2015年4月5日(日) マチネ パルコ劇場 B列 24番
井上芳雄、鈴木砂羽、前田亜季、高橋努、岩瀬亮、有川マコト、小島聖、近藤正臣。
作・演出=蓬莱竜太
同窓会を舞台に複雑に絡まる人間関係、次々と暴かれていく過去の事実…
「正しい」のは誰か、何が「正しい」のか、今過去の清算が始まる…!
(あらすじ?はパルコ劇場HPより)
パルコのストプレなのに開演12時って珍しく早い。しかも1幕モノで2時間。
とある地方の小学校の教室。そこで同窓会を開こうと、その小学校の教師でもある菊池(井上)が企画し、当時の同級生達が集まってくる。
皆何か問題を抱えてるけど表面上は大人な対応。だけど来て欲しくなかった当時の担任(寺井先生=近藤)が現れ、知りたくもない・思い出したくもない過去が次々と露呈していく。
昔は色々な先生がいたよなぁ、とちょっと感傷に浸る。ゲンコツで頭ぶたれたり、給食で残った揚げ焼きそばをクラスの殆どが立ち食いして担任にこっぴどく叱られたり、とそんな甘酸っぱい(?)思い出。と共に、「学校」とは「先生」とは何なのかを考えされられる。
4日に観た「禁断の裸体」とは正反対の作品に見えるけど、ある意味“人間の奥底にある何か”は同じなのじゃないかと、ふと思ったりして。
6年生のクラス担任の菊池は、生徒からも親からも慕われる“素敵な”先生で有名だったけど、ある一人の女子児童が書いた書き初め“絶望”に頭を悩ませていた。いわゆる優等生を演じていた菊池の暗い闇を井上くんが好演。
生徒と先生は「個人vs個人」だと寺井のセリフがグサっと刺さる。皆から愛されなくても良い… 「希望」と書いた児童の中の、本当にサインも出せない児童の事を考えてやれ、と寺井が言うのだった。
でもその寺井って先生は本当に今なら懲戒処分モノの先生で(笑)そんな先生によく3年間も→そりゃ落とし穴だって掘りたくなるよなー
クラスのマドンナだった小西(鈴木)は息子を溺死で亡くして間もなく、憔悴しきっていた。妹(前田)に連れられて同窓会にやってきたけど、なんだか精神状態が不安定。
高橋さん演じるのはクラスのボス。ちょっと暴力的だけど情にはアツイ。奥さんと一緒に町の食堂をやってたけど奥さんに逃げられ、あげく自分で作った食事はカレーですらマズイらしい(^_^;)
有川さんは誰からも良く覚えてもらってない、悲しき「みそっかす」キャラ。どうやら謎の成功(完全にネズミ講)でヅラ被って(いいネタだよー。本当に。このヅラだけでどれだけ助けられたか!)登場。
小島聖ちゃんは、学年に一人くらいいたオマセな女の子だった(今は公務員のようだが、着てきた服はピンク色のスーツで水商売風w)
教室で呑んでていいのか?(だいたい最近の学校は「関係者以外立ち入り禁止」の所が多いしな…)とツッこんでおく(笑)
中盤以降で各役の膿がドロドロ出ているなか、なぜか涙が出てきた。
ワタシの学生時代は何だったのかなぁ。ちょっと鬱陶しい、気持ちワルイ人間だったと思うわ。
この舞台もラスト、救いは無いが爽やかな気分になった。
やっぱり脚本と演出は大事。なのだよ。