miniな舞台

観劇記録+日記@不定期更新。俳優・内野聖陽さんを勝手に応援中!時々サカナクション。

今後の観劇予定

直近はナシです… コロナめ!

No.554 「謎の変奏曲」

2017年09月23日 22時39分58秒 | 過去の観劇記録
2017年9月23日(土・祝) マチネ 世田谷パブリックシアター 1階 O列 センターブロック

アベル・ズノルコ=橋爪功、エリック・ラルセン=井上芳雄。
作=エリック=エマニュエル・シュミット、演出=森新太郎、翻訳=岩切正一郎、他。

ノルウェー沖の孤島で、一人暮らしをしているノーベル賞作家アベル・ズノルコの許へ、地方新聞の記者と名乗るエリック・ラルセンという男がやってくる。ズノルコの最新作、恋愛小説「心に秘めた愛」についての取材のためだ。ラルセンは、屈折したズノルコに手を焼きながらもインタビューにとりかかる。
ある男と女の往復書簡に実在のモデルは存在するのか? なぜ突然ぷっつりと、この手紙のやりとりは終わってしまったのか? 記者嫌いのズノルコが特別にラルセンの取材に応じた理由とは? ズノルコにとっての愛とは?
すべてが謎であった。
まさに白夜が終わり、夜の季節に移り変わろうとするその日の午後、こうしたラルセンの意味ありげな質問は続き、やがて二人をめぐる衝撃的な真実が次第に明かされていくのであった。
(あらすじは公式HPより)

いや~!いいっ!ストプレ観たっっっ!って感じ。
橋爪功さん、「ドレッサー」以来だと思うんだけど、さすが。面倒くさいのに可愛らしいズノルコw
セリフの緩急や間合いがタマラナイ。
その大きな胸を借りての井上芳雄。うぉぉ~。橋爪功さんと井上芳雄くんがガップリ四つに組む舞台なんて考えもしなかったよ!

まずは脚本が素晴らしい。あと森新太郎さんの演出。岩切さんの翻訳。
劇場がもたらす雰囲気と、じわじわと白夜から暗くなる照明(照明=佐藤啓)や、ズノルコの家のセット(美術=伊藤雅子)も良かった。

だいたい来た人にライフルぶっ放す狂った人なんて、相当いないからねw(このやりとりが3回あるんだけど、それぞれに違った反応・笑)
どちらかが優位に立ったり、うちひしがれたり、あるいは自慢してみたり、とコロコロと立場が変わるのも面白かった。
思った以上に笑えるシーンやセリフがあった。
それとズノルコの旅支度を調えるラルセンが可愛すぎる(妻か!?)←シャツをたたむ姿が板についているw
ズノルコに「よしよし」されるヨシオw

私は、観ててエレーヌ(ズノルコが愛した女性であり、またラルセンが愛した女性でもある)が羨ましいな、と思った。
死してなお愛される女性。
ズノルコは手紙の中だけの、ミューズのように神格化した女性として生き続け、ラルセンにとっては、たった2年の結婚生活であったが間違いなく愛した女性。そしてズノルコとのやりとりの中で「生きている彼女」を通して、ズノルコ本人を愛しはじめる。
『愛に性別は関係ないんですよ…』
と言うラルセン。

『エレーヌが一人である必要なんてあります?』というセリフも深かったなぁ。リアルな生活の中だって、たとえば会社にいる自分と家にいる自分とでは違う自分かも知れない。
友人といる自分と、家族といる自分も同じか? みな2面以上の自分を持っているんじゃないだろうか。

末期ガンのエレーヌを自宅で介護するラルセン。『2時間以上かけてリンゴを食べさせ、このまま死んでくれと思った… そう思う自分に嫌気がさした』(意訳w)これも、なんか凄く解る。

私はかなり面白く観劇したのだが(特に2幕!)客席ではオネムの方も多かったらしく(^_^;)
ご年配の方もそれなりにw(ばーちゃん上演中に鼻かむの!)

カテコの橋爪さんとヨチオが、またカワユス!
握手してみたり互いに拍手を送りあったり。
橋爪さんに手をひかれてシモテにハケていくヨチオ!
次のカテコでは、橋爪さんとヨチオが腕を組んで(ヨチオが女子仕様♪)ヨチオ、スキップしながらハケていきましたぁ~!