きた産業のスローなブログ

会社のトピックスや出来事を、「スロー」に記録・発信するブログ。文章は、当社の各部門のスタッフが書きます。

ミラノのSIMEI(シメイ)展示会から

2011年11月29日 11時06分17秒 | Weblog

イタリアのミラノで行われる「SIMEI展示会」は2年に1回のワイン機器・資材の展示会。同じく2年に1回のフランスのボルドーの「ヴィニテック展示会」とならぶ、世界最大のワイン関連トレードショーです。現地から、当社の代表的なパートナー企業をご紹介します。



フランスの「サヴェール・ガラス」社。数年前から採用したオレンジの新ロゴで、会場でも一目瞭然。デザイン性の高い壜が得意で、ワイン、清酒、焼酎などの業界にご使用いただいています。毎年毎年、10点近く斬新な新デザインの壜を投入してくるパワフルさ。ヨーロッパの壜業界はとても元気です。



イタリアの「ヴェトリ・スペチアリ」社。各種の壜を生産していますが、写真の大型壜がこの会社の特徴。特に6リットル以上の超大型壜を自動製壜機で吹製するのは世界でここだけ。




フランスの「サンゴバン」社。昨年から、壜部門は「ヴェラリア」というブランドに切り替えています。ガラス壜ではアメリカのOI社と並ぶ世界トップの生産量。当社では、ワイン壜、シャンパン壜を輸入販売しています。



フランスの「ザルキン」社。キャッパーで世界的なシェアと技術。小型のキャッパーは日本の酒類業界でも多くつかわれているほか、クロネスや三菱重工のモノブロック充填機に搭載されたものがコカコーラや大手ホームプロダクツメーカーで使われています。当社では3年ほど前から日本代理店として、機器販売とテクニカルサービスを行っています。



フランスの「エノ・コンセプト」社。シャンパン方式のびん内二次発酵の設備全般を扱いますが、中でも写真の「ジャイロパレット」(動壜機)はトップシェア。シャンパーニュの大手メゾンは、間違えなくこの会社のジャイロパレットを使って澱下げをしています。



イタリアの「カダルペ」社。フィルターや冷凍機も得意ですが、ワインタンクも多く生産。今年は4か所の日本のワイナリーにカダルペのワインタンクを納品しました。



イタリアの「ラガツィーニ」社。かつてはピストンポンプのトップメーカー、今はチューブポンプ(パーリスタルティックポンプ)のトップメーカー。コンペティターに聞いても「チューブポンプはラガツィーニ。正直なところ、うちのよりいい」というくらいの定評。日本で実績のある最大機種は写真手前の「MS3」ですが、さらに大型の「SF」シリーズ(私の左右)があります。




イタリアの「ディエメ」社。除梗破砕機、メンブランプレスの世界最大手の一つ。今や「不活性ガス環境のプレス機」は、ブーハー、シプレム、ウィルメス、ベロなどがカタログに載せていますが、2003年に最初に作ったのはディエメ。現在「ニュートラル2」という、第二世代モデルとなっています。




イタリアの「コーヘム」社。モノブロック充填機のメーカーで、元々、シエムと称していましたが、3年ほど前にオーナーが代わって、シエム・コーヘム、そしてコーヘムの単独名に移行しつつあります。1000~3000bph程度のモノブロックが得意です。




イタリアの「モーリ」社。小回りを利かせ、小型のワイン機器を製造販売しています。当社では、モーリのマニュアル充填機、珪藻土ろか機、バスケットプレスなどを日本向けに輸入しています。



ワイン機器・ワイン資材は成熟産業で、もうこれ以上改善する余地はないだろうと思うのですが、実際は毎年新コンセプトが登場する。ワイン産業に関わるの皆さんの尽きるところのないアイデアと改善努力には、展示会に来るたびに感心するところです。

代表取締役 喜多常夫


2週連続、ブドウ・ワイン学会  京都→長野

2011年11月21日 11時31分03秒 | Weblog

11月12日(土)に京都、翌週19日(土)に長野。日本ブドウ・ワイン学会に、2週連続で参加しました。

順序が逆になりますが、まず長野の塩尻で行われたブドウ・ワイン学会の年次大会から。当社は例年、このブドウ・ワイン学会で机をかりてワイン関係機材のPRをさせてもらっています。今年は、私(喜多)、渡邊、今井の3人が展示担当。
 


今年初めてのことなのですが、PR時間をもらって、昼食会場で取り扱い機材のプレゼンテーションをさせてもらいました。これはパワーポイントで発表する今井。午後のセッションの開始時間間近になってしまい、聴衆が少なかったのがやや残念。
 


学会発表自体はこんな感じです。
 


これはメルシャンの小林さんによる「甲州種ブドウの栽培方法や気象条件による差異」の発表の一枚。似た気象条件・似たブドウ樹でも「棚栽培と垣根栽培ではこんなにブドウが違う」という写真。驚きました。(垣根のほうが小粒) 
 

なお、小林さんは別の研究で2011年の「論文賞」も受賞されました。あと、ブドウ・ワイン学会には「技術賞」というのがあって、今年は個人でなく、ヨーロッパのOIVへの「甲州」品種登録に尽力された「酒類総合研究所」が受賞。実は私も酒類総研を推薦していたので、大いによかったと思いました。(余談ながら、「甲州」のアルファベット表記の「Koshu」は、清酒のカテゴリーとして近年欧米で認知されている「古酒」とかぶって誤解される、という指摘をヨーロッパで清酒販売をしている人から聞きました。日本語は難しい。。。)



大会の最後は、画家、エッセイストで、長野でワイナリーを経営される玉村豊男さんの特別講演。ワイナリーでの農夫姿もお似合いですが、この日のボウタイ、ダークスーツもとてもお似合いでした。(30年以上前に上梓された「パリ 旅の雑学ノート」以来の玉村ファンなので、ぜひ講演を聞きたかったのですが、帰阪の列車の都合でやむなく聞けなかったのが残念。)
 


ブドウ・ワイン学会の年次大会は、全国のワイン産地やワイン研究組織のある場所で、持ち回り開催されるのが楽しみ。過去、山梨はじめ、広島、山形、奈良、京都、北海道などで開催されています。来年2012年は11月に大分で開催されるとのことです。

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長野の年次大会の1週間前、京都大学農学部で、日本ブドウ・ワイン学会の西日本研究会がありました。西日本の会合は活発で、1月、6月に続き、今年3回めです。

これは、「NPO法人スタイルワイナリー」の小林さんのご発表。小林さんは、三重県伊賀市の職員でありながらワイナリーの代表、という珍しいケース。NPO、すなわち、利潤を追求しないで、ワインづくりを通じて社会的貢献を目指す「ソーシャル・ワイナリー」という考え方で運営されているとのことでした。
 


研究会終了後、カタシモワインの高井社長の乾杯の発声で懇親会。京大キャンパス内にあるレストラン「カンフォーラ」を借り切っての開催。貴重な情報交換の場となりました。
 

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(個人的感想) 西日本研究会でも年次大会でも、ブドウ・ワイン学会では、当然ながらブドウやワインの事だけ発表されます。2週連続で参加したあと、他の酒類、たとえば清酒やビールの招待演題が1つくらいあってもワイン産業の刺激になっていいのではないか、と思いました。また、今年の年次大会ではメルシャンさんの発表が多かったのですが、他の大手各社(サントリー、マンズ、アサヒ、サッポロ)の発表ももっと聞きたいものだ、とも思いました。


代表取締役 喜多常夫