宇宙のこっくり亭

意識の覚醒に向かって、精神世界を縦横無尽に語る本格派ブログ!!

いよいよ、リビアで戦争が始まった

2011年03月21日 | こっくり亭日記
 
日本では、大地震と大津波に続いて、原子力発電の大事故が誘発された。いずれも、日本はもとより、世界の歴史にも前例がほとんどないほどの大事件で、世界中から注視されている。

その影に隠れて目立たないのだが、リビアではいよいよ戦争が始まった。カダフィ大佐が率いるリビア政府軍と、東部に勢力を張る反政府軍の戦闘に、イギリス・フランス・アメリカの3国が主導する多国籍軍が、ついに軍事侵攻を開始したのだ。
 
今のところ、世間はこの件にほとんど反応していない。もちろん、日本の国内でこれだけの非常事態が起きているのだから、その分、海外ニュースへの関心が薄れるのは当たり前なのだが、それにしたって、ペルシャ湾岸戦争やイラク戦争のときと比べて、世間の反応は静かすぎないか?
 
昨年、オバマ大統領がアフガニスタンに米軍を増派したときも、ブッシュ大統領がイラクで同じことをやったときと比べて、平和主義者の反応があまりに静かなので、筆者は違和感を覚えずにいられなかった。今回の多国籍軍によるリビアへの軍事介入だって、イラクとクウェートの戦争に多国籍軍が介入したときと、本質的な違いは特にない。平和主義者は、今回はフランス大使館の前に集まって「戦争反対、戦争反対!」のシュプレヒコールをやるつもりはないのだろうか?
 
まあ、平和主義者に文句を言っても仕方がない。問題は、リビアがこれからどうなるかだろう。
 
今回は、伝統的に北アフリカに大きな影響力を持つ対岸のフランスが、イギリスと並んで多国籍軍を主導している。イラクのときとは逆で、軍事介入に積極的なフランスの勢いに、慎重なアメリカが巻き込まれた形だ。そのほか、中東からはサッカーでおなじみのカタールが参加し、ベルギーやオランダといった欧州諸国も加わった。多国籍軍は反政府軍を明確に支持しており、カダフィ勢力を攻撃している。結局のところ、処刑台に立たされたイラクのフセイン大統領と同じで、「独裁者の排除」が欧米諸国の目標だ。
 
1960年代の終わりごろからリビアを支配し、1988年の米パンナム機爆破事件では死者270人を出して、「中東の狂犬」と世界中から恐れられた独裁者カダフィ。1986年には、米軍が明らかにカダフィを狙ったリビア爆撃を行い、カダフィ自身は生き延びたものの、家族の一人が死んだ。今度こそ、カダフィは国際社会から排除されそうだ。
 
カダフィは、「これは十字軍による進攻であり、さらなる大規模な十字軍戦争を呼び起こすものだ!」と国営放送でまくしたているらしい。これまた、イラクのフセインと似た発言だ。でも、アラブ諸国の反応は冷たい。国内でも見放されたカダフィ政権は、もう長くなさそうだ。
 
チュニジア→エジプト→リビアと、ドミノ倒しのように中東の独裁者がバタバタ倒れている。はたして、この流れが他のアラブ諸国にも広がるのか。さらには、東の北朝鮮と並び、世界最大の頭痛のタネである核開発国のイランに、この流れが及ぶのかどうか。世界の関心は、ここに注がれている。もっとも、アラブ諸国の王族や独裁者たちも、手をこまねいているわけではない。すでに、インターネットを規制するなどの手を打っているらしい。中東諸国だけではない。中国政府までが、「われわれが崩壊すれば、東アジアは収拾のつかない大混乱に陥る」という脅し文句を吐いているところを見ると、この事態には本気でビビっている様子。
  
中東は、地球上でもっとも偉大なる歴史と文明を誇る地域だ。まさしく人類の故郷であり、文化の発祥地。お隣のヨーロッパやインドは言うまでもなく、中国だって、漢の時代から、シルクロードや海上貿易を通じて計り知れない文化的恩恵を受けてきた。この地域が人類全体の集合意識に及ぼしている影響は、非常に大きいと思われる。中東の人々の意識変革は、地球全体に大きな影響を及ぼすハズだ。かつて、ソ連や東欧諸国がバタバタと倒れて、東西冷戦が終結したとき、「次は、キリスト教国とイスラム教国による百年戦争が始まる」と多くの人々が言っていたのを思い出す。イスラム勢力が変われば、そんな流れも断ち切られることになる。
 
当分、この地域の動きから目が離せそうにない。2011年は、激動の年になりそうだ。