きた産業のスローなブログ

会社のトピックスや出来事を、「スロー」に記録・発信するブログ。文章は、当社の各部門のスタッフが書きます。

TOKYO PACK 2014に出展:その2

2014年10月20日 09時02分09秒 | Weblog

東京ビッグサイトのTOKYO PACK 2014の続報です。出展654社で新規出展企業は99社。前報のとおり、当社も新規出店の1社です。


展示機械の中でメインとなるは、フランス・ZALKIN社製の「4ヘッドロータリーキャッパー」です。


4ヘッドの構成は、30STDのPPキャップ用2ヘッドと「AZK」用2ヘッド。「AZK」はサケ壜口(一升壜口)規格用の新型プラスチックキャップです。


この日本向け特別仕様キャッパーの特徴は、なんといっても型替時間の大幅短縮です。①スターホイル位置を変えるためにスクリューの位置を変え、②調整ガイドに壜をセットして自動で昇降させ高さを合わせ、③ソーターからのシュートエンドとディスペンサー部の交換(写真)、ですべて完了です。今回の展示では、なんと3分で型替が完了(!)しました。


スピードは、PPキャップの場合5,000本/時、AZKの場合3,000本/時。PPキャップでデモ運転したときには、そのスピードの速さにたくさんのお客様が思わず足を止め、関心を持って戴きました。


フランス・ZALKIN社製キャッパーでは、1本立ての「TM-3」も展示しました。今回は、ワインのスクリューキャップ「ステルヴァン」のヘッドを搭載して展示。ヘッドスペースを置換するための「ガッシング装置」(ルーツ機械研究所製)も取り付けています。


「TM-3」の特徴は、あらゆるキャップに対応できることです。写真は左から「冠頭替栓クリンパー」、「PP30Sヘッド」、「スマート・スクリュー用ヘッド」、「樹脂キャップ用ネックサポーターとヘッド」。


キャップは4種類を展示しました。①「スマート・スクリュー」:豪華な外観、空回りしない、②「ステルヴァン」:フランスから輸入するワイン用スクリューキャップ、③「AZK」:サケ壜口対応のプラスチックキャップ、安全性を高める一方、中栓は従来の物をそのまま使用可、④「JST」:つばが厚くて開けやすいサケ壜口対応のキャップ。


これはワインのスクリューキャップを開けた後、壜口に残留する「アルミの筒」を除去する機械。ホームユース製品としては世界に類似品のない、画期的器具(と自負しています)。年内に発売予定。ガラスとアルミの分別リサイクルに貢献します。


当社の出展担当者のスナップ写真です。ご来場いただいた多くのお客様、ありがとうございました。

 

山口裕之

品質保証・環境部(ZALKIN社キャッパー技術担当兼任)


TOKYO PACK 2014に出展:その1

2014年10月16日 17時49分58秒 | Weblog

東京ビッグサイトで10/7~10/10の会期で開催された「TOKYO PACK 2014(東京国際包装展)」に出展いたしました。例年6月に同じ東京ビッグサイトで開催される「FOOMA JAPAN(食品機械展示会)」に出展していたのですが、今年は初めてこちらの展示会にチャレンジしてみました。開催前日に台風18号が通過というタイミングでしたが、幸い大きな混乱もなく開催日を迎えることができました。




FOOMAは食品機械の展示会ですが、このTOKYO PACKでは包装資材と包装関係機器が一堂に会します。弊社ブースでは、研究開発や小規模製造に適した小型の充填・キャッピング関係機器を中心に展示いたしました。



まずはここ数年で成長著しい“クラフトビール”のマーケット向けに、アメリカでのベストセラー小型ビール充填機・Meheen社製「Merlinシリーズ」です。標準は6本ヘッドですが、高まる需要に応えて今年から2本ヘッドモデルを投入、今回日本初上陸です。




合わせて、同社の海外マーケット担当者も来日、ブースに立ち寄ってくれました。左がアメリカから来たダン、右がニュージーランドから来たアンドリューです。




最近酒類以外の飲料関係のお客様からも多くのご照会をいただくのがこの「タンサン・ロボ」。チラーユニットと組み合わせれば、簡単に、また少量で炭酸飲料の試作ができます。




そのような試作した炭酸飲料をはじめ、小規模でガス入り飲料を充填するための充填機がこちらの「2+1フィラー」(操作中の機械)と「BF IV」(手前の機械)。もちろん地ビールや発泡清酒等、多くの客様にて製品用にもご使用いただいています。




変わったところでは、半自動の缶シーマー「SNIGシーマー」も展示しました。アルミ缶をセットしてスタートボタンを押すと、蓋乗せ、ガッシング、シーミングと自動で行ないます。研究開発目的でも缶内の酸素量の管理を気にされる場合にはお薦めです。




おなじみのフランス製半自動タックラベラー「Ninette」も多くのお客様に注目いただきました。びんを置くだけで、自動でラベルを貼る簡単さと、コストパフォーマンスの高さが魅力です。




「王冠打栓機」も展示しました。イタリア製。通常王冠の「27mm」用とシャンパン王冠の「29mm」用のヘッドつき。ステンレスヘッドも製作いたします。




期間中、多くのお客様にご来場いただきました。ありがとうございました。




渡邊拓也(企画開発グループ)

(続く)

 

 

 


日本ウイスキー@パリの「ウイスキー・ライブ」

2014年10月06日 11時14分26秒 | Weblog

9月27日、パリ出張に偶々日程が重なっていた、「ウイスキー・ライブ」というイベントに参加。2日間、サンジェルマンにあるビル一棟を借り切って、世界各地のウイスキーやスピリッツ(蒸留酒)をテースティングさせるイベント。今年が11回目の開催。



一人50ユーロ也のチケットは、当日分は既に売り切れだったが何とか入手。行ってみると押すな押すなの盛況。入場者は95%がパリジャンで、パリジェンヌ5%。私のような外国人ツーリストは稀。



これは「グローバル・ブランド・ウイスキーのホール」の50社の出展者のリスト(文字が小さくて恐縮です、拡大してみてください)。スペイサイド、ハイランド、アイラ島、アイリッシュなどに加ええて我がジャポン(日本)もあって、ニッカとサントリーの2社の名前がある(指先)。尚、手首に巻かれるバンド(「9月27日」と書かれている)が「ウイスキー・ライブ」の入場証です。




ニッカは、「通常ブース」とは別に、5階の一部屋を借り切って「竹鶴80周年記念ブース」を出されていました。普段,並べて飲むことはなかなかかなわない、「竹鶴21年」、「竹鶴21年・ノンチルフィルター(冷却フィルターなし)」、「竹鶴21年・マデイラ樽仕上げ」、「竹鶴21年・ポート樽仕上げ」を飲み比べ。どれも共通した深い余韻だがそれぞれ違う。「マデイラ樽仕上げ」が印象的でした。




これは、「竹鶴80周年」のフランス語リーフレット。竹鶴政孝さんはキリッとして絵になる顔立ち。若かりし頃のリタ婦人の横顔が美しい。(「リタ」という30年もののアップルブランデーも出されている。)




次に、3階におりてきて、「グローバル・ブランド・ウイスキーのホール」のジャポンのコーナーにて。こんなグラスを持って、それぞれのブースでテースティングしたいものを注いでもらう。




これはサントリーのブース。「山崎」や「白州」を注いでもらう順番待ちの人たちでごった返して、大盛況。なかなか近づけない。テースティングだけでなく、熱心に質問する人が多いのに驚きます。




これはニッカのブース。「コフィー・スチル」というクラッシックな連続蒸留機で蒸留したもの単独で造った珍しい商品。「コフィー・モルト」と「コフィー・グレーン」を飲ませてもらいましたが、個性ある味わい。(注:通常、連続蒸留したものは単独では商品化せず、ポットスチルとのブレンドに使う。また、モルトを連続蒸留するのも稀だと思う。)




日本の2社の後、アイラやハイランドをいくつか試飲。少量ずつとはいえ、すべてストレートで飲むのですっかりいい気分。ほかに、「(今のところリージョナルだが)グローバルブランドを目指しているウイスキーのホール」(フランス、ニュージーランド、スウェーデン、台湾(!)、インド(!!)など11社)、「マイクロ蒸溜所のホール」(アメリカ中心に7社)、「コニャックやラムなどのホール」(39社)もあって、どれも興味はあったのですが、エール・フランスのストで予定便に乗れず、前夜遅く日本からたどり着いたばかりの時差ぼけもあるし、酔ってパリで倒れては困るので他のホールは断念。フレッシュな外の空気を求めてイベント会場を後にしました。



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パリ市内観察1: さて、イベント会場を離れてパリ市内でジャパニーズウイスキーを観察。これはオデオンにあるウイスキー専門店「メゾン・ド・ウイスキー」。サントリー、ニッカに並んで置かれていた「イチローズ・モルト」。フランスのウイスキーファンの間では、いまや大手二社にならぶ知名度でしょう。




パリ市内観察2: その日の夜、なかなか予約の取れない人気の某レストラン(ミシュラン一つ星、日本人シェフ)にて。メニューのウイスキーの部分を観察。サントリーウイスキーが10種類。価格は「白州12年」や「山崎12年」の18ユーロから始まって、一番高いのは「山崎25年」が120ユーロ。いずれも60mlの価格です。




パリ市内観察・おまけ: 今回は実は、醸造機器・用品の業界の方を中心とした視察ツアーに合流するのが主目的。翌日、ツアーの皆さんと、パリのSPOEXA本部(日本のJETROに近い組織、ただし3年前から民営化)でフランスのアルコール事情のレクチャーを受けました。これはそのスライドの一枚。フランスではワインに比べて蒸留酒ジャンルのシェアが伸びている(量としては減っているがシェアは伸びている)。その蒸留酒中のトップシェア(円グラフでもっとも大きいところ)がウイスキーで38.4%。2位がアニス酒(ペルノ・リカールの本業)で26.6%。フランスではいつからこんなにウイスキーが人気になったのか、、、37年前に初めてパリに来たときにはウイスキーを飲む人など見たことがなかったのに、、、時代は変わるものです。




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PCに残していた写真データから関連情報、その1: 先月、北海道のニッカ余市蒸溜所に行きました。これはそのときのスナップ写真。ポットスチルに「紙垂(しで-神をまつるため、神棚などにつける白い紙の飾り)」が掛けてあるのに驚きました。竹鶴さんの時代から欠かさず飾り、蒸留中も外さないということでした。




PCに残していた写真データから関連情報、その2: こちらは、去年サントリー山崎蒸溜所を見学したときの写真。左右に6基づつの初留釜と再留釜、合計12基という壮観。ニッカ余市の初留釜4基、再留釜2基はそれぞれほぼ同じ形状(スワンネックの角度が違う程度)なのに対し、山崎ではスチルの形はすべて異なる。なお、サントリー山崎はその後、新しい釜を増設されているので、是非また近いうちに見に行きたいと思っています。




少し前、「日本ウイスキーは世界5大ウイスキーの一つ」と聞いても実感がありませんでしたが、今や日本ウイスキーは本当にグローバルブランドになったと感じる今日この頃です。



代表取締役 喜多常夫