宇宙のこっくり亭

意識の覚醒に向かって、精神世界を縦横無尽に語る本格派ブログ!!

日本は「特別な地」

2012年12月19日 | こっくり亭日記
  
最近の日本人は、遅まきながら国防意識に目覚めてきている。

中国や韓国のメディアでは、「日本は右傾化してきた。危険な傾向だ」ということになっているようなのだが、アメリカでは、ある新聞に「今までの日本が、国防に関心なさすぎて異常だっただけだ。最近は、やっと普通になってきたんじゃないか」という評論が掲載された。

日本人が東アジアの厳しい現実に目を覚ますのは当たり前だと思うけど、ちょっと遅すぎたかもしれない。というのも、中国にしても北朝鮮にしても、国の内部はガタガタで、いつまで「脅威」でいられることやら。東アジアにおける冷戦の終結と、劇的な平和の訪れは、すぐそこまで来ていてもおかしくない。
 
筆者の場合は、国全体の流れとはむしろ逆に、以前より政治的に穏健になってきた感がある。以前はなんだか、もっと国粋主義っぽかった。かの「神は死んだ」の哲学者ニーチェは、子供の頃はキリスト教が大好きで「ちびっこ牧師」と言われてたらしい。それを言うなら、子供の頃の筆者は、「ちびっこ国士」といったところ。
  
「外見がとても幼く見える、人形みたいにかわいい子供」と言われていたけど、そんな子供が、「ロシア・中国・朝鮮・・・。これらの粗暴な大陸諸国に囲まれた、神州日本を守らねばならぬ」とかなんとか主張するのだから、周囲はビックリだ。それだけでなく、日頃から日本神話を愛読し、「神武、綏靖、安寧、懿徳、孝昭、孝安、孝霊、孝元、・・・」と続く、歴代天皇の名を初代(神武天皇)から124代(昭和天皇)まで全部暗誦していた。
 
家庭内では、政治的に孤立していた。それ以前に、家族とは、スピリチュアルな面でも考え方が違いすぎて話がカミ合わなかった。ましてや、小学校では、何を言ってるのか同級生に理解されず、目を白黒されていた。
 
当時、1970年代から80年代前半までの日本にとって「脅威」といえば、なんといっても、北海道のすぐ近くまで大軍を展開している「極東ソ連軍」を指していた。超大国のソビエト連邦は、いつ日本に攻め込んでくるか分からない危険な強敵。それに比べて、中国・北朝鮮・韓国などは、今じゃ考えられないほどマイナーな存在だった。国際情勢のマニアならともかく、一般の人には「脅威」と言ってもピンと来なかった。
 
筆者は一時期、日本海側に住んでいたので、「ときどき、海辺で子供が行方不明になる。あれは、北朝鮮の船に連れていかれているのではないか」という地元のウワサを耳にしていた。でも、当時は中国や北朝鮮を批判しようものなら、「平和が壊れる」と言って怒られた時代。むしろ逆に、「日本こそが侵略国家であり、反省しなければならないのだ」ということになっていた。当時の日本人にとって、中国・北朝鮮・韓国その他は、「永遠の弱者」みたいなものだったのかもしれない。

その後、90年代に入り、ソ連が崩壊して東西ドイツが統一した。さらに、驚くほどの速さでアジア諸国が発展し、地表の勢力図は激変してきた。

そんな中で筆者は、大学生になっても相変わらず。正月は皇居の参賀、お盆は靖国神社の参拝、秋は三島由紀夫の憂国忌・・・という日々。

その後、会社で勤務地が名古屋になり、車で走り回っていたときは、ちょくちょく伊勢参りしていた。「また伊勢神宮に行くの?」とアキレられると、「じゃあ、今日はちょっと足を伸ばして、京都の神社に行こうか」という調子だった。

なんで、そんなことを今になって思い出したかというと、「オイカイワタチ」を読んだのがキッカケだ。

というのも、「日本は神の国だ、地球にとって特別な地なのだ。この地に生まれた我々には、特別な使命があるのだ」を繰り返し強調するオイカイワタチを見て、「これは、ずいぶん過激だな」というのが正直な感想だった。
 
でも考えてみれば、自分も昔はそれに近かった。
 
とはいっても、「日本は特別な地なのだ」というのは、今となっては疑わしいところもある。
 
少なくとも精神世界に関して、現在の地球における中心地と言えるのは、どう見てもアメリカ、特に西海岸だ。この分野では、ほとんどの新しいものがアメリカから登場して、それから世界に広がっている。明らかに、この分野の中心は、日本ではない。

「日本は特別」を主張する人の多くが理由に挙げる、「東洋文明の端にあって、西洋文明が流れ込み融合する地だから」というのも、どうかと思う。長いことイギリスの統治を受けていたインドや香港、フランスの統治を受けていたベトナム・・・その他にだって、西洋文明は存分に流れ込んでいる。アメリカ西海岸も、逆に、まさしく西洋文明の端にあって、東洋文明が流れ込んでいる地だ。
  
もうひとつは、「特別な国なのだ。特別な使命があるのだ」というような考え方が、過激な新興宗教の温床になっているのを目の当たりにして、危険を感じるようになったからだ。これについては、新興宗教の勧誘員が、「日本に生まれた私たちには、特別な使命があるのですよ」としつこいので、「なんだか、自分と考え方が似ているな。これは、危険だ」と思うようになった(笑)。
  
まあ、それは、大人になってから客観的に見てそう思えるようになった、ということ。
 
でも、人は往々にして、最初の直感が合っているものだ。試験でも、最初にピンときた答が合っていて、後からじっくり考えた答が間違っていたということはよくある。
 
してみると、やはり日本は「神の国」というのが本当なのかもしれない・・・。