miniな舞台

観劇記録+日記@不定期更新。俳優・内野聖陽さんを勝手に応援中!時々サカナクション。

今後の観劇予定

直近はナシです… コロナめ!

No.472 「正しい教室」

2015年04月05日 22時20分31秒 | 過去の観劇記録
2015年4月5日(日) マチネ パルコ劇場 B列 24番

井上芳雄、鈴木砂羽、前田亜季、高橋努、岩瀬亮、有川マコト、小島聖、近藤正臣。
作・演出=蓬莱竜太

同窓会を舞台に複雑に絡まる人間関係、次々と暴かれていく過去の事実…
「正しい」のは誰か、何が「正しい」のか、今過去の清算が始まる…!
(あらすじ?はパルコ劇場HPより)

パルコのストプレなのに開演12時って珍しく早い。しかも1幕モノで2時間。
とある地方の小学校の教室。そこで同窓会を開こうと、その小学校の教師でもある菊池(井上)が企画し、当時の同級生達が集まってくる。
皆何か問題を抱えてるけど表面上は大人な対応。だけど来て欲しくなかった当時の担任(寺井先生=近藤)が現れ、知りたくもない・思い出したくもない過去が次々と露呈していく。

昔は色々な先生がいたよなぁ、とちょっと感傷に浸る。ゲンコツで頭ぶたれたり、給食で残った揚げ焼きそばをクラスの殆どが立ち食いして担任にこっぴどく叱られたり、とそんな甘酸っぱい(?)思い出。と共に、「学校」とは「先生」とは何なのかを考えされられる。
4日に観た「禁断の裸体」とは正反対の作品に見えるけど、ある意味“人間の奥底にある何か”は同じなのじゃないかと、ふと思ったりして。

6年生のクラス担任の菊池は、生徒からも親からも慕われる“素敵な”先生で有名だったけど、ある一人の女子児童が書いた書き初め“絶望”に頭を悩ませていた。いわゆる優等生を演じていた菊池の暗い闇を井上くんが好演。
生徒と先生は「個人vs個人」だと寺井のセリフがグサっと刺さる。皆から愛されなくても良い… 「希望」と書いた児童の中の、本当にサインも出せない児童の事を考えてやれ、と寺井が言うのだった。
でもその寺井って先生は本当に今なら懲戒処分モノの先生で(笑)そんな先生によく3年間も→そりゃ落とし穴だって掘りたくなるよなー
クラスのマドンナだった小西(鈴木)は息子を溺死で亡くして間もなく、憔悴しきっていた。妹(前田)に連れられて同窓会にやってきたけど、なんだか精神状態が不安定。
高橋さん演じるのはクラスのボス。ちょっと暴力的だけど情にはアツイ。奥さんと一緒に町の食堂をやってたけど奥さんに逃げられ、あげく自分で作った食事はカレーですらマズイらしい(^_^;)
有川さんは誰からも良く覚えてもらってない、悲しき「みそっかす」キャラ。どうやら謎の成功(完全にネズミ講)でヅラ被って(いいネタだよー。本当に。このヅラだけでどれだけ助けられたか!)登場。
小島聖ちゃんは、学年に一人くらいいたオマセな女の子だった(今は公務員のようだが、着てきた服はピンク色のスーツで水商売風w)

教室で呑んでていいのか?(だいたい最近の学校は「関係者以外立ち入り禁止」の所が多いしな…)とツッこんでおく(笑)
中盤以降で各役の膿がドロドロ出ているなか、なぜか涙が出てきた。
ワタシの学生時代は何だったのかなぁ。ちょっと鬱陶しい、気持ちワルイ人間だったと思うわ。

この舞台もラスト、救いは無いが爽やかな気分になった。

やっぱり脚本と演出は大事。なのだよ。

No.471 「禁断の裸体」

2015年04月05日 21時35分52秒 | 過去の観劇記録
2015年4月4日(土) ソワレ シアターコクーン 1階 ●列 ●番

エルクラーノ=内野聖陽、ジェニー=寺島しのぶ、パトリーシオ=池内博之、セルジーニョ=野村周平、おば=宍戸美和公・池谷のぶえ・木野花、オデージオ/警察署長=米村亮太、召使い/童貞の客/医者=古澤祐介、ニコラウ神父/ボリビア人=榊原毅。
作=ネルソン・ロドリゲス、演出=三浦大輔、他。

帰宅したエルクラーノは、ジェニーが残したカセットテープを聞き始める。
その告白から物語は遡っていく…。
エルクラーノは妻の死後、息子であるセルジーニョと彼を溺愛する3人のおばたちと共に暮らしていた。おばたちはエルクラーノが妻の死を乗り越えられていないことを心配し、彼の弟であるパトリーシオに神父に相談するように勧めるが、彼は神父さまのところへは行かず、馴染みの娼婦、ジェニーのところへ行き、エルクラーノと関係を持つよう持ちかけ、彼女の裸の写真を持って帰る。
弟の言うことに憤怒するエルクラーノだったが、写真を見て心を乱し、泥酔状態でジェニーを訪ね、そこで3日間ともに過ごしてしまうが、彼に心を奪われたジェニーを振り払って、自分の日常へと帰ろうとする。
その後、エルクラーノはジェニーにだんだんと想いを寄せるが、彼女が売春婦であることや、妻の死後に息子のセルジーニョに「二度と女性と関係を持たない」と約束したことで、もう一歩を踏み出すことができない。
パトリーシオはエルクラーノへの憎悪から、ジェニーに「私ともう一度関係を持ちたいのなら結婚して」と言うようにと助言するが―。 母親の死によって歪んだ父子関係、売春婦と結婚するための嘘と計画、そして家族を襲う悲劇とは―。
(あらすじは公式HPより)

初日観劇。ネタバレ有り。

舞台セットは白い石灰岩で出来たような、なめらかな曲線を描く2階建てのバルコニーのような作り。それとシモテから出てくるエルクラーノとジェニーが住む部屋のセットなど。段差がかなりあるので、少し離れた所から観たほうが良さそう。暗転多し。
十字架がいい感じに使われている。特に幕開きすぐのタイトルはプロジェクションマッピング使用でカッコ良かった。
エルクラーノ登場シーンは客席使いあり(シモテ側通路)←白いスーツ!

とにかく出てくる登場人物が全部イカれてて、内野さんが発言してた「しゃれた作りで…」などと今の所は感じられない(^_^;)
脚本と演出家は大事ってことです(爆)
コクーンで良かったなぁと思いましたよ。これは間違っても新国立劇場や世田谷パブリックやらシアタークリエでは出来ない。

エルクラーノは何を恐れていたのだろう。宗教?おば達?世間体?息子?それとも欲望を抑えきれない自分、だろうか。
揺れて情けない一人の親父(というか男)
妻を愛していたのだろうけど一年も喪に服してたり、後追いで死のうとしたりする程良い妻だったのか?(足の静脈瘤が汚い・がに股、寝る前にタライに張ったお湯に腰まで浸かるような…。しかも不細工だったとジェニーのセリフにあり)
パンツ一丁姿やオシリ等は見慣れた(ヲイ!)ものですが、ワタクシ舞台見始めて十数年…一番ハゲしいS○Xシーンですた。
内野・寺島・池内・野村の4人はオシリはともかく、前の部分はどーなっているのかと、そんな思いもよぎりつつ(笑)
寺島さんもお子さん出産後のあの体型は凄いですけど、若干パイが疲れておりました(終演後の帰り道で「ワタシの方がパイがキレイだわ!」と言いながら帰る4人組w)
またエルクラーノの弟パトリーシオの池内くん。堕落した体型、ということでハラ出てました。少年時代に裏庭にいた雌ヤギを犯していたのを見られたり、借金して破産寸前だったのに家族(特に兄)は助けてくれなかった、というのを根に持っているようですが、兄を殺したい程憎む、その奥底にあるダークさはそれだけだったのかな?
エルクラーノの息子役セルジーニョはもっと偏ってる。母が大好きすぎて毎日墓に話しかけ、母を聖女と扱い(だいたい父と母がアレしなかったらオマエは産まれてないやろ!と全観客はツっこんでいたハズ)、おば(実際にはエルクラーノ・パトリーシオ兄弟のおばのよう。セルジーニョにしてみれば大おばだろう)に溺愛され、お風呂で全身を洗ってもらったり、未婚のおば達の絶好のおもちゃ、な雰囲気。だけど父と愛人(ジェニー)のハゲシイS○Xシーンを見てしまったせいで、酒に酔い暴行を働いて刑務所に。その刑務所でボリビア人の男に犯されてしまい、歪んだ性に目覚めてしまう。ジェニーとも関係を持ち、あげく父と結婚させたその日に、ジェニーがウエディングドレスを脱ぐのも惜しいほどセルジーニョに入れあげてしまう。だがイケなかったセルジーニョ。やがて例のボリビア人と一緒に海外旅行に出掛けてしまうのだった。
そんな不安定な役を野村君は熱演。ファンはある意味大変だろうが…(^_^;)
化石のような未婚のおば三人を木野花さん・池谷のぶえさん・宍戸美和公さんが気持ち悪く(笑)演じてくださった。とくに木野花さんは一家の女主としての厳格さが感じられて、さすがである。

個人的には苦手な分類。まぁ笑えるシーンもあるし、S○Xシーンはあからさまだけど それほど身構えなくても観られた。
だけど後味は良くない。
考えさせられるけど着いても行けない…

まだまだワタシのナカノヒトは成熟してないのだった(笑)