<9-19追記>六カ国協議閉会、民主党新党首生出演といったとても大変なニュースがありましたので、放送は延期になってしまいました。延期の場合
9/23(金)かもしれませんとのことでしたが、今日のようなことがあればわかりません。放送日の連絡がありましたらこの場でお知らせします。

おっと!大事なお知らせを
●立川文都奮闘落語会“文都会vol.19”は9月22日木曜日 日暮里サニーホールコンサートサロン 詳しくは立川文都ホームページ ご予約はkurashistaff@kurashi.orgまで
●立川志の吉独宴会は10月26日水曜日 巣鴨庚申塚studio FOUR 予約・問:03-3918-5944(studio FOUR)または nisijima@f2.dion.ne.jpまで