イカの話

今朝、午前4時30分。私もぐっすり寝ておりました。
そんな早朝、突然電話が鳴りましてね。まぁ特別珍しい事でもありません。深夜でも早朝でも、時間を問わず患者さんからのお電話はございます。
ああ、また急患さんだと。そのように思いまして急いで飛び起き、電話に出ました。

はい工藤鍼灸院です、どうされました？

「・・・。」

もしもし、工藤鍼灸院です、どうされました？

「・・・。」

もしも～し。

「・・・うううううぅぅぅぅぅ、うううううぅぅぅぅぅ」

うなってる。どうしました？苦しいんですか？お名前言えますか？

「ううぅぅ、ううぅぅォォ、ううぅぅォォ」

まず落ち着いて、落ち着いてね、お名前、お名前言えそうですか？

「うううぅぅぅ、うううおおおォォォ、おおおォォォおおおおおお　　　ブチッ、プーップーップーップー・・・」

・・・あ、切れちゃった（・＿・；）
電話番号も非通知だし、今日一日ずーっと心配してます。誰だかわかりませんが、頼むから生きててくださいｍ（_　_）ｍ
坊主にこの話をしたら、イタズラ電話かおばけじゃないの？と言われました。イタズラならいいんだけどさ。おばけ？だったらもっとどうでもいいわ。もう死んでんだもん、また死ぬ事はないでしょ（＾＾；）



はいどーも。院長でございます。
深夜早朝おばけ、何でもばっちこい。
さて、本日はこんなお話を。



当院には婦人科疾患の患者さんが数多くご来院されます。月経異常だったり不妊症の方だったり症状は様々ですが、婦人科疾患の方には陽虚の患者さん（冷えている方）が非常に多いんですね。
本日初めてご来院頂いた患者さんも肝虚陽虚証でした。この証の方は肝が虚して冷えている、つまり血虚の状態になって冷えているわけですから、血を増やすような治療を致します。血が増えれば手足の末端にまで栄養が行き渡り、体を温かく保つ事ができるようになるわけですね。

ただ、いくら良い治療をしてもご自宅での養生が一番重要になって参ります。今日の患者さんにも「何か気を付ける事はありますか？」と訊かれました。
・・・気を配って頂きたい事はたくさんありますけどね、こういう場合、多くを望んでも結局は全てが中途半端になりがち（＾＾；）

ですからね、私は陽虚の患者さん・・・特に肝虚陽虚証の方には唯一、「食事はゆっくり、よく噛んで食べましょう」というお願いをしております。
よく噛んでゆっくり食べると、食べ物が細かくなって胃に入ります。すると消化吸収の効率が高まり、脾胃が盛んに働くようになって血の生成量が増えます。血が増えれば体が温まりやすくなるんです。



ちょっとお話しが逸れますけどね。



昨晩、ＮＨＫでダイオウイカの研究をしている方の番組をやってたんですよ。爆笑問題のおふたりがその道の専門家の先生と対談する番組やってるでしょ。あれ結構好きで、いつも観ちゃいます（＾＾＊）
ダイオウイカってのはいわゆる巨大イカ、おばけイカの名前でございます。

・・・あ、またおばけか（＾＾；）

閑話休題。

イカってのはものすごく成長が早い生き物らしいんです。1年で大人に成長し、卵を産み、そして死んでしまうらしいのですが、たった1年で大きく成長するイカは、様々な海の生物の餌になる。イカは捕食される側として、海の生態系にとってなくてはならない存在なのだそうでございます。

ここでひとつ疑問が。なんでそんなに早く成長できるのか？
その秘密はふたつ、餌の食べ方にあると。先生はそのように解説するのです。

まずひとつめは、長い触手。触手で餌を捕まえて食べる事ができるので、自分の半分くらいの大きさの生き物でも食べてしまうらしいんです。餌の大きさを選ばないので何でも食べられる。だから餌に困る事がない。ゆえに成長が早い。これがまずひとつめの理由ね。

そしてふたつめは餌の噛み砕き方。イカってのはクチバシ状の口でえさを噛み砕き、さらに口の中にある無数の歯で砕いた餌をさらに細かくすり潰して飲み込むのだそうな。餌は細かくなるので、消化器官での消化吸収の効率が非常に高い。だから1年という短時間で大きく成長する事ができるのだと、先生はそのように申しておりました。



はいようやく今日の着地点に到達（＾＾；）




人間もイカも、食べ方ひとつで大きく体が変わるんですね。よく噛んで食べれば胃腸がよく働いて栄養が効率よく吸収されるようになり、心身ともに健康になるというわけでございます。
冷えが気になる皆様、特に女性の方は、ゆっくりよく噛んでお食事してください（＾＾）



さて、磐田と仙台の入れ替え戦でも見るかな。