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観劇記録+日記@不定期更新。俳優・内野聖陽さんを勝手に応援中!時々サカナクション。

今後の観劇予定

直近はナシです… コロナめ!

No.514 「あわれ彼女は娼婦」

2016年06月20日 22時14分06秒 | 過去の観劇記録
2016年6月19日(日) マチネ 新国立劇場・中劇場 1階 9列 50番

ジョヴァンニ=浦井健治、アナベラ=蒼井優、ソランゾ=伊礼彼方、ボナヴェンチュラ=大鷹明良、ドナード=春海四方、ポジオ=佐藤誓、プターナ=西尾まり、リチャーデット=浅野雅博、ヴァスケス=横田栄司、ヒポリタ=宮菜穂子、グリマルディ=前田一世、バーゲット=野坂弘、フィロティス=デシルバ安奈、フローリオ=石田圭祐、枢機卿=中嶋しゅう、他。
作=ジョン・フォード、翻訳=小田島雄志、演出=栗山民也、美術=松井るみ、照明=服部基、マリンバ=中村友子。

中世のイタリア、パルマ。
勉学に優れ、人格的にも非の打ち所がないと将来を嘱望されるジョヴァンニは、尊敬する老修道士に、類まれな美貌の妹アナベラを女性として愛していると告白し、修道士の忠告も聞かずにアナベラに気持ちを伝えてしまう。
愛するがゆえに、ついに道ならぬ恋に身を委ねる二人。
兄妹の運命は、いかに……。
(あらすじは公式HPより)

とにかく!舞台美術&照明、それとカミテ端でナマ演奏されるマリンバの音…
どれもこれも美しく、栗山さんの演出と相まって非常に満足しました。
ま、ハナシの内容は別物ですが(^_^;)

5列まで潰して張り出し舞台、かつ八百屋。カミテ奥からシモテ手前までナナメに、どす赤い色が塗られた巨大な十字架。十字架の端はめくれている。シモテ側手前には地下からの出入り口。それと段々畑のような階段には無数の花びらが敷き詰められていた。
奥には大きな扉があって、またそこからキャストが出入りするときの照明たるや、何たる美しさ~
場面によっては天井から床まで光の柱が登場したり、ロウソクの炎が怪しくゆらめいたり。

それとアドリブでつけられるマリンバの優しくも力強い音はスゴイ効果的。なかなかマリンバを単体で使うことは無いと思うのだけど、こんなにも合うなんて。

しかし時々セリフが聞き取りづらい。マイクのせいなのか、舞台奥の時はとても良く聞こえるのだけど、中央付近にくると途端に反響してしまって、その点 残念であった。

ハナシのスジは何とも…orz
という感じだが(汗)女性の扱われ方はヒドイね~。
ジョヴァンニはバレなければ傷一つ無い紳士として扱われる予定だったわけで(それをアナベラは望んでいたけど)
それなのに女たるアナベラは妊娠してしまい、夫からはDVだし兄に殺されるし心臓えぐられるし!
アナベラの乳母プターナもおしゃべりじゃなければ あんな目に逢わずに済んだかも。
あとヒポリタもソランゾの甘い誘惑に負けず、かつ復讐に燃えずヴァスケスを信頼しなければ(!)

もー。ヴァスケスの横田さんが美味しいわ~(笑)
イタリア人の召使いたるスペイン人だったヴァスケス。最後には彼が一人勝ちだったのか。
ちょっと生臭いw枢機卿の中島しゅうさんもいいわー。
深イイ声で改心しちゃいそうな(?)修道士の大鷹さんも良し。
アナベラに求婚する一人、おバカのバーゲット&その召使いポジオ&バーケットの伯父ドナードは一服の清涼剤。
バーゲットってば残念すぎたわ… アナベラには振られるわ(そもそも伯父ドナードが乗り気だっただけのような気もするが)
おバカ扱いされるわ、せっかくリチャーデットの姪フィロティスとイイ仲になるも、間違われて殺されちゃうし…

謎なのが
●リチャーデットはなぜ姪を連れてきたのか(処女のまま修道院へ入る、というくだりの必要性に迫られたからなのか?)
●リチャーデットの復讐の相手はソランゾなワケで、それは多分 元妻(ヒポリタ)を寝取られたせいだ、と私は思ったのだけど、でもヒポリタが死ぬシーンではそれほど悲しんでいるわけでもない所
であります。

美しく輝くお兄様☆な浦井大先生のジョヴァンニ。特には2幕後半、アナベラを殺してからの演技はサスガであります。
蒼井優ちゃんのアナベラ。兄妹じゃなければ何とお似合いな2人だったろうに。互いに愛し愛されて。
結ばれてすぐに妊娠?と思ったら9ヶ月間も関係があったのね(^_^;)
地べたに這いつくばって慟哭したり、ソランゾに髪の毛引っ張られたり、殺されてからは兄に引きずられたり色々カラダ張ってました。
少女が女になり母になり。
ジョヴァンニとアナベラの父フローリオは妻を亡くし、2人の自慢の子供を育ててきたのに この事実!そりゃ急死してまうわな…
アナベラの求婚者のうちの一人グリマルディは誤ってバーゲットを殺してしまうけど、枢機卿のお気に入りだったというだけで、追放だけってオイオイ。
そしてアナベラと結婚する(アナベラの妊娠を隠すためでもある)ソランゾ。結構激しい性格で…
ヒポリタとも愛を交わし合ったハズなのに無かった体?おぼっちゃまで外ヅラは最高だけど性格は歪んでるわね。
またそんな役がぴったり(笑)の伊礼くんなのでしたw

e+貸切公演の為、終演後に挨拶あり(浦井&蒼井)
衣装のままなので、浦井くんは血まみれなんだよね…
「(まだ役が抜けきってないのに)急に挨拶して、って言われた」とか言ってました。
伊礼くんがカミテから現われて、何か喋るんじゃないかと思ったら、舞台上に落ちていた剣を拾ってそのままシモテにハケていくだけ、という(爆)
そしたら浦井くんが「前に『彼方へ』っていう写真集出してね、物販で隣に伊礼くんの写真集が並べて置いてあって、どれだけ伊礼くんが好きなんだ!と思われそう」とか(笑)
あとは「チケット取るならe+!」
蒼井「今日の点数はどうですか?」浦井「それはお客さん次第ですよね~」客席拍手
浦井「(蒼井ちゃんが)最初出る時に右足を後ろにピョンとやるでしょ?あれって何なの?」蒼井「それはどうでもいいでしょ~(はぐらかす)」
最後に二人してハケるときに謎のダンス踊りながら去っていきましたw