きた産業のスローなブログ

会社のトピックスや出来事を、「スロー」に記録・発信するブログ。文章は、当社の各部門のスタッフが書きます。

講演会:「強みの上に己を築け」+「地元で普通酒を売る戦略」

2010年09月30日 13時18分21秒 | Weblog

9月28日、全国醸造機器工業組合で二人の方に講演をしていただきました。大変印象的だったのでご紹介します。

セミナー次第 

 

 

まず、株式会社岡永の社長、飯田永介さん。ご存知の通り、「日本名門酒会」を主宰されていています。演題のサブタイトルは「日本酒の新しい需要を創り出す」。

 

「仕入れて売るより、売ってから仕入れる仕組みはないか」、「革新し続けるものだけが強い定番になりうる」など、心に残る言葉がずいぶんありました。写真は「1年52週の生活提案」を説明されているところで、「(お酒は12月が一番売れるわけですが)12月の売上を上げようと思うと1月から活動開始しなくてはならない」。何事にも通じることだなあと、感心いたしました。

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名門酒会さんは、海外マーケット開拓の先駆者のひとりでもある。かつて、パリに直営サケ店「カーヴ・ド・フジ」を出されていたのをご存知の方もいると思います。にも拘わらず「まだまだ日本酒のことを知らない人がほとんど。説明し伝えていく努力が大事」とのこと。これは、そのことを実践されている説明的「チラシ」や「3連コースター」のPPT画像です。

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活動指針として、「強みの上に己を築け(Build on strength、またはBuild on your own strengthドラッカーの言葉)」を引用されていましたが、大いに「経営」を学ばせていただいた思いでした。

 

 

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次は新潟の蔵元、麒麟山酒造株式会社の若い社長、齋藤俊太郎さん。これは、麒麟山の商品構成を説明されているところ。驚いたことに「普通酒が7割、特定名称酒が3割」の販売とのこと。

麒麟山酒蔵 齋藤社長様 

 


「特定名称酒」重視や、「首都圏市場・海外市場」シフトする経営戦略が一般的な中で、「地酒とは地元につよいこと」「地元に飲んでもらう普通酒を売るための戦略」という、逆転型経営戦略には感心させられました。

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そのほか、「米作りから取り組む」「『自社ブランド』と同じく『地域ブランド』も大事」「地元企業と組む戦略」など、日本酒のこれからを考える上で大変参考になりました。


逆風の業界にあって、お二人の話には大いに勇気づけられました。岡永さんは明治17年(1884年)創業、麒麟山酒造さんは天保14年(1843年)創業とのこと。革新的経営は、長年の積み重ねから生まれるものだ、とも感じました。

 

 

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余談ながら、講演会の場所は日比谷公園の中にある「松本楼」(カレーライス!で有名)。最近、新聞などで時々紹介されていますが、松本楼の常務、小坂文乃さんの曾祖父の梅屋庄吉さんは、孫文に巨額の資金提供をして辛亥革命を支えたそう。孫文の妻、宋慶齢も梅屋が引き合わせたもので、彼女が弾いた燭台付きピアノや、何枚かの写真資料が松本楼に展示されています。福田総理の時代、2008年には、胡錦濤主席もここにやってきたそう。中国ではこのような日中のポジティブな近代史をクローズアップする人は少ないように思います。最近、関係悪化の報道が続きますが、両国の関係が改善されることを祈るものです。

 

 

代表取締役 喜多常夫


「12社まとめて見学に来社」

2010年09月17日 18時11分59秒 | Weblog

お得意先からの工場見学は時々ありますが、「12社まとめて見学に来社」は非常に珍しいケースだと思います。

 

 

9月某日、清酒、本格焼酎などで日本を代表する酒類トップ企業12社から12名の方が、研修目的で当社の大阪本社工場にお越しになりました。皆さん「お客様担当」をされている方々で、キャップの製造工程などをご覧いただきました。

 

クリーンブース内のPPキャップの生産ラインや画像処理検査装置を、外から見学される様子です。

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冠頭(一升びん王冠)の生産工程を説明しているところ。

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これは、品質保証室で、PPキャップや冠頭の数値管理の方法について説明しているところ。写真はありませんが、研究室で開発中の新商品や3D設計の様子なども見ていただきました。

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場所を会議室に移して、当社からプレゼン。PPキャップ、一升びん用王冠、ワイドキャップのお酒の主要3種のキャップについてパワーポイントで技術解説と頻度の高いクレームについて解説。

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最後に、弊社社長から、キャップ業界のことや、お酒のキャップマーケットのこと、また清酒・焼酎の海外マーケットなどについて、プレゼンをさせていただきました。

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今回のような「連合チーム」でお越しいただくのは初めてで、少々緊張いたしましたが、和やかな雰囲気の中での会合でさながら「オールスターゲームのベンチ裏」的な雰囲気でした。お越しいただいた皆さんはお互いライバルメーカーながら、情報を共有して消費者に適切に対応してゆこうという姿勢で、私ども資材のメーカーにとっても有意義な一日でした。

 


ご来社いただいたみなさま ありがとうございました。これからも、「え~キャップ」作ります←これは、出席いただいた方のみに分かるシャレです。

 


なお、お越しいただいた12社のうち、11社はお取引がありますが、1社のみ取引口座がありません。是非今後お取引いただけるよう、努めてまいります。

 

製造部長 芳賀剛+大阪営業部 田中利光


●◆47都道府県で、きた産業! ◆● その17:長野

2010年09月13日 13時13分57秒 | Weblog

 きた産業は、北海道から沖縄まで、日本全国でお取り引きいただいています。2010年の新企画、営業担当者が早回りでご紹介する47都道府県めぐりブログです。

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今回は長野からお伝えします。これは諏訪大社下社秋宮。今年の4月から5月にかけて、7年に1度の有名な「御柱(おんばしら)祭り」が行われましたが、写真右奥がその御柱。間近で見ると迫力満点です。

御柱祭 

 

 

諏訪大社のある諏訪湖の周りは「東洋のスイス」と呼ばれ、セイコーエプソン、京セラ、オリンパスなど、精密機械工場が密集しているのは有名ですが、実は、清酒や味噌などの伝統的発酵産業のメーカーも多く、必然的に当社のお得意様も多くあります。

七号&夢殿 

 

何といっても代表格は清酒「真澄」の「宮坂醸造」様(同一社名の別会社で「神州一味噌」。3年前にお酒と食品を分社された。) 「協会七号酵母が採取された蔵」として、つとに有名です。写真(同社のホームページから)のように、「七号」の名を冠した商品をはじめ、素晴らしい清酒を造っておられます。パッケージデザインにも大変気を使っておられ、写真の四合壜は「一升壜王冠」を採用されています。(ご愛顧いただき、ありがとうございます。)


 

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駒ヶ根へ移動して「本坊酒造」様へ。同社は鹿児島本社で焼酎、山梨でワインを造っておられますが、ここ信州ファクトリーではウイスキーとワインを製造されています。(3事業所すべてでご愛顧いただいています。ありがとうございます。) 私が立っているのはウイスキー貯蔵庫で、ワイン樽より一回り大きな樽で貯蔵されています。全国的なブームの追い風で、ウイスキーの売れ行きは好調のようです。

本坊酒造様 


 

同じ敷地内には、地ビールの「南信州ビール」様があります。写真はルーツ機械研究所(弊社機械部門)のビール充填機。オーバーホールや改造について打合せしている様子。(中央は、ルーツ機械研究所の角谷)

南信州ビール様 


 

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再度移動して、今度は松本市の「山辺ワイナリー」様。収穫したブドウを乾燥させ、干しぶどう状態から果汁をしぼって製造した、贅沢な極甘口ワイン「ヴァンド ソレイユ」が発売されていました。この商品では当社が輸入したフランス・サヴェール社製の壜をご採用頂きました。ありがとうございます。

山辺ワイナリー様
 

 

次に東御市のワイン、「リュードヴァン」様。以前よりブドウ畑を持ち委託醸造にてワインを販売されていましたが、今年念願のワイナリーを建設。センスの良い建物で、よく見るとドアはシャンパンの澱下げ(動壜)に使用する「ピュピトル」(!)で出来ています。ここ東御市ではワイン特区制度があり、道路をはさんですぐ横では「はすみふぁーむ」様がワイナリーを建築中と、近隣の「ヴィラデストワイン」様、「マンズワイン」様、「メルシャン」様を含め、ワイナリー密集地帯となってきています。

リュードヴァン様

 

最後にご紹介するのは塩尻。長野のワインといえば「塩尻メルロー」ですね。塩尻にはいくつかの歴史ある老舗ワイナリーがあります。皆さんとお取り引きいただいていますが、ここにご紹介するのは「五一ワイン」の「林農園」様。写真は先日、当社がイタリア製ワインタンクを納入させていただいた時のスナップ写真。いつもご愛顧いただき、心から感謝しています。

林農園様 

 

 

東京営業部 今井孝