きた産業のスローなブログ

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イタリア・ワイナリー視察(ピエモンテ編・その1)

2011年12月07日 10時06分49秒 | Weblog

歴史を感じさせるバルバレスコ村広場前の塔。


フランチャコルタに続き、バローロやバルバレスコの産地として有名なピエモンテのワイナリー視察に行ってきました。まずはミラノから南西に向かい、発泡ワインで有名なアスティ地方へ。ロッケッタ村にあるブライダという醸造所にお邪魔しました。イタリアワインに詳しい方ならご存知の通り、かつては質より量の安ワイン向けとして扱われていたブドウ品種バルベーラを今や北イタリアを代表するブドウにまで引き上げた功労者であるジャコモ・ボローニャ氏のワイナリーです。現在は長女のラッファエッラさん以下のご家族を中心に、醸造所の他に充填専用工場を持つ比較的大きなワイナリーとなっています。




ブライダ:醸造所から急な坂を上ると突如広大なブドウ畑が出現。



代名詞ともなっているバルベーラ以外にも、バルベーラの辛口微発泡タイプや、シャルドネの白など、バラエティに富んだワインを造っています。設備で印象に残ったのは、大きな縦型発酵タンクで、発酵でできる炭酸ガスの圧力を利用してポンプを使用せずにルモンタージュ(ポンピングオーバー)ができる仕組みになっています。値段も教えてくれましたが、結構な額の投資をしているなあ、と感心。名実ともに地域を代表するワイナリーです。なお、醸造所の近くで経営している「イ・ボローニャ」というレストランでは日本人シェフである小林さんが活躍中です。




ブライダ:醸造所にはステンレスタンク、大樽、小樽と、多様な発酵槽・貯酒槽が並ぶ。



そのあとは一路バルバレスコ村へ。車で40分ほどですが、ロッケッタあたりとは打って変わって、車窓からは一面のブドウ畑。丘陵が織りなす景観と相まって、いよいよ銘醸地に来たという気分にさせられます。ピエモンテというよりはイタリアを代表するワイナリーであるガヤの前を通り過ぎて、村の中心の広場に面したプロドゥットーリ・デル・バルバレスコという醸造所へ。こちらはバルバレスコ村の50あまりのブドウ生産者が共同で運営していて、年間45万本ものワインを村でできたネッビオーロ種のみで生産している非常に珍しい醸造所です。ここは、2005年にも訪問したことがあり、6年ぶりの訪問です。



プロドゥットーリ・デル・バルバレスコ:DOCGバルバレスコ、日本でもおなじみのラベル。



セメントタンクや木の大樽を使用して時間をかけて醸す伝統的な造りが特徴ですが、新しい温度管理機構付き台形ステンレスタンクも入っていました。セメントタンクや木の大樽を使用して時間をかけて醸す伝統的な造りが特徴ですが、2005年に訪問した際には確か大樽が置いてあった場所には、新しい温度管理機構付き台形ステンレスタンクが入っていました。いわゆるクリュものはこちらでより丁寧に仕込むそうです。この醸造所のワインはまさに伝統的なバルバレスコを体現しているといっても過言ではなく、近年一般的なすぐにおいしく飲めるタイプのものとは一線を画しています。若いうちに飲むと強烈な酸味と渋みに驚かされますが、高品質で低価格ということもあって、このワイナリーは周辺地域の醸造者からもリスペクトされています。



プロドゥットーリ・デル・バルバレスコ:クリュもの専用の台形タンクと案内してくれた醸造責任者アルドさん。



続いて車で10分ほどのところにあるブルーノ・ロッカへ。こちらも高品質なバルバレスコの生産者として世界的に有名。バリク(小樽)を駆使したモダンな造りが信条で、力強くかつエレガント、比較的すぐに飲めるわかりやすさが魅力。家族規模での経営で、年間わずかに60,000本程度の生産ながら、自動ルモンタージュタンクや厳密に温湿度が管理できるMLF専用の部屋など、重視するところにはしっかりお金をかけている印象。上級キュヴェは通常1年のびん熟期間を2年も取るなど、手間暇をかけています。この地域では珍しい白ワインもシャルドネから造っていて、こちらもびっくりするくらい上質なものでした。



ブルーノ・ロッカ:バリクの鏡板にもトレードマークである羽根ペンが焼き付けてある!



(ピエモンテ編・その2に続く)



企画開発グループ 渡邊 拓也


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