2011年1月10日(月・祝) マチネ シアターコクーン 1階 L列 6番
ヴァイオラ(男装してシザーリオ)/セバスチャン=松たか子、オーシーノー=石丸幹二、オリヴィア=りょう、マライア=荻野目慶子、サー・トービー・ベルチ=大森博史、船長/アントーニオ=真那胡敬二、役人=小西康久、ヴァレンタイン=酒向芳、フェイビアン=内田紳一郎、キューリオ=片岡正二郎、サー・アンドルー・エイギュチーク=片岡亀蔵、マルヴォーリオ=串田和美、フェステ=笹野高史、他。
作=W.シェイクスピア、翻訳=松岡和子、潤色・演出・美術・衣裳=串田和美、音楽=つのだたかし。
双子の兄妹セバスチャンとヴァイオラの乗った船が嵐に遭い、ヴァイオラはイリリアの海岸に打ち上げられる。彼女は消息の分からない兄を死んだと思い、身を守るために男装してシザーリオと名乗り、イリリアの公爵であるオーシーノに小姓として仕えることにする。
オーシーノは伯爵の娘であるオリヴィアに恋をしていたが、彼女の兄の喪に服したいという理由で断られ続けていた。
オーシーノは、オリヴィアに自分の気持ちを伝えてくれるよう命じる。密かにオーシーノに淡い思いを抱いていたヴァイオラはその命令に苦しむが、小姓としてその勤めを果たす。ところが、オリヴィアは使者としてやって来たシザーリオに心を奪われてしまう。
一方、ヴァイオラがてっきり死んだと思っていた双子の兄セバスチャンは、別の船の船長アントーニオに助けられており、彼と共にイリリアにやって来ていた。
オリヴィアにはオーシーノの他にも求婚者がおり、オリヴィアの叔父トービーの遊び仲間であるアンドルーもその一人だった。愛しいオリヴィアが公爵の小姓に熱を上げていると聞いたアンドルーは、トービーにそそのかされてシザーリオに決闘を申し込む。シザーリオは仕方なくその決闘を受けたが、そこにアントーニオが割って入り、シザーリオのことをセバスチャンだと思い込んで決闘を止める。ヴァイオラはアントーニオが自分の事をセバスチャンと呼ぶのを聞いて、兄が生きていることを知る…。
(あらすじは公式HPより)
どこか乾いた南米の匂いのする、海岸の浜辺。遠くから楽団が、楽しいような悲しいような旋律を奏でながら近づいてくる。浜には仮設の舞台が用意され、そこで繰り広げられるのは「十二夜」のトリビュートのような作品だった(劇中劇と捉えても良いのだろうね?)
非常に哀愁に満ちているんだけど、決して悲しくはなく、常に「人」が探し続けていくであろう『もう一人のカタワレ』についても深く思っちゃうような感じでした。
松さんの2役w
ヴァイオラが男装してシザーリオは、男の子に隠した乙女が垣間見えて可愛かった。双子の兄セバスチャンになれば、もう完全に男子である。しかし意図したことだとは思うのだが、セバスチャンはちょっと幼すぎないか? りょうさん演じるオリヴィアがぞっこんになり、やがて結婚を決めるまでの“大人の”男だろうか…
2幕ラスト、双子が再会する場面は「あっぱれ」である。最初こそ衝立を使ったものの、後は観客の想像力をフルに働かせ、プラス松さんの佇まいで『魅せる「2役」』の使い分け。んん~でも松さんにキレイなドレスも着せてあげたかったわ。
オーシーノーの石丸さん、久々に普通(?)の歌声!さすがの上手さ。そしてお得意のサックスまで披露。その上入浴シーンまでっ。オリヴィアへの恋に身を焦がしてたワリには、シザーリオが実はヴァイオラだと知ると手のひら返し(笑)←諦めは早いほうが身のため…かな。
あ、あの歌は「グリーンスリーブス」のメロディーだよね?松さんと石丸さんでミュージカル、どうでしょうか?(観たいわー)
オリヴィアのりょうさん、細っ!!強っ!!(爆)オーシーノーの求婚には目もくれず、シザーリオにぞっこんです。恋する女は大胆ねw
マライアの荻野目さん、明るい。そして悪知恵も働く。
サー・トービーはいたずらっ子がそのままオヤヂになった風。マルヴォーリオやエイギュチークをいぢりまくり。
亀蔵さんのエイギュチーク、とっちゃんぼーや風髪型&衣装がラブリーです。
アントーニオって、セバスチャンにお世話以上のLOVEアリ?(「エレファント亭」で、あ~して こ~して… いやいや。腐女子な考えは置いておこう)
マルヴォーリオは演出の串田さんです。にわとりですか…。まったく ついてないですな(私的には「NINAGAWA十二夜」の時の“鬱金色”が思い出されて仕方なかった…)
フェステの笹野さん、あの味わい。「イソギンチャクとサザエの恋物語」も切なかった~。こういう道化役、本当にお上手です。
舞台上にもミュージシャンが出たり入ったり、ジャグリングもありーの。
素敵な舞台でした♪