きた産業のスローなブログ

会社のトピックスや出来事を、「スロー」に記録・発信するブログ。文章は、当社の各部門のスタッフが書きます。

「酒史学会」に参加@奈良文化財研究所

2014年02月15日 11時20分20秒 | Weblog

2月8日、お酒の歴史に関する学会「酒史学会」の年次大会に参加しました。この学会としては第12回、前身の「日本酒造史学会」設立からでは30周年の記念大会。場所は奈良文化財研究所。私は、誘われて、何年か前から学会に加入しているのですが、大会に参加するのは初めてです。


開会の挨拶をされる、学会会長の兒玉徹さん(東京大学名誉教授)。
 


奈良文化財研究所の山本さんによる「酒と国家と民衆と-奈良時代の酒と諸白」のご発表。「白酒」とかかれている奈良時代の木簡。酒類関係者の方はご存知のとおり、かつて「白酒」「黒酒」があって、黒酒は灰(「久佐木灰」)をいれてつくるのですが、「燃やした灰を入れても黒くならないが、なにか情報がないだろうか」という質問がありました。

 


橿原考古学研究所の廣岡さんの「『考古学から見た日本酒の歴史』の展覧会」のご発表。底に穴のある土器は、酒造りのために米を蒸したのではないかという説がある一方、穴をふさいで蒸気を分散させるもの(清酒の甑の猿ーさるーにあたるもの)はまったく発掘されていないのだそうで、用途が違うという考えの方もいました。
 


そしてお坊さんの講演。正暦寺(しょうりゃくじ)住職の大原さん。正暦寺は、奈良市菩提山町(ぼだいせんちょう)にあるお寺で、清酒の菩提酛が始まったところ。
 
 


学会のあった奈良文化財研究所は、広大な「平城京跡」の敷地内にあります。小雪混じりの寒風吹きすさぶ中、ミニエクスカーションで「平城京・第一次大極殿」を見に行きました。中央で熱心に質問されているのは、月桂冠の栗山さん(元専務、現大倉記念館名誉館長)。前身の「日本酒造史学会」創立から、30年にわたる会員だそうです。
 


そして、学会の後はお楽しみ、懇親会。菩提酛のお酒を含め、学会参加者もちよりのさまざまなお酒を楽しみながら、いろいろな情報交換ができました。
 


「酒史学会」は、インターネットで検索してもほとんど情報が出てこないという、いまどき珍しい学会。酒の歴史にご興味のある方はぜひ参加されればいいと思います。


喜多常夫(代表取締役)


(お知らせ)真下王冠工業の王冠・キャップ製造事業を継承

2014年02月13日 16時38分58秒 | Weblog

きた産業は、2014年1月31日付けで真下王冠工業からその王冠・キャップ製造事業の譲渡を受けました。従業員の一部と主要工場設備をそのまま承継し、また当面は工場自体も真下王冠工業の工場建屋を使用して、すでに2月から操業開始しています。

王冠・キャップはキャッピングライン適性が大変重要であり、ごく僅かな変更でもライン適性が悪くなることがあります。お得意先様にご迷惑をおかけすることのないよう、当面は従来と同一原材料、同一加工ラインでの生産継続に注力してまいります。一方、将来的には精度向上・生産合理化などでより高品質・低原価の製品もご提案する所存です。

長年にわたり真下王冠工業とお取引いただきました皆様に感謝をお伝えするとともに、事業を継承いたします当社にも引き続きご愛顧賜りますようお願いいたします。

代表取締役 喜多常夫

(ご参考)
●真下王冠工業株式会社:尼崎市、創業1924年、資本金1,000万円、年間売上約3億円、従業員約30人、キャップマーク「MCW」

●真下王冠工業の王冠・キャップ:


●きた産業・尼崎工場:2014年7月末日までの予定で、真下王冠工業の工場建屋を「きた産業・尼崎工場」として使用します。住所・電話などは次のとおりです。
〒661-0976 尼崎市潮江5丁目8番17号
TEL(06)6428-0752 FAX(06)6428-0700

 


日比谷で醸造機器工業組合のセミナー

2014年02月10日 15時48分21秒 | Weblog

1月31日に日比谷の松本楼で行われた全国醸造機器工業組合のセミナーに参加しました。演題は「生産性向上設備投資促進税について」(経済産業省・産業機械課の金沢さま)と、「日本酒の海外戦略」(新潟県・市島酒造の市島社長さま)の2題でした。



このブログでは「日本酒の海外戦略」をご紹介します。市島社長は年間50日程海外出張されるとのことで、中央会の海外戦略委員会の副委員長を勤めておられます。



日本酒の現状に関するパネルです。「平成11年を100%とした時、平成24年は54.6%の321万8,000石。酒造場は全国に1,500場あるが、上位13場で50%のシェア」「新潟県のシェアは日本酒全体の7%程度しかなく大手1社分にも及ばないが、特定名称酒の割合は64.9%」



これはアルコール飲料全体に占める各種のお酒のシェア。「清酒7.3%、本格焼酎5.9%、ビール34.1%、発泡酒10.2%、リキュール21.9%、など」 日本酒のシェアがいかに低いかがわかります。



日本酒の輸出は現在、全出荷量の2%程度でしかありません。これを増やしていく戦略として、中央会や地域レベルの取り組み、海外主要都市にリエゾンオフィスを設置する効果、国内のブランディングをしっかりする事、など解説いただきました。最後に、醸造機器工業組合の副理事長である喜多(弊社社長)がお礼の挨拶をさせていただきました。



セミナーのあとは、賀詞交換会。これは井上理事長(第一工業社長)のご挨拶。このあと、日本酒造組合中央会の山本常務のご挨拶、関西醸造用品組合の高木理事長の乾杯発声と続き、懇親会となりました。市島酒造さまの美味しいお酒をいただきながら、さまざまな情報交換に盛り上がりました。立食パーティーでは珍しい「カレーライス」(松本楼の名物)も美味しくいただきました。



東京営業部 営業部長代理 岩山 孝