千の天使がバスケットボールする

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山崎拓氏「起訴相当」

2005-08-04 22:12:50 | Nonsense
博多での火遊びは、なんとか無事鎮火させた。週刊誌で夜遊びが暴露された時には、文通相手だった妻にネクタイをもってひきずり回されたが、娘たちとともに夫として、父親としてもうひとふんばり自分たちのために働いてもらおうとの計算が、選挙結果に結びついた。復活おめでとう、山崎拓議員さま。
けれどもその喜びと妻の監視も消えぬうちに、政治家として次なる危機がやってきた。

日歯事件で3千万迂回献金疑惑「山崎拓氏、起訴相当」 (読売新聞) - goo ニュース

半年前、私が検察審査員になった頃は、日本歯科医師会による1億円ヤミ献金事件で、橋本元首相に対して東京第2検察審査会が、「不起訴不当」と議決した頃だった。残念ながら、青木官房長長官が断言したように、再捜査なるものの東京地検は、嫌疑不充分として再び不起訴にした。
これで事態はしけた線香花火のように終わったと思っていたが、民主党議員はあきらめなかった。そして検察審査会のメンバーは、議決したのである。
議決の要旨を読んだが、今回の疑惑は下記の要点にしぼられる。

①日歯側が指定した議員に「国民政治協会」、自民党本部を経由して献金
②実際は議員に献金するが、収支報告書には「国民政治協会」と虚偽の記載があった。

山崎前副総裁を起訴すべき理由の要旨

①日歯連の01年度会計現金出納簿には、山崎(他2名)衆議らに分けて献金したのはあきらか。自民党への献金ではないのは、明白。
②事件関係者の供述に、食い違いがあり信憑性がうすい。検察官の取り調べが不充分である。
③山崎前副総裁の「自民党の献金として、紙袋に入った現金5000万円を、幹事長室ロッカーに一ヶ月弱置いたままにした」という供述は、大金をそのように扱うとは常識では考えにくい。当日都内の料亭での会食に出席した、日歯連前会長の「現金が入っていると思われる紙袋が3つあった」という供述と一致しない。
④山崎前副総裁は、献金3000万円を政治資金規制法(カネの流れを透明にする法)にのっとって会計責任者に処理させる義務がある。幹事長の立場で迂回献金の手法を用いており、規制法違反である。

献金があった2001年11月は、日歯が「かかりつけ歯科医初診料」の要件緩和を、陳情している時期だった。「少子高齢化歯科診療報酬等に関する小委員会」のメンバーが、今回の疑惑のお金を受け取った議員たちである。議決の要旨を読む限りでは、不起訴不当だと誰もが思うだろう。そもそも検察審査会で不起訴不当と議決されるのは、全議決の7%前後である。(私が半年間審査員だった時は、11件中2件が「不起訴不当」だった。私個人としては、1件だけが不起訴不当。)起訴相当にもちこむには、11人中8人が「起訴相当」と決議しなければならない。起訴相当の件数は、全体の0.1%~0.3%程度しかなく、不起訴不当よりも重い意味をもつ。だからはっきり言って、「こいつは起訴して処罰すべきだ」という確信にいたるまで、「起訴相当」に1票は投じることはできない。
”5000万円の現金の入った紙袋をロッカーの中に放置しておく”、まさに一般市民からかけ離れた感覚のこの供述に、審査会のメンバーは「11人の怒れる男たち」になったのだろう。女性関係のもつれは、プライベートなちょっとした失態と免罪されるが、さすがに今回は逃げられない。
今度は法律が、山崎拓前副総裁のネクタイをもって、法廷という国民が監視する場へひっぱりだされることを覚悟していただきたい。

その後民主党の佐々木秀典、辻恵議員は7月29日、日本歯科医師連盟(日歯連)の献金隠し事件をめぐり、不起訴となった自民党の橋本龍太郎元首相や山崎拓前副総裁らを起訴するよう東京地検に申し入れた。申し入れ書では、7月19日に東京第2検察審査会が、山崎前副総裁を「起訴相当」と議決したことについて「迂回(うかい)献金を野放しにすることは許されないという国民のメッセージを受け止め、誠実な捜査が行われることを要請する」とした。