"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

苔に魅せられて

2008年05月20日 13時51分47秒 | まち歩き

 旧四月十六日。5月だというのに早くも台風が二つも接近しました。今年は本州南の太平洋で海水温が高くなる傾向があるそうで、台風が大型化しやすくなるそうです。十分に用心して備えを怠りなくしたいものです。
 明日は二十四節気の【小満(しょうまん)】です。

万物盈満(えいまん)すれば草木枝葉繁る
            『暦便覧』(天明八年/1788年出版)

 気がつけば緑は一段と濃く、木々は鬱蒼とし、緑が清涼感を与えてくれる季節がやってきました。そんな時期だからこそなのか、特に気になるのが“苔”です。清らかな水辺、神社や寺の境内にある石段、普段視線も日差しもと届きにくいところに苔はひっそりと佇んでいます。0520koke そのままやり過ごしてしまえば何ということはないのですが、じっと視てみると、そこは小さな熱帯雨林の森のように見えてくるから不思議です。最近はミニ盆栽や、苔玉をインテリアに飾ることがちょっとしたブームになっていて、雑貨のお店などでもよく目にしますね。そんな気になる苔と親しくなれるきっかけを与えてくれそうなユニークな本をご紹介します。(写真はゴールデンウィークに那須に行った際に撮った清流の苔石です)

 その名も『苔とあるく』(田中美穂著・WAVE出版/2007)です。仲良くさせて頂いているイラストレーター、浅生ハルミンさんが、あの雰囲気のあるイラストをふんだんに提供しているご縁でこの本のことを知りました。

 初めて手に取ってパラパラとページをめくった時に心の中で「これだっ!」と叫んでいました。専門書のような難しさはなく、かといって苔の知識はおざなりにせず、とても自然にするする~っとその世界に引き込んでいってくれます。適当なマニアックさが、苔をなんとなく意識していた人にはたまらない距離感と肌触りを生むのかもしれません。

 本では、身近なところを探索するところから始まり、観察、研究でお勉強して、採集して標本にしたり、この世界にお友達を巻き込んだり、栽培し、最後には食べてしまう。というこれ以上の愛で方があるか、という内容になっています。緑が豊かで、水の流れが心地よく感じるこの頃。苔の世界に足を踏み入れてみるのはいかがでしょうか。
 苔とあるく
 


落語と長唄三味線のイベントをやります

2008年05月01日 13時52分39秒 | 主催する催し

 旧三月二十六日。今日は【八十八夜】です。立春(今年は2月4日)から数えて八十八日目。春爛漫のこの頃、4日後の5月5日はもう【立夏】ですが、昔から遅霜が多かったので、農繁期を迎える人々に注意を喚起する意味で、今から350年ほど前、暦に記されるようになったそうです。唱歌にあるように、茶摘みの季節でもありますね。それも温暖化の影響でしょうか、少しずつ早くなっているような気がします。

 久しぶりにイベントを開催することになりましたので、お知らせします。今回企画したのは“暮らしのリズム”にとっては初の試み、落語と長唄三味線のイベントです。長唄の一部分が寄席の出囃子になったていたり、歌舞伎の情景が登場する芝居ねたなど、落語と長唄は演じられる舞台こそ違えど、とても相性の良い芸能です。落語と長唄三味線のライヴを通じて、それぞれの楽しい魅力を感じていただければ嬉しいです。第二部ではご出演いただくお三方を交え、初夏の味覚と味わい、銘酒の杯を傾けながら、お時間許すまで楽しいお話を弾ませてください。
 出演は、成長著しい立川流若手のホープ、立川志の吉さんと、才色兼備な長唄三味線のデュオ・ユニット、スクイーズ☆ハジキーズの松永鉄駒さんと、松永鉄六さんです。皆さん、お誘い合わせの上、ぜひお運びください。

『噺と三味線~五月雨のたはむれ』
出演:立川志の吉、スクイーズ☆ハジキーズ(松永鉄駒、松永鉄六)
日時:6月14日土曜日 18:30開場、19:00開演
場所:渋谷・居酒屋ニュー信州
   渋谷区渋谷3-20-16  tel.=03-3797-6966  Map
木戸:4000円(先ずの一杯つき)
5月9日(金)より予約受付開始
30席限定、要予約 
ご着席は当日ご来場順になります。


立川志の吉

0501shinokichi昭和47年兵庫県生まれ。平成9年立川志の輔師匠に入門。平成15年に二つ目昇進。古典から創作まで、現代的な鋭い感性の高座に定評があります。現在都内数カ所で定期的に独演会を開催するほか、講談、公認会計士、イラストレーター等とともに異ジャンル・コラボレーションを行うなど、幅広く活動を行っています。 本年3月に開催された第1回「東西若手落語家コンペティション」で初代王者に輝きました。
(写真は平成17年12月10日、第6回【居酒屋寄席】の模様です)

スクイーズ☆ハジキーズ(松永鉄駒、松永鉄六)
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長唄三味線の魅力と楽しさを伝える才色兼備な女性デュオユニット。師である松永鉄九郎の下、松永流名取を取得し、2003年5月に結成。古典の長唄合方を中心に童謡、洋楽スタンダードを始め、戯曲タッチで聞かせる童話などをレパートリーに、親しみのある三味線音楽を披露しています。飾らないユーモラスなトークにも定評があります。西麻布のスペース[ホールDOZ]で毎月第三火曜日にライヴを行い、彼女たちの魅力がじわじわと広がって来ています。
(写真は平成19年5月15日、ホールDOZでの初ライヴの模様です)