きた産業のスローなブログ

会社のトピックスや出来事を、「スロー」に記録・発信するブログ。文章は、当社の各部門のスタッフが書きます。

「宮崎県本格焼酎技術研究会」にて

2014年07月22日 13時23分03秒 | Weblog

7月18日、「宮崎県本格焼酎技術研究会」で講演をさせていただく機会を得ました。JR宮崎駅のすぐ東側には、こんな巨大ドーム(宮崎科学技術館)とM1ロケットのモニュメント(写真右側。煙突ではない)があって、講演会場はそのすぐ横のホテル。



多くの焼酎技術者の皆さんに熱心に聞いていただきました。私一人で演目が2題あって、1つめが「焼酎の世界マーケットの現状と、グローバルスピリッツ化のための条件」。



これは、2013年にハワイに開業した芋焼酎のマイクロ蒸溜所「ハワイアン焼酎カンパニー」、銘柄は「波花」。単式蒸留の『焼酎/Shochu』という名称のついた製品は、アメリカ、ベトナム、ブラジル、ニュージーランド、トンガ、カンボジア、韓国、台湾、中国など、いまや多くの国で生産されるようになっています。日本国外で消費される焼酎は、日本製(=日本からの輸出、2013年で1.5万石)よりも、海外製(=海外で生産される量)の方が多いのではないかと思います。



日本の多くの焼酎銘柄は、米国では「Soju/Shochu」、中国では「焼酒/焼酎」と表記して販売されています。写真は、「『韓国ソジュ』は、米国でも中国でも『日本焼酎』より圧倒的なシェア」と題するスライド。2013年のアメリカで、韓国ソジュ:日本焼酎は、量で90%:7%、金額で72%:25%。ソジュの存在感が圧倒的に強いのです。



こちらは清酒の状況。「サケ・ノット・メイド・イン・ジャパン(日本製でないサケ)」というスライド。アメリカでアメリカ製のサケ、ブラジルでブラジル製のサケ、ベトナムでベトナム製のサケを飲んだ体験。またドイツや韓国で、アメリカ製のサケを飲んだ体験の写真。焼酎もサケも、グローバル化が進む中で様々な展開が起こっています。



もう1つの演題は「各種スパークリング酒の製法と設備の概観-焼酎スパークリングのための参考情報」でしたが、このブログでは割愛します。「(本格焼酎ベースの)リキュールのスパークリング」だけでなく、最近は「本格焼酎そのもののスパークリング」も製品化されています。



「焼酎の世界マーケット」と「スパークリング」の2つの演題は、一見何の関係もないように見えますが、「現状ではニッチの,ごく小規模ではあるが、将来は伸びるマーケット」、という共通項でくくることができるテーマでした。宮崎の、そして南九州の本格焼酎のさらなる発展を願っています。


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最後に、これは宮崎空港でのスナップ写真。宮崎には、2013年の本格焼酎出荷量日本一の「霧島酒造」さんのほか、このように多くの本格焼酎銘柄があります。宮崎県の食品・飲料産業の売上げの数十%を焼酎産業が占めているそうで、県にとっても重要な産業です。



代表取締役 喜多常夫