前回に続き、ワイン醸造所訪問記です。
〈ポデーレ・ロッケ・ディ・マンツォーニ〉
1970年代にレストランを経営していたバレンティーノ・ミリオリーニ氏がバローロに畑を購入し起こしたワイナリー。バローロ地区では珍しく、壜内二次発酵方式のスプマンテも製造しています。傾斜をいかしたレイアウトで、プールが見えますが、、、
そのプールの真下の地下がワインセラー。断熱効果が有り、ワインの熟成にとても良いそう。
地下には神殿のような場所もあり、宗教的な雰囲気ですが、これはワインの貯蔵庫。
タマゴ型コンクリートタンクの導入など、積極的に新技術を取り入れている模様。タマゴ型タンク(通称「コンクリートエッグ」)は、適度な酸素供給と、自然にワインが対流することで良いワインが出来るそうです。日本のワイナリーのみなさま、一度購入してみませんか?
〈エリオ・アルターレ〉
4年前に訪問した時にお世話になった、日本人のTESUさん(一番手前)は、いまやオーナーのエリオ・アルターレ氏に次ぐ、ワインメーカー。畑の色がレインボーのように変わっているのはブドウの品種が違うためだそうです。
モダンバローロで有名なワイナリーで、自動回転式タンクの活用や、小樽熟成を行っています。年間7~8万本程度の生産量。「10年20年寝かせても良いが、今すぐ飲んでも美味しい」というコンセプトでワイン造り行っているとのこと。
バローロのあるピエモンテ州の赤ワインは、一般的にブドウ品種によって価格帯が別れており、一番低価格な赤ワインはドルチェット、その次はバルベーラ、そしてネッビオーロとなっています。長期熟成に向くワイン(ブドウ)ほど価格は高く、木樽熟成の有無や期間なども影響します。
〈フランチェスコ・リナルディ〉
創業は1870年とバローロ地区ではもっとも古いワイナリーの一つ。家族経営で、伝統的な大樽熟成でワインを造っています。建物の壁やレンガは、何度も増築、修理を行った思われる後があり、歴史を感じます。
あまり見ることのない、円筒型のコンクリートタンク。かなり長く使用している模様。
古いワイナリーのため、傾斜や地下を利用した重力式のレイアウトではありませんが、Ragazzini社のチューブポンプを利用し、ブドウにやさしい方法で搬送しています。
バローロ地区でカンヌビとブルテーナと呼ばれる優良区画の畑を持っています。大樽長期熟成を経て出荷されるワインは、タンニンはしっかり、酸もしっかりと、典型的な長期熟成型ワインの味わいでした。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
バローロから近いアルバという町はトリュフの名産地。ちょうど「トリュフ祭り」の最中で、レストランでは高価な「トリュフのパスタ」を食べている人が多い。お菓子のショーケースのような感じでトリュフを販売している店もありました。黒トリュフ(写真奥)より白トリュフ(写真手前)の方が高価で、500円玉くらいの大きさの白トリュフで約100ユーロ~と非常に高価(大きい物ほど高い)。収穫して2、3日しか日持ちしないので、日本では新鮮な物は手に入りづらいそうです。
最後に今回の参加者全員のスナップ写真。ポデーレ・ロッケ・ディ・マンツォーニのライオン像の前にて。
東京営業部 今井孝