"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

もうすぐ梅雨明け?夏の催しいろいろ

2011年06月30日 17時42分30秒 | 催しごと

 旧五月二十九日。6月も今日でおしまい。夏越しの大祓えです。今年も半分が過ぎようとしています。
 火曜日の夕方から東京は梅雨明けしたのでは、と思わせるような盛夏の陽気が続いています。2時間くらい前から雲が広がり、雷鳴がだんだん近づいてきています。大粒の雨も降ってきて、これで少しは涼しくなってくれるでしょうか。梅雨明けもそう遠い先ではないようです。
 そして、明日は旧暦の六月一日。新暦のカレンダーと旧暦の日付が一緒になります。それすなわち日付で月の姿が見えてきます。そんなことで7月はちょっと旧暦ワールドを楽しんでみましょう。

 いろいろとご紹介したい、お薦めの催しや音楽のライヴがありますので、今日は手短にリンクを張ってご紹介します。夏のひと時、ぜひお運びください。

110704hikarijuku ◆木津茂理マンスリーソロライヴ
7月4日(月) 渋谷・JR新南口すぐ『光塾』19:30開演 3000円

澤田勝秋さん(津軽三味線・唄)とのデュオユニット“つるとかめ”でお馴染みの木津茂理さん(太鼓・唄・三味線)が、先月からスタートさせた月例ライヴの第二弾。ノンマイク・ノンPAで繊細な音の響きを感じていると、いにしえの日本人の心が伝わって来る、そんな暖かく力強いライヴです。
詳しくは『光塾』ホームページで。 

“つるとかめ
プロデュース 青山民謡酒場
110706cayflyer 表参道・spiral地下『CAY』19:30開演 
前3000円当3500円
7月6日(水)
つるとかめ(澤田勝秋・木津茂理)+坂田明(sax)・仙波清彦(drums/perc)
7月7日(木)
つるとかめ+澤田勝司・澤田勝成・澤田勝春・澤瀉秋子
“暮らしのリズム”が制作のお手伝いをしています。『青山民謡酒場』第三弾。今回はつるとかめをたっぷりお聴き下さい。東北の被災地に向けた二人からのメッセージは、かの地の唄です。皆さんも手拍子・合の手でしっかりパワーを送りましょう。
詳しくは『CAY』ホームページで。

“暮らしのリズム”『居酒屋寄席~梅雨明けの会』
068flyer
出演:立川志の春
7月9日(土)渋谷・居酒屋ニュー信州
18:30開場 19:00開演
3500円(先ずの一杯と季節の味覚お楽しみつき)

志の輔一門の若手が独演でたっぷり聞かせます。今年二つ目に昇進したばかりの志の春さんは、堂々とした語り口と落ち着いた雰囲気で噺の世界に引き込み、聞くものの心をしっかり捉えます。将来がとても楽しみな逸材として注目を集めています。涼しげな夏の味覚と銘酒を揃えてお待ちしております。
詳しくはこのblogのこちらをご覧ください。

浅草寺 四万六千日(ほおずき市)
0630hozuki7月9日(土)・10日(日)
浅草・浅草寺境内

この日に観音様をお参りすると四万六千日(約126年分)のご利益があるとされる、年に一度の縁日が7月10日です。芝の愛宕神社で行われていた縁日のほおずき市が浅草でも行われるようになって、本家を凌ぐ盛況ぶりとなっています。その起源は「ほおずきを鵜呑みにすると、大人は癪を切り、子供は虫の気を去る」という言い伝えによるそうです。夏の情緒満載で江戸の風情を感じさせるとても素敵な縁日です。ぜひ浴衣で。
詳しくは『浅草寺』のホームページで。

佃島の盆踊り
0718iidatsuneo 7月13日(水)~15日(金)
子供の部18:00~ 大人の部20:00~
中央区佃一丁目 佃小橋と隅田川の間の道

およそ350年の歴史がある東京に唯一残る古い形式の盆踊りです。唄は「佃島盆踊り唄」のみ。単調な形式の唄と太鼓が延々と続きます。無縁仏の御霊を供養するのが本来の主旨ですが、今年は東日本大震災で犠牲に亡くなられた方の新盆です。供養し復興を祈念します。お身内の新盆を迎えられる方もぜひ踊りの輪に加わって供養してみてはいかがでしょうか。
詳しくは『“暮らしのリズム”的できごと』で昨年の模様をご紹介したこちらをご覧ください。


夏至、長い一日の悦楽

2011年06月23日 17時51分50秒 | まち歩き

 旧五月二十二日。今日は沖縄慰霊の日。1945年のこの日、沖縄戦の組織的戦闘が終結したことに因んでいます。鎮魂の思いを決して風化させてはなりません。
 昨日、6月22日は二十四節気の【夏至】でした

    陽熱至極し、また日の長さのいたりなるを以てなり
              
『暦便覧』(天明八年/1788年出版)

 このところ青空と陽射しに恵まれていなかった東京では、さらに前日の火曜日午後から抜けるような青空と、夏の強烈な陽射しが戻ってきました。もはや五月晴れという清々しいものではなく、盛夏を思わせる風情です。
 夏至といえば一年で一番昼間の時間が長い日。この日の東京の日の出時刻は4:25。日の入りは19:01でした。ということは14時間36分が日中で、9時間24分が夜、なのですね。

 ちょうどこの日は、完全オフにしようと決めていたので、それでは昼間の時間をたっぷり楽しんでみよう、ということで普段より少しだけ寝坊し起床は日の出時刻の4:25。久しぶりに朝から青空が広がり、これはさい先の良いスタートです。


0623fuji 東京の最高気温予想は32℃。緑が多く標高が高いところ、箱根を目指しました。 駅伝コースで箱根湯本を過ぎると、早川の水音が心地良く、標高が上がるに従って空気が徐々に浄化されて行くのが感じられます。一気に上り芦ノ湖に着いたのはまだまだ午前中。テレビのニュースでお馴染みの風景、芦ノ湖・箱根神社の鳥居・富士山が出迎えてくれました。
 箱根はたくさんの観光施設がありますが、なんと言っても豊かな自然と温泉が満喫したいものです。 そんなわけで俗っぽいところを極力避けて、清流沿いの森を歩き、いいエネルギーに満ちた滝
(写真左:小涌谷駅から歩いて15分ほどの千条の滝)を眺め、0623chisujinotaki小さな旅館で原泉掛け流し湯に浸かり、風呂上がりには振る舞って頂いた冷たい甘夏で咽を潤し・・・といった感じで過ごし、少し陽が傾き始めたかな、という頃に山を下りました。
 街に戻ってもまだ西陽が差し込み、ハンドルを握らなくて良くなれば、明るい時間の一杯です。日没の頃にはいい心持ちで、家に帰ってロウソクなどは灯すことなく早々と床に着く。何とも贅沢な夏至の休日でありました。

 震災以降、ますます省電力の声が高まり、始業時間を早める企業などが多くなっているそうです。いろいろな事情があってサマータイムの実施は困難なようですが、個々にこういう動きがあるのはいいことだと思います。みんな明るいうちから一杯やりましょう。この季節だけの贅沢なんですから。


梅雨に彩る花々を愛で

2011年06月15日 10時34分23秒 | 主催する催し

  旧五月十四日。旧暦五月も半ば、明日は満月です。どうもこのところすっきり晴れる日が少なく、月の満ち欠けをこの目で観ることがあまりありません。梅雨なので仕方ないですね。twitterで[moonagebot]をフォローしていると、1時間ごとに月齢・位相・輝面比・月距離とリンクで月の姿を画像で知らせてくれます。とても重要な情報ではないかもしれませんが、タイムライン上の時報代わりになるし、月と共に暮らしている気分で、なかなかいいものです。

 
0615shoubu梅雨どきの楽しみの一つに、紫陽花と花菖蒲があります。CyanからMagentaへ細かい階調で彩られる色彩や、無垢な純白の花々。青空の下強い陽射しを浴びているより、雲に覆われていたり、時には雨粒に濡れている風情の方が、しっとりと落ち着いていて美しいと思います。春に芽吹いた緑や、一足遅れて代謝する常緑樹の淡い緑と相まって、実は贅沢なハーモニーを奏でているのです。
 私にとっての癒しのスポット、浜離宮恩賜庭園は今、花菖蒲が見頃を迎えています。
0615hamarikyu本数を競ったら、もっとたくさん植えられている緑地や庭園、寺社の境内など名所は数知れずあるのですが、ここの水無しの小川に生える花菖蒲は一幅の日本画のようで、ずっと眺めていたい、と思わせるのです。
 写真を撮ったのは6/10(金)と、少し前でちょっと早いかな、という咲き具合でしたから、そろそろいい感じなのではないでしょうか。早かった分、紫陽花と皐月、花菖蒲の揃い咲きがまた見事でした。(写真左。右の木はいろはもみじ。風を頼りに受粉する控えめな風媒花も、こうしてみるとしっかり咲き誇っています)
 


五月雨、五月晴れは今日から

2011年06月02日 16時53分09秒 | 季節のおはなし

 旧五月朔。
 夜明け頃からシトシトと音も無く降り続く雨、まさに【五月雨
のイメージそのものです。梅雨入りが例年より少々早めだったので、もうすっかり梅雨時の重い雰囲気に浸ってしまっています。その一方で【五月晴れというと、この上なく爽やかな印象。強い陽射しをまだ若い木の葉が受け止めて、その下の木陰がとても心地良いものです。
 いずれも旧暦五月の風情。シトシトと降る五月雨の合間、皆の期待を背に晴れる貴重な日だけに、五月晴れは他の季節とは違う、より一層の有り難みを感じるのでしょう。
 今のところ街中の紫陽花は、咲いているところもあれば、まだもうしばらく、というところもあります。花の期間が長く、梅雨を象徴する存在です。なんとなく色彩の乏しいこの頃、目を休めに紫陽花の名所をゆっくり訪ねたいものです。
 梅雨の前半は、時々とても寒く感じる時があります。梅雨前線が南の海上にあって、前線より北にいると、北からの冷たい空気に晒されるからなのです。梅雨の頃は鰯などの光りものが美味しくなるのだそうです。このヒンヤリする頃には、やはりぬる燗が最高です。