とのさま不経済新聞 by 雲葉

「よるのとのさま」から改題(2013年2月1日)

ご利用は計画的に

2011年09月19日 | 新聞投書から
  調子に乗ってというわけではありませんが今日は2本立てで。

  朝日新聞デジタルで読んだ9月18日付「声」欄への投書です。投書者は大津市の55歳で高校教員という男性で、おそらく紙面へは大阪版への掲載だったのでしょう。

釈然とせぬ新幹線乗り継ぎ

  在来線から新幹線への乗り継ぎで釈然としない出来事に遭った。最寄り駅の始発に乗り、新大阪駅始発の九州新幹線「みずほ」に夫婦で乗車する予定だった。ところが京都駅を出た先行する電車に不具合が生じ、「遅れて運行しています」との車内放送が再三流れた。
  5分遅れで新大阪駅に着いたが、接続時間はわずか1分。猛ダッシュしたものの、九州新幹線のホームに向かう階段の途中で「みずほ」が発車する音を聞いた。
  頭では新幹線を遅らせるわけにはいかないと分かる。大雨、強風、事故などでこういう目に遭うということも理解できる。だが、いわば同じJRの車両に起きた不具合でこういう目に遭うことは何か釈然としない。次の九州新幹線に乗り換えの手続きをすると、乗車予定だった「みずほ」より50分遅い「さくら」だった。このため熊本には90分近く遅れて着くことに。
  今回は、漱石「草枕」ゆかりの熊本・玉名市の小天(おあま)温泉に早く着き、荷物を宿に預けて散策をと思っていたが、行けない箇所が出てしまった。
(引用終)


  これを読んで釈然としなくなったのはむしろ拙者です。どこがといいますと、“5分遅れで新大阪駅に着いたが、接続時間はわずか1分”というくだりです。

  おそらく投書者は東海道線701K列車(野洲駅始発0444時=土休日ダイヤ)に自宅最寄り駅から乗り、0554時に新大阪駅着、そして0600時発の「みずほ601号」に乗る予定だったのだろう。とすれば5分遅れで接続1分というのも辻褄が合います。

  そこでJTB時刻表を取り出し、新幹線と在来線との「乗り換えに必要な標準時分」というページを開いてみると、新大阪駅での東海道線との間は10分とあります。ちなみにこれは「おでかけネット」内にある新大阪駅の構内案内でも同じ時間で記されています。

  体力に自信があればそれ未満でも乗り継ぎは可能でしょう。しかし鉄道側が具体的な数字を出して案内しているなら、それより短い時間の列車は元から接続対象外と考えるのが当然でしょう。そうしなければ無理な乗り換えを鉄道側が自ら勧めていることになってしまいます。無理なスピードで大事故を起こしたのをもう忘れたのかと苦言を呈したくなります。安全は他人任せばかりで成り立つものではありません。

  旅行をするときは無理な行程を立てず余裕を持ってというのは基本中の基本です。しかも大津市といえば鉄道旅行の第一人者、種村直樹氏の故郷でもあります。そこの高校教師が無理な行程を立てておきながら半ば責任転嫁とは、氏がお元気なら生徒に示しがつきませんゾと苦い顔をなさったのではないでしょうか。

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