工藤鍼灸院・院長のひとりごと2

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チャレンジに失敗したシーズン

2019年11月27日 14時12分22秒 | サッカー馬鹿
シーズン終了から3日経ちました。残留できて本当に良かった。良かったけど、この順位で良かったわけではありません。様々な視点から今季、そして来季のクラブ強化とチームの方針について考えたいと思います。

本日は契約満了選手の発表が続々とリリースされておりますが、まずは昨日栃木SC公式からリリースされたニュース。



シーズン途中で辞任した新里氏の後を引き継いでいた山口氏が正式に強化部長に就任したようです。

前任の横山監督(現長野監督)は用意された選手を上手く起用して最適解を導き出すタイプでしたが、田坂監督は選手獲得にある程度の要求をするタイプみたいです。有能であっても現場が欲している選手でなければ、選手にとっても現場にとってもプラスにはなりません。
7月で辞任した新里氏は魅力的なプレゼンで有能な選手を獲得する一方、現場との意思疎通に欠ける面があったような気がします。決して見劣りしない戦力が揃っているにもかかわらず田坂監督が理想とするサッカーを構築できなかった背景には、少なからず現場と強化部間における齟齬があったことが感じられます。山口新強化部長には現場との意思疎通をしっかり図った上でチーム強化に当たっていただきたいです。

そんな背景もあり、今季の低迷はシーズン途中で辞任した新里氏の責任という意見もかなり見聞きしました。
強いて言えば選手数はもっと絞れたとは思いますけど、私個人的には今年の成績が新里氏の責任だとは思いません。

ラスト10試合の戦いを見れば判るとおり、田坂監督が就任会見で言っていた「攻守において走る、ハードワークする」という最低条件の選手は十分確保できていたはずです。その上で技術がある選手を獲得できれば良かったのでしょうけど、上手くて走れる選手なら年俸もそれなり。予算を考えれば、技術を取るか、ハードワークを取るかの2択になることは容易に想像できます。その上でバランス良く補強できていたはずです。強化に関しては少ない予算の中で上手くやりくりしていたと思います。
栃木フットボールマガジンには山口新強化部長が外国人選手の獲得のためブラジルまで出向いて視察していたという話が掲載されています。もちろんそれは素晴らしい仕事ぶりですけど、映像だけで判断していた新里氏の仕事は出費を抑える苦肉の策だったとも言えます。それ自体が悪い、良くないとは思いませんし、山口新強化部長の仕事が必ずしも正しいとも言えないような気がします。
誤解しないでいただきたいのは、決して山口新強化部長の仕事を批判するものではないということ。数年前には自らの仕事を放棄した上でクラブを訴えた強化部長もいましたからね、山口新強化部長のやり方でチームの強化に取り組んでいただければ、それは全力で支持したいです。

さて。

後方からのビルドアップ、しっかり繋いでポゼッションした上で相手を崩す。シーズン開幕当初から田坂監督が目指すサッカーがなかなか形になりませんでした。第10節ホーム長崎戦後に一度は「うまい下手に関係なく、栃木のために戦える選手を選んでいく(田坂監督談)」と語ったものの、未練があったのか、それとも思い切れなかったのか、田代選手や菅選手の起用に止まりわずかな変化しか生めませんでした。
第32節ホーム福岡戦終了後、ここまで「能力の部分でメンバーを選びながらチームを作ってきた(同談)」と話し、第33節ホーム鹿児島戦からは「全員が走って、全員で守って、全員で攻める(同談)」「まず闘う、まず走る(同談)」という戦い方へ完全にシフトチェンジ。チームが結果を残せるようになったのはここからでしたけど、それは就任会見で田坂監督が言っていた内容とも重なります。
戦術的には大きく違っても、ベースとなる部分で戦えたのは新里氏が交渉して獲得した選手たちがいたからこそ。むしろ自らが言う「走れる選手」をベースにポゼッションサッカーを目指すというやり方を最初から出来なかったのか。横山前監督のように極端に早いタイミングではなくとも、もう少し早めのタイミングで現実路線を見据えた戦術へシフトできなかったのか。シーズンを通して振り返ると、そんな思いが少なからず残ります。

いずれにしても、今季栃木SCが挑んだ“サッカースタイルを一変する”というチャレンジは明らかに失敗に終わりました。

最初から残留ありきの戦い方でシーズンを終わらせる方法もあったと思います。でも積極的にチャレンジし続けなければこのクラブには何も残りません。クラブとして、そしてチームとして様々な経験を積んだ今季のチャレンジは無駄ではなかったと思います。ただ、チャレンジする時期の見極めには失敗したと言わざるを得ません。そこはしっかり検証していただきたいです。

田坂監督はおそらく複数年契約。残留した以上は来季の続投も規定路線ですけど、今季の成績を考えれば納得できないサポーターも大勢いると思います。そしてここに来て田坂監督から発せられた、来季は白紙発言。そしてチームの強化方針はハードワークできる選手の獲得・・・。今季限りでの監督交代もあるでしょうし、規定路線どおり来季も田坂監督が指揮を執ることとなっても何ら不思議ではありません。
今シーズンをしっかりと検証し、早期に指揮官の続投もしくは交代をハッキリさえた上で、今後も前向きにチャレンジし続けるクラブであって欲しいと願っています。
コメント
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