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観劇記録+日記@不定期更新。俳優・内野聖陽さんを勝手に応援中!時々サカナクション。

今後の観劇予定

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No.335 「サド侯爵夫人」

2011年02月06日 16時29分08秒 | 過去の観劇記録
2011年2月5日(土) ソワレ シアターコクーン 2階 E列 1番

ルネ(サド侯爵夫人)=東山紀之、アンヌ(ルネの妹)=生田斗真、サン・フォン伯爵夫人=木場勝己、シミアーヌ男爵夫人=大石継太、シャルロット(家政婦)=岡田正、モントルイユ夫人(ルネの母親)=平幹二朗。
作=三島由紀夫、演出=蜷川幸雄、他。

18世紀、ブルボン王朝末期燗熱の都パリ―。サド侯爵夫人・ルネは、残虐かつ淫靡な醜聞にまみれる夫を庇い、愛し続ける。〝悪徳の怪物〟に〝貞淑の怪物〟として身を捧げる彼女に対し、世間体を重じる母・モントルイユ夫人は様々な手を尽くし別れを迫るが、夫が獄につながれてもなお彼女の決意は揺らがず、対立は続いた。やがてフランス革命が勃発。混乱の中、老境に差しかかったルネのもとに釈放されたサド侯爵が現れるのだが・・・。
(あらすじは公式HPより)

3幕、休憩時間(15分・10分)含めて3時間25分という長い芝居だった。
プログラムを読む中、10年以上も観劇を趣味としながら初めて目にした単語「一杯道具」(場面転換がない)なるモノを知り、アセ。

三島由紀夫の脚本を蜷川さんが演出するとどうなるのか…。前にも上演されてきたけど、私が観るのは初めて。しかも2本同時に、同じ俳優が演じるという魅力もあった。
シアターコクーンの2階、E列は天井桟敷だったけど、意外に良く見えた。それに後ろを気にしなくて良いという利点もあり。
何も無い舞台、後方の大道具搬入用の扉が開かれ、コクーンの後ろ側にある道路が丸見え。すると曲とともにスタッフが大きな鏡やら窓のセット、ソファ・机などを運び込み、劇空間が作られる。なんとなく「ムサシ」を彷彿とさせた。しかしまぁ蜷川さんは鏡が好きだねw
今回、BGMにも現れていたが、至る所で和のテイスト(能・歌舞伎、読経?)、シツコイ位入るキの音がうるさく感じた。

昨年10月にはアガメムノンとプリアモス王という敵対関係にいた平さんと木場さんが、今度は女性として(!)共演されているという、不思議な感覚(笑)
おお、木場さんの女装ってば… 以外と素敵(爆)
それと平さんの存在感といい、やはり演技の深みといい、流石である。

主役のルネを演じた東山さんは、すごーーーく昔にミュージカルの舞台で拝見したことはあるが、ストプレは初めて。確かに女装姿はキレイだし、立ち姿も美しいし、台詞も良く覚えた!という程 多量なのだ。ゆっくりの口調の時は、それなりに感情もこもっているのだが、早口になると途端に上滑り気味。なんか朗読劇にしちゃっても良かったのかな~と時々思う程であった。
生田くんはホントに初見ですわ。おお、麗しき妹君w かわいらしい1幕、6年後の2幕、十数年後の3幕と、衣装もそれぞれ。姉とは違い上手く世間を渡っている感。でも義理の兄(サド侯爵)と一緒に逃避行なんかしちゃって、ええぃっ!である(意味不明…)
平さんは世間体を重んじる母親。いや、彼女の言っている事はもっともな気もするが(^_^;)
2幕、ルネとモントルイユ夫人との長い問答シーンがあるのだが、やはりここは平さんに軍配が上がる。
サン・フォン伯爵夫人は悪徳の味を知るオバサマ。ムチを片手に語りまくる。2幕の黒ミサの所なんぞセリフで妄想してしまい、でも顔は木場さんで(笑)
シミアーヌ男爵夫人の方は、敬虔な心を持ち、後に修道女となる女性。3幕目ではルネの修道院入りをバックアップする形で登場。

3幕ラストはルネの決めセリフでセットが再び動き出し、始まった時と同じように何もない舞台、後方の扉も開き、渋谷の雑踏が流れる中、終わった。

あと1本の「わが友ヒットラー」は対になる作品だということなので、心して台詞の波に呑まれてみようかと思う。